愛…スリーピングビューティー

わたしは物心ついてからずっと、架空のキャラクターや画面の中のアイドルに本気で恋をする「夢女」である。
手の届かない彼ら彼女らが魅力的すぎて、現実に落胆したことが何度あるだろうか。数えきれない。

noteで少しずつわたしが恋した彼ら彼女らへの尊敬や、作品への愛を少しずつ語っていこうと思う。

今回お話するのは、登れる上にトークも切れる、天は彼に三物を与えたでお馴染みの「東堂尽八」くん、「弱虫ペダル」についてである。ちなみにこの恋は、妄想の中でも絶対に叶うことはない。理由は最後に分かる。

好きポイント① 作品が面白すぎる


弱虫ペダルマジでおもしれ~~(泣)

ほんとに。なんでこんなおもしろいの??
原作が神すぎる。キャラクターの表情。自転車競技のスピードと臨場感。迫り来る箱根の山々。大声で聞こえてくるような名台詞の数々。人間は他者によって影響を受け成長し、勝ち、負け、悔しがり、喜び、憎しみ、愛していく。彼らのコミュニケーションツールは全て自転車で、彼らはあの夏の続きに生き続ける。一生の大舞台が何年間にも渡って描かれ、この夏のインターハイは、箱根の道は、彼らの人生、人格、身体を形づくるものにまで影響するんだと思うと、胸が熱くなる。物語がめちゃくちゃおもしろい。最後の最後、線を越えるまでどちらが勝つのか分からない。かっこいい。嘘みたいにキャラクター全員が熱く、一生懸命に命を燃え上がらせている。はあ…大好き…一生好きかもしれん。
東堂くんの卒業が嫌すぎて本誌を追うのやめちゃったけど、この間久しぶりにアニメで東堂くんと巻島くんの闘いを見返して「ウワ~~!!!!!本当に最高じゃ~~~~!!!!!!!たまげた~~!!名作じゃん!!!!!!」つって号泣した。
ほんと…東堂くんと巻島くんのヒルクライム、後世に残してほしい…。頼む…山川の日本史の教科書に載せてくれ…跡部手塚戦と一緒に載せてくれ…。

何がいいのかというと…
東堂くんって、「努力を努力と思わない天才」で、ふつう人は頑張ったことを他人に褒めてもらいたい、認めてもらいたいという承認欲求があると思うのだけど、東堂くんにはそれがないように思える。何故なら彼は圧倒的に自分に自信があるからだ。素晴らしい自分にそぐわない行いや姿を彼がするわけがない。常に美しい形であるために、自分そのものも、自分が使う物も、「あるがまま」で高みへと連れていく努力をする。
自転車がその現れだ。
リドレーに出会う前、彼が乗っていたのは実家のママチャリである。漕ぎ始めればたちまち凄まじい音を立てるはずのそのママチャリも、彼にかかれば不細工な音など出ない!彼ははじめから高みを望んではいない。与えられたもので勝負することが「上手い」のだ。なぜなら彼は自信に溢れた東堂尽八だから!!キャ~~!!東堂くん!!指さすやつやって~~!!!!!
は~~ほんとに。そういうところ好きだし心から尊敬している。自分にあるものを愛して認めて他と比べず(「女子人気は気にするが」)、自分と闘っていくかんじ…東堂ぐん…ッッ!!!!
自分のことが好きだからこそ自分を落とすことは決してない、それが東堂尽八。いつでも自分に見合う努力をし続ける。東堂くん…。

好きポイント② 巻ちゃんとの関係

越えらんねえよ。巻ちゃんと東堂くんの強すぎる信頼関係は。筆舌に尽くしがたいよ。言葉で言い表すことなんてできない。東堂くんの巻ちゃんへの執着は理解しがたい。巻ちゃんも巻ちゃんで理解できね~~って態度とるくせに受け入れてるから結局わかりあってるじゃん!!(大声)
東堂くんにとってはじめは自分を高めてくれる相手、でしかなかったのかもしれない巻ちゃんが、東堂尽八の人生の中で一番デカイ割合を占める存在になっていくのヤバくない?巻ちゃん、人一人の人生ある意味めちゃくちゃにしてるわけじゃん。わかってるの??
わたしがわかんなくてもいいんだよな~~だってふたりが分かりあえてるから!!
恋愛とか友情とかそういうの越えた何かが二人の間にはあって、めちゃくちゃデカイ愛がそこにはあって、例えば二人が全く会わなくなってしまったとしても、ずっと脳みその奥底ペダルを回した脚とか山頂を捉えた目の細胞にいたるまで、全部、お互いがいるんだろうなと思うの。
だって、東堂くん真波くんに言ってたから…


「相手のことを、憎んで嫌って…正直俺には羨ましいのだよ」
「すぐに会えて、いつだって自転車で対話できる場所に、ライバルがいるのだから」

いや東堂くんにとって「ライバル」って何~~ーー!?!?
巻ちゃんって何ーー!?!?

