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日々是紅茶⑨「紅茶の二番煎じはいけるのか」後編

紅茶は二煎目はいけるのか?
結論から言うと、私の経験からすると例外を除き大概の紅茶は、一煎目がいちばん美味しく楽しめて二煎目は残念な結果になる。という話が前編。
その理由ひとつめを私の個人的な考えで書いてみた。



【おいしいと感じる紅茶の味って】

もうひとつの理由と考えられるのは、紅茶の何が美味しいと感じさせるのかが他のお茶と違うのかなと思う。

美味しさの第一印象で香りが大切なのは、他の緑茶やウーロン茶などのお茶と同じ。

次に、実際口に運んだとき、複雑な味覚を一度に楽しめるのが紅茶の特長だと思う。

口に含んでからの鼻に抜ける香りと、舌で感じる苦みとほどよい渋み、そしてほのかな甘み。

一般的に紅茶の美味しさの重要な要素として「程よく心地よい渋味」があると言われている。「パンジェンシー(pangency)」とも表現されるが、テイスターの表現では活発な、爽やかなといった意味を持つ、「ブリスク(brisk)」を使うそうだ。

この渋味だけでは刺激が強すぎるが、そこに甘みや苦み、香りなど様々な要素がバランスよく重なっていることで、単なる「渋い紅茶」ではなく「美味しい紅茶」にしてくれる。

「紅茶は渋いから好きじゃない」と言う声を聞くこともあるが、実はこの渋味のバランスがよければ美味しく飲める可能性が高い。

そして、前編でも書いたが、紅茶は一煎目でそのバランスを余すことなく出し切ることで一煎目は美味しくなるのだが、二煎目は残念ながらバランスが崩れてしまうために美味しさが激減してしまうのではないか。

実際に、二煎目を飲んでみると、生臭さが加わってくる場合もある。コクを感じていた苦味や甘みなどはすっかり一煎目でパフォーマンスを出し切ってしまったみたいだ。

逆に元々渋味の少ない紅茶の二煎目(たとえばルフナなど)は、遠くに甘みは感じるものの、なんだか物足りない平坦でパンチのない薄いお茶に。

どうやら紅茶はバランスが命。

こちらはヌワラエリヤ(左が一煎目、右が二煎目)香りは淡く残ったが味はほとんど消えてしまっていた

まだ飲んだことのない紅茶も沢山あるし、必ずしもこの二つの理由が当てはまるとは限らない。

そして例外的には、中国茶のような甘い香りがする紅茶は比較的、二煎目もいけるタイプのように個人的には感じる。(これについてはまた別で)

【まとめ】

紅茶は、大抵は一煎目で美味しい成分を余すところなく抽出してしまうので、二煎目はおすすめしない。

一期一会。潔く、一煎目のお茶をしっかり味わったら、茶殻は愛でて、潔く(うがいなど他の用途に)リサイクルするか、コンポストに振りかけてあげてほしいな。






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