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『ジョジョ・ラビット』その瞳に映る世界はきっとまたワクワクに溢れる

今週末(日本時間10日の朝)はアカデミー賞授賞式ですね!
以前はWOWOWで生放送を見ていましたが、今年は難しそうです…。
あとから字幕版で見直すことにしましょう。

さて、そんなアカデミー賞に今回ノミネートされている
『ジョジョ・ラビット』を観てきました!
基本ネタバレなしで書いているつもりですが
もしかしたら、意図せずネタバレぽくなっているかもしれないので
その点気にならない方は読んでいただければと思います。

〜あらすじ〜
時は、第二次世界大戦下のドイツ。
主人公のジョジョは、空想上の友だちの
アドルフ・ヒトラーの助けを借りながら、
青少年集団ヒトラーユーゲントで立派な兵士になろうと奮闘中。
ある日、母親とふたりで暮らしていたジョジョは、
家の中で小さな隠し部屋を見つけ、
そこでユダヤ人の少女が匿われていることに気づきます。

戦時中の物語は、メッセージ・テーマが重いだけに
どちらかといえば暗くなりがちですよね。
でも、この作品は、特に前半は笑って楽しめる作品です。
ジョジョは空想の友だちであるヒトラーにいろいろなことを
相談するのですが、ヒトラーの回答もジョジョの反応も
どうも可笑しくなってしまいます。
「いやいや!そうじゃないでしょ!」って思わず突っ込みたくなる。
あと、ヒトラーだけ、飛び抜けてドイツ訛りなのも
タイカずるいぞ…(笑)ってなりますね。

しかしながら、楽しいだけに終わりません。
今の時代に見れば、ぶっとんでいて面白くみえる青年団の訓練も、
子どもたちのとても身近な場所に戦争があって、
まるで戦争に行くことがヒーローであるかのように考え、
積極的に政治を語り、違和感なく思想を植えつけていったのか
と思うととても怖く感じます。
そして、ジョジョと私たちは、
物語が進むにつれて、少しずつその違和感を感じていくのです。
後半は前半の楽しさは何処へやら、ずっしりと心にのしかかってきます。

物語は終戦で幕をおろしますが、
その後ジョジョがどうなったのかはわかりません。
でも、現実を身をもって理解した彼は、
きっといつかまたキラキラと輝く瞳で楽しい日々を過ごすはず!
と願わずにはいられません。

さて、ストーリーのほかに、とても印象的だったのがスカヨハの衣装!
どの衣装もとても鮮やかで、特に靴が素敵で…!
スカヨハ演じるジョジョの母は、
周りの人とは違うというか、自由な感じがあって、
そのコントラストとしても衣装がよく機能しているなと感じました。
スカヨハ=パワフルな女性像、というのを改めて思いました。
(『マリッジ・ストーリー』は少し違っててそれも良かった!)

そして、個人的にはサム・ロックウェルが優勝。
『スリー・ビルボード』以来なのかな?私が観たのは。
いやーすごく良かった。
彼が演じる役って、最初は
本当に嫌な奴とか、しょうもない奴って感じがするんです。
でもね、最後にはどうしても愛さずにはいられないんです。
愛おしくなってしまうのです。
今回も、「うわーこういう人いやだ」って思ってたのに
最後は「わ…良いやつじゃん…つら…(涙)」ってなってしまいました。

アカデミー賞の結果はどうなるかわかりませんが、
ぜひみなさん観てみてくださいね〜!