初めてヘッドホンを買ってみた
前記事の続きではないです。
AONIC 50(第1世代)を買ったよ
私はスピーカー派で、これまでヘッドホンは持っていなかったのですが、
音楽やネット配信の視聴に1台は欲しいなと、以前から購入を考えていました。
用途として外での使用は考えていないものの、
有線ヘッドホン+DACよりもUSB接続可なワイヤレスのほうがシンプルで良いなと思い、
ネットの評判から候補にしていたのが、HiFiMAN Deva ProとShure AONIC 50でした。
ただ、Deva ProはUSB接続(Bluemini R2R)の入力が48kHz/16bitまでしか対応していないとのことで、
そのうち後継機が出るかな〜?と様子見しているうちに時が経ち…
昨年夏、ShureからAONIC 50 GEN 2がリリースされました。(知らなかったw)
そして先日、価格.comからAONIC 50(第1世代)の値下がり通知メールが届き、
在庫処分のためか実売が3割引ぐらいになっていたため、すぐさま購入。
ネットのレビューを見た感じでは、
GEN 2の改良点は主にデジタル方式になったノイキャン、空間オーディオへの対応、ワイヤレスの強化、バッテリーの向上などで、
チップセットのグレードアップから音質も良くなっているらしいのですが、
そのぶんお値段も1万円ほどアップ。
(第1世代の在庫処分価格の約2倍です)
GEN 2はスピーカーメインの自分的にはちょっと手を出しにくくなってしまったので、
滑り込みでいい買い物ができたと思っています。
というわけで、まだそれほど使っていませんが、
初めてのヘッドホンであり初めてのワイヤレスでもあるAONIC 50(第1世代)を、
主に使いこなしの面からレビューしたいなと思います。
なお、他のヘッドホンはもちろん持っていないので、音の評価はスピーカー(KRIPTON KS-3HQM)の音を基準として、
音源をなるべく忠実に再生することを是とします。
その前に環境のお話
音源はCDをEACでリッピングしたwavで、全てNAS(PC用のストレージ)に置いてあります。
PCはWindows11の古いゲーミングノートPCで、NASにはWiFiで接続、ヤフオクで買った自作USBパワーコンディショナーを使用。
再生アプリはTuneBrowserで、基本的にBitPerfect使用、RAMデコード使用、
オーディオドライバーはWASAPI(排他モード)使用です。
ファーストインプレッション
充電も必要なので、まずはUSB接続で聴いてみました。
しばらくして、気分が悪くなりました…。
おそらく部屋の電気製品のノイズも乗っていたと思うのですが、
(うちのノイズ対策は、部屋にある電気製品を電源タップで一括オフすることです。それほど影響ないだろうと高を括っていたのですが、やっぱりダメみたいです)
それ以前に、バイフォニック再生による歪みと頭内定位が、めちゃくちゃキツい。
3Dゲームの画面酔いみたいな感じになるんですよね…。(しかも即効性あり)
これは慣れるしかないかな?と、
少し音量を上げてしばらく聴いているうちにマシにはなったものの、
音量を上げすぎていたみたいで、ヘッドホンを外すと耳が少し遠くなる感じに…失敗。
ファーストインプレッションとしてはあまり良くない感じでしたが、気を取り直していきます。
ヘッドホン初心者にありがちなミス?
なんか音がスカスカだな〜?と思っていたのですが、その原因がわかりました。
自分は頭が大きいほうだからと、何も考えずにヘッドバンドを最大まで伸ばして着けてしまっていたのがダメでした。
耳の位置との関係もあると思うんですが、
ヘッドバンドが頭頂にピッタリ着くぐらいで調整したところ、しっかりと聴こえるように。
密着具合で音が変わるのは、イヤホンと同じですね。
その後もいろいろ試したんですが、
ヘッドバンドの調整以外でも、私の場合は普通に着けた状態から若干前にズラしたほうが良いようです。
こういった調整は常識なのかもしれませんが、ポータブルオーディオ初心者の方は気を付けましょう!