一生わからん…でもわかんないとこがすき…
人間の愛情って無償の愛なんてものはなくて、一面的だったら続かないと思うのね。愛してる、好き、憧れ、のような、好意だけの思いは深みがないから、愛してると本当に言えるのかと思う。東堂くんは鎬を削る相手である巻ちゃんの、見た目の奇抜さに驚き、その強さを愛し、嫉妬し、憎み、嫌い、憧れてきたのだと思う。巻ちゃんが東堂くんに与えた感情のうち、東堂くんが初めて覚えた気持ちはどれだけあるんだろう。そうして東堂くんは高みへ、山の頂上へ、何度も何度も自分の脚で登ったんだね。かっこいいね…かっこよすぎるよね…泣ける…。
わたしは東堂くんのことめちゃくちゃ好きだけど、巻ちゃんに勝てるわけがないから、あの夏に関わりたくない。

これは自論ですが、わたしは自分が落語をやっていて、すごく苦しかった。たくさん悩んだし、たくさん泣いたし、楽しかったけど楽しくなかった。落語をやるのがしんどかった。でも、自分がこんなに情熱をかけてできるものは話芸だったのかと驚いた。間違いなく青春だった。
落語の季節は夏と、春。いつでも岐阜が勝負の舞台だった。この記憶と熱を共有しない人を、わたしの苦しみやもがきを理解できない人を、多面的な感情で愛することができるだろうかと、考えたことがある。
それは東堂くんも同じなのではないだろうか。
あのインターハイ、箱根の山のあの記憶、あの瞬間東堂くんの世界は、巻ちゃんと二人だけのものだったはすだ。魂のぶつかりあいをしたんだ。二人は。そこに入る隙間はない。きっとその頃に東堂くんと知り合っていたら、わたしは彼を愛することはできないだろう。(※ナチュラルに夢視点に移っています※)
熱の記憶を共有しながら、心の奥底で巻島祐介への嫉妬をじりじりと燃やしながら、東堂くんと高校生活を送ったこともあった。東堂くんって巻ちゃんにしか興味がないわけじゃない。基本的に世話焼きでお人好しだ。でも、どこか一歩ひいたところがあって、そのひとが、巻ちゃんにだけ関係なしにずかずか踏みいっていくところ含めて…

好き!!!!!!!!

高校生のときに東堂くんと恋仲になるのは非常に難しかった。生まれもってして夢女子の才能を持っていたわたしでさえも、東堂尽八は難攻不落の王子様だった。

好きポイント③ 顔

天は俺に三物を与えた!と高らかに彼は言う。
その通りだ!!!
わかる…顔が良すぎる…

パーツとかじゃなくて…こう…バランスが良い…
「綺麗な顔を描いてください」と言われたときのお手本の顔というかね…練習で焼けた肌もすき…

一重っぽいところも好き。たぶん一重だけど目おっきいんだろうなって思う。鼻は高いけど小鼻がちっちゃくて筋が通ってるはずだし、眉毛は自分で整えてるのかな…爪絶対長くなさそう…登りで鍛えたガッチガチの脚とうっすいお腹の対比、絶対きれいでしょ…

声優さんの声があてられた東堂くん、イキイキしてて想像の通りで、「東堂尽八」というキャラクターの完全体を見た!と思う。だからアニメめっちゃすきなの…アニメの東堂くんなんていうのかな…原作の通りなの…原作の東堂くんがそのまま喋ってるの…他のみんなもそのまんま…アニメスタッフさんありがとう…
アニメ見てると(東堂くんマジでずっと喋ってるな)と思う。うるせーよ!って思う。前見ろ!
でもそこがいい!ベラベラ喋っている東堂くんが好き。わたしは無口キャラより馬鹿喋るキャラが好き。
上品の具現化みたいな人なのに喋るスイッチが入るとメチャクチャうるさいところが好き。でもやっぱり品があるよね…育ちかな…。

