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地方公務員について、現役地方公務員が語る。

 皆さん初めましてユニオシと申します。
私は現在とある政令指定都市の地方公務員として働いております。
公務員を目指している学生が思いのほか多いという記事を見ましたので、
今回は地方公務員という職業について記事を書きたいと思います。

地方公務員の仕事

 公務員には様々な仕事ああります。
 国家総合職、国家一般職、国家専門職、地方上級、また行政職なのか技術職なのか等、多種多様です。
 それぞれがどのような区分で分けられているのかについては、たくさん記事があると思いますのでそちらに任せることにしまして、私は私の経験談を語りたいと思います。
 
 地方公務員の中でも、私は基礎自治体=市町村の単位で働いています。市役所がもっともイメージしやすいでしょう。
 
 基礎自治体の対となる自治体に広域自治体があります。これはつまり、都道府県庁のことです。
 
 ほかに東京都特別区なんてのもありますが、これは少し特殊なので詳しくは話しません。
 
 私の働いている基礎自治体に話を限定します。

 基礎自治体の中でも、政令指定都市というのは少し特別です。

 政令指定都市は全国に20あります。(総務省 令和4年7月5日現在)
 
 普通の市よりも人口が多い都市をイメージしてください。大阪市や横浜市、名古屋市などです。

 このような政令指定都市は、本来広域自治体が行う業務の一部の権限を委譲されています。通常の基礎自治体では行うことのできない大きな仕事ができると思ってください。
 
 そして、政令指定都市には行政区というものが置かれています。一つの市としては人口が多すぎるので、いくつかの区に分けて業務をしましょうね。ということです。イメージしやすいところでいうと福岡市には博多区という区がありますね。
 
 そして、それぞれの区に区役所を置き、住民の戸籍などの管理や地域との折衝は基本的にそれぞれの区役所が行います。(東京23区はまったく別ですので、混同しないように注意してください。)

 市役所では、都道府県庁が行うような、都市計画の策定や街づくり計画などを行っていると思ってください。つまり、政令指定都市に住んでいれば通常、足を運ぶのは区役所であり、市役所には行ったこともない人も多いと思います。市役所には基本的に窓口がないと思ってください。

 まとめると、政令指定都市には市役所と区役所があり、前者では都道府県庁のような仕事、後者では窓口業務などの市民に近い仕事をしているということです。

 前者と後者の仕事内容は全くと言っていいほど異なっています。
もしあなたが、広く街づくりを行いたいと考えているなら、迷わず都道府県庁を目指すべきかもしれません。
 なぜなら政令指定都市に入庁した場合、たとえそういった大きな仕事を希望していても、区役所の窓口に配属される可能性が高いからです。

 もちろん、市役所は市役所でいい点もあります。それは都道府県庁ほど組織が大きくないことです。都道府県の広さに比べれば政令市の大きさなどちっぽけですので、転居しなければならないような転勤は希望しない限りほぼないでしょう。

公務員で身に着くスキルとは?

 こんなことをよく耳にしませんか?
 「公務員は転職できない」
 
 なぜそんな風に言われるのかについて解説します。

 一つは人事異動の仕組みが関係しているでしょう。

 自治体には様々な組織があります。
 観光や都市計画、環境や水道、道路、国際、経済、議会、教育など、ありとあらゆる分野の組織があります。 
 それこそ、国における12省庁の自治体版があると思ってください。それに加えて区役所もあります。そして、どこに配属されるかわからない。配属されても2,3年で異動して、まったく別の分野に配属されることもあります。ある程度、その分野で活躍ができれば希望を受け入れてくれることも多いと思いますが、最初の配属はほぼ希望が通らないと思っていいでしょう。

 そしてここが大事ですが、最初の配属次第である程度その先のキャリアが決まってくるなんてことも少なくありません。

 通常、民間企業では—私は働いたことがないのでわかりませんが—まったく異なる分野の職種に就くことはあまりないでしょう。その企業の業界についての知識は蓄積されるはずです。
 
 良くも悪くも役所は特殊ですので、民間企業に転職しようと思うと、なかなか経験が生きないこともあるでしょう。

 それから、やはり役所は民間企業よりもトレンドに乗るスピードが遅いです。条例や規則などを変えなければいけませんからね。
 
 以上のような理由で、公務員は転職しにくいと言われているのだと思います。
 私の感覚ですが、別の自治体に転職したり、自治体向けのサービスを行っている民間企業に転職する人は一定数いますので、まったく転職が効かないというわけではありません。

地方公務員のいいところ

 私が地方公務員と働いていて良いと思うところを紹介します。
 
 まず一つ目は、転勤がないことです。
 これは基礎自治体職員のいいところだと思います。引っ越しを伴うような転勤は基本的にありません。全くないとは言いませんが、希望しない限りはほぼないでしょう。

 二つ目は残業時間の少なさです。
 いきなりですが、たとえ公務員でも残業0は100%ないと思ってください。公務員にも残業はあります。また地域のイベントごとや議会の対応、選挙など、週末や休日に勤務する必要もでてきます。
 ただ、私の感覚では比較的、残業は少ないと思います。平均で月10~20時間で収まります。
 もちろん部署によっては、40時間なんて当然だという部署もあります。そこは配属次第、ということになりますね。

 三つ目はやはり、雇用の安定性でしょう。
 行政職として入庁した場合、よっぽどのことがない限り解雇になることはないでしょう。それに加えて、業績があまりよくなくても、自動的に昇給していきます。
 これは良い点であると同時に悪い点でもあります。頑張らなくても給料は保障されている。という考えは、モチベーションの低い職員を生みますので、結果的に組織としての生産性が下がるだけでなく、メンターとなる優秀な職員を育成するのが難しい状況を作ってしまう恐れがあるからです。

終わりに

 ここまで話してきましたが、私が思うに、本当にやる気があって優秀な人間であれば、どこであっても重宝されると思います。
 それから、書いてあることはすべて私の経験に基づきますので、ご了承ください。
 今後も、守秘義務に違反しない程度に記事を書こうと思います。
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

  


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