Alternative A2DP Driverを導入
WindowsでBluetoothコーデックのLDACを使いたくて調べたところ、
Alternative A2DP Driverという有料のドライバーソフトがあったのでインストールしました。
導入はとても簡単で、設定画面もシンプルで分かりやすい。
(インストール方法は割愛します)
試用期間中の割引があり$5.99で購入。
ワイヤレスで聴いてみた(1)
とりあえず、音源と同じ44.1kHz/16bitで接続してみたんですが、音が痩せていて良くない…。
そこで、TuneBrowserのSoX Resamplerを使ってアップサンプリングすることに。
その結果、狙い通りに音の量感は増え、
88.2kHz/24bitが1番良い結果になりました。 (妥当)
96kHz/24bitだと音がぼやけてソフトになりすぎますね。
しかしながら、USB接続に比べるとかなり音質が落ちていて、
これがLDACの仕様によるものなのか、ドライバーやBluetoothのトランスミッターに起因しているのか、それともヘッドホン側の問題なのか、
他のワイヤレス製品を使ったことがない自分にはよく分かりません。
ちなみに、aptX HDも試したんですが、LDACよりも明らかに良くなかったです。
(aptX Adaptiveは非対応のため試せませんでした。GEN 2であれば対応していて、さらに44.1kHz/16bitのロスレス伝送が可能なSnapdragon Soundにも対応しているらしいです)
USB接続で聴いてみた(1)
次は、USB接続でのアップサンプリングを試してみました。
USB接続での入力は384kHz/32bitまで対応していますが、
結果としては、アップサンプリングで音は良くなりませんでした。
高域成分は増えて聴き心地は良くなるんですが、
元の音源が持つ質感が消えてしまって、音のフォーカスもぼやけてしまいます。
あと重心が上がることで、バランスも悪くなりますね。
私は普段ハイレゾ音源を聴かないので、
そもそもCDの音質が悪いとは思っていませんが、
(マスタリングで音圧を上げすぎることは問題だと思っています)
CDの高域が窮屈に感じる気持ちは分かります。
とはいえ、高域成分を足すことで元の音源の良さが失われてしまっては、元も子もないと思うんですよね。
(そういったチューニングは音源の送り出し側ではなく、DACやスピーカーが担うべきだと思っています)
ただ、AACなどの非可逆圧縮音源をメインに聴かれている方は、
歪みを緩和させる(そのまま再生させない)ための処置として、
アップサンプリングが有効な場合もあるのかもしれません。
消磁CDをかけてみた(1)
試しに消磁CD(MDMS)をかけてみたところ、
解像感は上がったものの、音の艶や厚みといった、聴いていて気持ちの良い部分まで無くなってしまいました。
スピーカーであれば、消磁した状態からセッティングなどで音の調整ができますが、
ヘッドホンはそういった細かな調整がなかなか難しいので、
とりあえずは消磁しないで使っていきます。
(あと何度か試すつもりですが)
USBケーブルを替えてみた(1)
ヘッドホンに付属のUSBケーブルは充電用で細く、長さも1mと短めということで、
Amazonで良さそうなケーブルはないかなと物色していたんですが、
Type-A to Type-Cで取り回しが利きそうな長めのケーブルって、選択肢が少ないですね。
とりあえず、UGREENの2mのケーブルがセール中だったので、それを購入。
(また今度Ankerのケーブルも買ってみようかなと思ってます)
実際に付けてみると、ヘッドホンのケーブルとしては少しゴツい気もしますが、柔軟性は問題なさそう。
ただ、タッチノイズが結構ありますね…そこは割り切ることにします。
音質のほうは、音が太くなって低音も出るようになり、狙い通り良くなりました!
(よってワイヤレスとの音質差はさらに大きくなりました)
立体音響って設定は何だろう?
Windows11のサウンドのプロパティに「立体音響」という項目があったので、とりあえず試してみることに。
デフォルトはオフになっていて、無料の「Windows Sonic for Headphones」が使用できるみたいです。
これは…素晴らしい!!!!!
バイフォニック再生の歪みや頭内定位がほとんど無くなって、聴いていても気持ち悪くなりません。神です。
サウンドの立体音響の説明には、「リアルな環境をシミュレートする没入型のオーディオエクスペリエンス」などと書いてありますが、
実際の機能は「音源をバイノーラル化する」ということですね。
立体音響と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは映画のサラウンドですが、
5.1chなどのマルチトラック音源を2chのバイノーラルに変換(ダウンミックス)する意味は、誰でも理解しやすいかと思います。
しかし、2chのステレオフォニックを2chのバイノーラル(擬似ステレオフォニック)に変換すると言われても、
それって意味があるの?と思われる方も多いでしょう。
実際、ネットのレビューなどを見てみても、
音に広がりが出て聴きやすくなるかな?ぐらいの使用感の人がほとんどのようです。
数年前から話題のDolby Atmosや360 Reality Audioといった空間オーディオも、
音が後ろや上からも聴こえるといった、「音の位置の自由さ」が生み出す新しい表現(体験)をウリにしている感じですよね。
でも個人的には、
この技術の本質は「音の忠実な再生」にあると思っています。
ここから先は考察も含むので、続きは最後で。
Dolby Atmos for Headphonesを試してみた
Microsoft Storeから「Dolby Access」というアプリをインストールすることで、
サウンドの立体音響で「Dolby Atmos for Headphones」が使用できるようになります。
試用期間は(確か)7日間で、1,650円で購入できます。
対応フォーマットは、41.1/48/96kHz、16/24bitのようです。
(82.2kHzに対応していない…)
一聴して、「Windows Sonic for Headphones」よりも明らかに音質が良いです!
