マガジンのカバー画像

掌編小説マガジン 『at』

100
掌編小説マガジン at(あっと)。 これまで、ななくさつゆりがwebに投稿した掌編小説を紹介していきます。 とりあえず、100本!
運営しているクリエイター

#春

情景239.「風車村の朝支度」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「風車村の朝支度」です。 朝、ひざしと風を浴びる。 恵風が羽をなびかせ、風車が回る。 風車の“まわるアレ”って、羽(羽根)って言うんですね。 続きものとして「情景239【風車村の朝支度】」と「情景240【風車村で音を聴いて】」を覧ください。 このお話は、情景にある「音」を気にしながら書いていました。 ほら、文章って音が鳴らないでしょう? でも、“よい情景”というのは、音がするし光はあるし風はそよぐし、匂い

情景235.「早春の小昼」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「早春の小昼」です。 他愛のない日常のこと。 肩の力を抜いて眺める、晴れた日の情景。 また学生をやれるなら、カフェのバイトをしたいかなァ。 みなさん、アルバイトは何をされてました? 私の場合、学生時代にいくつかアルバイトをしていて、どれも接客業だったかな……飲食店とか、ウェディングのホールスタッフとか。 今は働き方も多様性の時代なので、年齢や性別を問わずいろんなことにチャレンジできます。 それこそ本業とは別

情景229.「陽だまりをまとうように」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「陽だまりを纏うように」です。 ふと、気づく。 いつの間に、こんなに大人になっていたのだろう。 身にまとう雰囲気が柔らかくて、暖かくて、大人びていた。 ひとの成長に目を見張る三月の午前中。 三月に入り、それまでの張り詰めるような冷たい空気が少しずつ和らいでいきます。 すると、雰囲気にアテられたのか、心にも少し余裕が出てきて、それまで気づかなかったことに気づいてしまうこともある。 ……ありませんか。 私は、あ

情景230.「花粉症ではない」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「花粉症ではない」です。 花粉症ですか。 いえ、花粉症ではないですね。 そんなやり取りを繰り返す季節がきました。 ちなみに私は……花粉症ではないですね! 単に、鼻がツンツンするだけです。 私は花粉症ではありません。 単に、春になると鼻がツーンってなったり、たまに目がかゆくなったりするくらいで、花粉症ではありません。 「いやそれ、花粉症ですよね?」 それは呪いの言葉です。 単に鼻がアレなだけです。 なんて