顔とにかく好き。アニメで東堂くんの顔がうつるたびに「東堂くん!」って言っちゃう。顔がかっこいい。

東堂くんのお目目はハイライトがないことで有名だけど、ハイライトなしの目でよくここまでポジティブなキャラクターになれたな!?と思う。しかしハイライトがないことによって東堂尽八の持つストイックさや冷酷さのようなものが顔に現れてるの漫画の表現として分かりやすく凄い。瞳の与える印象は大きい。

色々とお話してきたけれど、今日もわたしは東堂の女にはなれなかった…。東堂くんの世話焼きの部分が大発揮されて、わたしのポンコツも大発揮されて、うまく噛み合えばわたしたちリンゴンと鐘を鳴らすことができると思うけど、それでも巻ちゃんへのクソデカ感情に勝てねえよ…。弱ペダキャラほとんどみんなそれ…弱虫ペダルの話をしだすと結局東堂巻島のブロマンスへの憧れを語ってしまう。人間同士の名前のつかない愛し合う姿、傑作の関係性が東堂と巻島なのでは!?!?!?
東堂くんへの夢を語ろうとしたのに失敗した。全部巻ちゃんのせい。嘘!巻ちゃんのこともだいすき!!巻ちゃん…巻ちゃん!!!!!!!!!!!

そうなんだよ…弱ペダにはまって、さ~あ彼氏つくるぞ!ってなったとき、恋愛をするような、自転車もそうだけど、特別な他者への感情がそれぞれデカすぎて、想像の中でも恋愛が楽しめないのよ!
わたしはね、「恋人(わたし)以上に大切な何か」がある人のことがスッッ(一億年経過)ッッ……ゴイ好きなんだけど、それも口や頭では「君が一番大事だよ」って言う人が、心理の奥底では恋人への思いなんて及ばないくらい大事な大事な譲れない何かがある人のことにすごく惹かれてしまう(テニスの話はまた今度するね…)。なんだけど、弱ペダキャラってそれが「自転車」だけじゃない。ライバルとか仲間とか、大切な何かが物理的や概念的なものじゃなく、人なのよ!!
だから夢見れないの。彼らの輪の中に入っていけない。でもそこが好き(号泣)(何?)(急に泣くな!!!!)(明るい女になれ!!!!!!!)
特に東堂くんはそれが顕著なキャラクターで、好きになってふられたい気持ちのほうが強い。実際失恋してる。お付き合いをする夢を見ても勝てない。巻ちゃんに。勝てない。
だから東堂くんへの恋は叶わない。

東堂くん、いま何をしているのだろうか。
あなたが小野田坂道くんを中心とした物語の軸から見えないところにいってしまって、わたしはあなたのいない物語を応援する気になれなかった。しかし、東堂くんと巻島くんの走りを見終えた後、わたしの手は次へ次へ物語を追いかけていた。今朝見終えたのは、杉本くんと鏑木くん、段竹くんの1年生レースの中盤。峰が山の入り口にさしかかったところだ。忘れていた。「弱虫ペダル」という作品の面白さが、キャラクターだけではないことを…!
面白い…レースの行方が気になって仕方ない。東堂くんのいない弱ペダなんて…という気持ちが吹き飛んでいく。良い!!!!物語を見進めると次第に現世代への愛着が沸いてくる。それぞれの関係性に何度も驚かされ感動する。
総北高校、頑張れ…!箱根学園、頑張れ…!
アニメを1話見終えるたびに、大きな感情に包まれる。弱虫ペダル、面白すぎる。一生連載しててほしい…。

アニメを少しずつ辿っているため、今の東堂くんたちがなにをしているのか、わたしは知らない。まだわからない。大学生になっている?プロ入り?どんな道を辿っているのだろうか。東堂くんの成長だけじゃない。この世代が、次はどんな感動を連れてきてくれるのか、わくわくする。

東堂くん、大好き!弱ペダの登場人物であってくれてありがとう。彼を産み出してくれた先生に感謝…。

興奮をおさえながら、帰ってから続きを見るのを楽しみに、お仕事にいってきます。働く上にトークも切れる!さらにこの美形!東堂くんマインドで頑張ります。愛…スリーピングビューティー(完)

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