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万年筆が欲しいので自分の欲望を整理する

手帳沼と筆記具沼は、いつだって隣り合わせ。今私は、そのふたつを反復横跳びしている。
ひとりの万年筆初心者がうだうだと言い訳を並べる様を、楽しめそうなら読んでみてほしい。
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欲しい理由


最初に万年筆(及びガラスペン)に興味を持ったのは、Twitterの書写界隈に足を踏み入れたからだった。万年筆の機能はもとより、友人がペリカンのスーべレーンを購入していて、その美しさにも惹かれた。万年筆を数本とインクを数本(たぶんまだ二桁はいっていない)揃えた。今も投稿こそしていないけれど、お題に合わせて書写は行っている。参加し始めた頃よりは字が上手くなってきた、と思う。
それから一度は万年筆購入への熱は落ち着いていたのだけれど、ここに来て急な手帳沼ドボン、そしてプロッター購入が私の熱を引き戻した。ミニ6に記入するにあたって、万年筆もいいなという気持ちが湧いてしまったのだ。わざわざユニボールワンPを買ったというのに。いやいや、だって家にはインクがたくさんあるし、活用できるシーンが増えたなら出番を増やしてやりたいと思うのはごく自然じゃないのか。

あと、リフィルの紙質や使用しているインクの相性なのか、今メインで使っている万年筆だと少し滲んで裏写りするので、EFかFが欲しい。持ってるけど。持ってるけど違うんだ……「新しい万年筆」に移り気しているんだ……。
それと、世界中のいろんなメーカーが美しい万年筆を出していることを知って、その中のいくつかに心が惹かれたので、手元に置いてその意匠を眺めたいという気持ちがある。

しかしやはり冷静な部分の私が、本当に自分が新しい万年筆を持っていいのかと叱責する。高級なものを使いこなせないなら宝の持ち腐れだし、それに数ばかり増やしてしまっても、ズボラで飽き性の私には持て余すだろう。
そんな冷静な部分を物量で押し流すために、今この文章を書いている。備忘録兼欲望の整理、兼言い訳だ、これは。

現在の所有万年筆

・LAMY アルスター EF


初めて購入したのはこれだ。Safariのつもりで買ったのにアルスターだったと気づいたのはなんと数年後。何を見て何を買おうとしたらそうなったのか、注文時の私を正座で懇々と問い詰めたい。
最近しばらく出番がないのだけれど、本当にEFだったかと思った記憶がある。わりとしっかりと線が出ていたような……。

・PILOT KAKUNO F


次に購入したのはこれ。店舗でコンバーターと合わせて購入した。色付きのタイプにしたので、ちょっと外で使うのは幼い印象な気がする。かわいいんだけどな。

・PILOT KAKUNO M


直近で購入したのはこれだ。TSUTAYAをうろうろしていた時に値引きされていたのを見つけたので、透明軸のMをお迎えした。この少し前にiro-utsushiのMも購入している。インクの色変化を見たくて、線が太めの方がわかりやすいんじゃないかと思ったから、この時期は中字ブームだった。今インクが入っているのはこの子だけで、ゆらめくインクの宵を入れている。

欲しい万年筆の条件

・EF(日本メーカーならFも有り?)

ミニ6に使用したいので、極細か細字がいい。決して字が大きいタイプではないと思うのだけれど、せっかくなら潰れずに書ける方がいい。

・金ペン

価格は度外視。なぜならただの欲望なので。
今まで持っているペンはすべて鉄ペンだから、そろそろ一度は金ペンを試してみたい。

自分の字・書き方の特徴としては、そこまで大きくない字を書くけれど、とにかくペンを握り込んでしまう。親指と人差し指が白くなるまで力を込めてしまいがちなので、痛くて長い文章を書けないことが多々ある。なので、インクフローがよくヌルヌル書けるものの方がいいのかもしれない。この辺りは書き方の矯正もしたいので、店舗で直接詳しい方に見てもらってアドバイスをもらいたい。なので実店舗での購入が目標だ。

欲しい万年筆(金ペン編)

・SAILOR ランコントル万年筆


いきなり中細なんですけども。これはマーブルが美しいなと思ったので。条件を整理していくと、だんだん最終的にはどれにどれだけ惚れているかになっていく気がする。

・SAILOR SHIKIORI 雪月空葉


見た目が綺麗。シンプルだけど透けるような美しさがある。名前にも情緒とこだわりがある。四季織のインクと合わせて楽しみたい一本。

・PILOT キャップレス螺鈿 ブラック


実は大本命。先日購入するか本気で迷って、どうしても資金繰りに余裕が無くて見送った。キャップレスは取り回しがしやすそうでいいな。書き心地が好みならば、おそらくこれを買うと思う。試筆候補ナンバーワン。

・PILOT カスタム742


豊富なペン先が魅力的。最初は自分の書きやすいペン先にして、次に買うのはもっと遊びのあるニブに……ということもできそう(自然と二本目以降が選択肢に入っている時点で恐ろしい)。軸はシンプルだけど、好みかと言われたら少し異なるのがネック。

・プラチナ #3776 ニース ロゼ


これは今回調べていて初めて知った一本。見目が良い。気品を感じる。ロゼカラー×ゴールドニブなんてハズレがなさすぎる。キャップありの万年筆ではかなり上位に食い込んできた。

・ペリカン スーべレーンM600


王道にして王道というか、まあ気になるよねという。せっかく万年筆沼にいるなら手を出してみたい一本ではある。見た目も綺麗だし、書きやすさにも定評がある。スーべレーンを挟み込んだプロッターなんて、眺めるだけで毎日毎時間自分のご機嫌を取れる自信がある。

欲しい万年筆(鉄ペン編)

・PILOT cocoon


ブルーが綺麗!丸みを帯びたデザインのペンがないので、一本あると自分の中に遊びが生まれて楽しい(気がする)。この価格ならばある程度ガシガシ使うことも躊躇わないのも大きなポイント。

・Kaweco スカイラインスポーツ


色味がかわいい。Kawecoはみんなかわいいね。アプリコットも大変かわいいしブラスにも惹かれるものがあるのだけれど、おそらく私の書き方だとブラスではほとんど書けずに手の体力が尽きそうなので、今回はこっちに。Kawecoは一本持ちたいデザイン。ずぶずぶ。

・おまけ SAILOR ハイエース ネオクリアカリグラフィー


インク沼に着水した頃、ハンドレタリングやカリグラフィーにも興味があったのだけれど、特殊なニブを購入するのに躊躇ってしまって手を出せず仕舞いだったので。こんな商品があると知っていたら、間違いなく買っていた。そしてこの入門用として充分なとっつきやすさを見つけてしまった。どうせ何かを買う時に「あっ一緒に買っちゃお〜」とか言いながらポチる未来が見えている。


終わりに

そんなわけで、長々と自分の欲望を整理してみた。こうして書き出してみると、自分がなにを考えているかわかりやすくなっていい。ジャーナリングと一緒だ。
きっとこれも購入の暁にはnoteで報告会をすると思う。いつになるかはわからないけれど、その日が来たら初心者が沼に入ってきたのを眺めて楽しんでほしい。それこそが私の罪悪感をエンタメに昇華する一助だから。

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