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homimiの由来「お茶を通して目指していること」

こんにちは。
鎌倉でスリランカの紅茶を軸とした紅茶会を開いている、「homimi」です。

今日は、屋号の「homimi」に込めた想いを書きたいと思います。

初めましての方、改めてこんにちは。
私は「homimi(ほみみ)」と言います。
普段は食に関わる職場で働く傍らで紅茶会をしたり、ライフワークとして米粉やスパイスを使ったお菓子や料理作りをしたり、冷え取り健康法やアーユルヴェーダ、食文化などについて、自分が感動したことを紹介したりしています。

木々に囲まれたスリランカの都市部のカフェ

私は、頭も身体もガッチガチだった会社員時代に紅茶のセラピー効果に目覚め、紅茶を独学で学んでいるうちに自分の小さかった世界が広がり、人生がうんと豊かになる体験をしました。
その体験をきっかけにもっと多くの方に、お茶を淹れるという行為を含めた紅茶の素晴らしさをお伝えしたい!
そして、お茶を通じて広がる視野の先に、自然と人々の健やかで豊かな暮らしについて私も含め一緒に探っていける場を作りたいと思うようになりました。
そんな道中で、セイロンティーを通してスリランカという国にも魅せられてセイロンティーを主軸とした発信をしています。

フルーツやスパイスでアレンジティーをすることも

なぜ「セイロンティー」なのかはまた別の記事で以前にも書いているのでもしよかったらご覧ください。

さて今回は、名前の「homimi(ほみみ)」についてです。
本名と似ているから、知人の方はあだ名だと思われるかもしれませんが、実はこれは偶然でした。

本来漢字で書くと、「穂耳」です。
(これを見て、神社や日本神話好きの方はピンとくるでしょうか?)
これは「天忍穂耳尊(アメノオシホミミノミコト)」という日本書紀や日本古事記に登場する神様のお名前の一部を拝借したものなのです。

穂耳はイカツイ神さま?

厳密にはもっと長い名前で「正勝吾勝々速日 (まさかつあかつかちはやひ)天之忍穂耳命(アメノオシホミミのミコト)」と呼ばれる稲穂の神様です。
意味をなぞると「まさに正しく立派に勝ち、それは日が昇る如く素早く、天の威厳をもった稲穂の神様」と言うような、いかにも威圧的なお名前。
現代社会にはあまり受け入れられなさそうな訳になっています(苦笑)
ここで言う「勝つ」は誓約(うけい)という誓いを証明するみたいな意味合いもあるようで、諸説あるのでここでは詳細は割愛します。
このいかにもイカツイ印象の男性性の強い神様。
私自身ののんびりうっかりしている性格とはどうやら違いそうな神様です(笑)

耳がつくこと

さて、大切なのはここから。
私は、この神様のように男らしい威厳にあこがれたわけではないのです。
初めは「稲穂の神様」であることや「穂耳」という言葉の響きに心惹かれていました。
しかし、穂は分かるけれど、なぜここにきて「耳」という身体部位が付くのか疑問に思い、漢字の成り立ちを少し調べ始めました。

すると、こんなエピソードが出てきました。
古代、「耳は神の声を聴く」重要な器官と捉えられていて、例えば徳のある人のことを表す「聖人」の「聖」とは元々はヒトに大きな耳をのせた象形文字だったそうです。

私なりの解釈をすると、古代の人は、現代人よりもうんと感覚が研ぎ澄まされていて、現代人には聞こえないレベルのHzの振動も感じ取り、それを神様の声(言い換えれば自然の兆候など)が聞こえると表現していたのではないか、と思いました。

普段聞こえない自然の声に耳を澄ます

例えば草が揺れるくらいの微細な風や稲穂から虫が飛び立つ時の音など普段意識しなければ聞こえてこない音。
古代の人は、そうした音をもっと鮮やかに繊細に聞くことができて、そこに感動したり畏敬の念を持ったり、または暮らしの知恵に生かしたりしていたのではないだろうかと。
この「穂耳」というお名前から、草原の真ん中で耳を澄まして風を感じている一人の男性を私はふとイメージしたのです。

緑の中にいると私はしあわせ

私も、鎌倉の自然豊かな暮らしの中でこれまで聞くことのなかった、動物の鳴き声や木々のそよぐ音に日々日々触れて、これまで以上に音に敏感になりました。
今では、自然の音が心地良いBGMとなって、自宅では普段あまり音楽を聴かない生活となりました。

近所の山の空気感
ここには虫や鳥などの生き物たちの声や木々の音が響く

この感覚は、「お茶を淹れる」という行為にも共通すると思っています。
お茶は淹れているそばから香りや音、温度、色などの全体から、また細部から味わうことが出来て、それでいて日常の中に寄り添ってくれる軽やかな存在であることに近いと思いました。
更に言えば、私の場合、お茶の木を育てお茶を作るという行為やその土地の文化にも視野が広がり、想像力も好奇心も大きく刺激されて思いがけず豊かな体験につながったりもしました。
「耳を使う=自分の感覚を使う」
このことに紅茶を淹れるという行為は大きな役割を果たしてくれると私は自分の体験を通して、感じています。

紅茶を通してもっと聞きたい

「香りを聞く」とか「聞き(利き)茶」という言葉もあるように、昔から日本人は、鼻で香りを嗅ぐ嗅覚も舌で味わう味覚も含めて、何かを感じることを「聞く」という表現をしてきました。
アメノオシホミミノミコトが豊かに実る稲穂の広がる情景を前に耳を澄ましているかように。
紅茶を通じて、「聞く」感覚を開き、心も身体も環境も健やかで豊かな世界にしていきたい、そんな仲間が増えると嬉しいな思って活動しています。

和紅茶も楽しむことがあります

皆さんが通常イメージする「紅茶教室」とは違うかもしれない、homimiが目指していることは、この名前の由来にも込められています。
紅茶を聞くと、紅茶が利く。
紅茶の魅力を感じられると、紅茶が私たちの役に立ってくれる。
もうこれは素晴らしい地球のギフト!
ありがとう!って叫びたくなります。
こんなに素朴でシンプルな紅茶がくれるギフトの大きさを自分だけが受け取るなんてもったいない!
だから、ちゃんとこの魅力が一人でも多くの人に届くように私は、これからもお茶とお付き合いしていこうと思います。

ここまでの長文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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