艶のある音色で響きが多めながらも、音像は小さめで見通し良く聴かせてくれる感じですね。
ただ、その「味付け」が良くも悪くもといったところで、
音源の良さをストレートに聴かせてくれないという点で、
好みが別れるところだなと思います。
一方で、音の歪みを抑える効果はありそうなので、
非可逆圧縮の音源やワイヤレス(Bluetoothコーデック)使用時にはうまく噛み合うかもしれません。
(それを想定した調整がされている可能性もあります)
また聴き心地が良いので、音楽をBGMとして聴く際に使用するのも良いと思います。
アプリ「Dolby Access」上の設定から「インテリジェントイコライザー」というものを選択できますが、
音質的にはオフが良いですね。
DTS Headphone: Xを試してみた
Microsoft Storeから「DTS Sound Unbound」というアプリをインストールすることで、
サウンドの立体音響で「DTS Headphone: X」(日本語表示名はDTS ヘッドホン:X)が使用できるようになります。
試用期間は14日間で、2,350円で購入できます。
対応フォーマットは、41.1/48kHz、16/24bitのようです。
(96kHzにも対応していない…)
使ってみて、感動しました!!!素晴らしい!!!!!
音の味付けが全くと言っていいほどなく、Dolby Atmos for Headphonesよりも音が近くに描写されて聴こえます。
響きも抑えられていて(後述しますが設定で一応変えられます)、
普段スピーカーで聴いている音にかなり近いです。
もちろんステレオフォニックな音場ではないんですが、音の違和感はほとんどないですね。
Windows PC+イヤホンヘッドホンで音楽を聴く人が少ないのかもしれませんが、
ネット上でほとんど話題になっていないのが不思議なぐらい、
個人的には神アプリだと思います。(即購入しました)
実は、「DTS Sound Unbound」上でイヤホンヘッドホンの製品ごとに最適化されたプロファイルを選択できる機能があるのですが、
残念ながらAONIC 50用のプロファイルが無いため、
汎用プロファイルの「Generic Over-ear Headphones」を使用しています。
おそらくですが、これは製品ごとの周波数特性やハウジングの特性などから補正を掛けられる機能だと思うので、
(頭部伝達関数とかはよく分かりません)
専用のプロファイルがあれば、もっと良くなる可能性はありますね。
試しに他のShureのヘッドホンのプロファイルを一通り使用してみたのですが、どれも合わない感じでした。
イヤホン用の汎用プロファイル「Generic Ear-buds」も使ってみましたが、
ヘッドホン用よりも頭内定位寄りになるみたいで、やはり合わなかったです。
その他の設定として、Spatial Modeという選択があって、
デフォルトの「Balanced」から「Spacious」に変えると、響きの量が多くなります。
聴き心地は良くなると思うのですが、
響きが足されている感じが強く、音の印象も少し変わってしまうので、
お好みでといったところですね。(私は使いません)
ワイヤレスで聴いてみた(2)
立体音響を手に入れたので、改めてワイヤレスを聴き直します。
44.1/48kHzは、やはりダメですね。
そもそもの音質が悪いので、立体音響を使用しても意味がない感じです。
先の立体音響なし(バイフォニック再生)では、88.2kHzのアップサンプリングがベストだったのですが、
アップサンプリングで立体音響が使用できるのが、96kHzのDolby Atmos for Headphonesしかないということで、
必然的に、これが最も良い結果となりました。
(よってDolby Accessも購入しました)
USB接続で聴いてみた(2)
こちらも、立体音響ありで聴き直しましたが、
44.1kHz/16bitのDTS Headphone: Xの使用が、音源を最も忠実に再生していました。
これはちょっと別格な感じですね。
あと、USB接続時はPCのBluetoothは切っておいたほうが、音が良いことが分かりました。
(ワイヤレスの音質が良くない原因の1つがこれかもしれませんね…)
さらに、設定面での問題が1つ見つかりました。
Windows11のサウンドの設定で、
たとえば出力形式を384kHzに設定すると、立体音響は対応外のため自動でオフが選択されるのですが、
その状態からでも、立体音響の選択自体は可能なんですね(UIが無効化されない)。
そして立体音響を選択すると、たとえばDTS Headphone: Xは48kHzまでしか対応していないので、
内部的には出力形式が強制的に48kHzに変更されているのですが、
画面の表示上は384kHzのままなんです。
(サウンドの詳細設定から旧設定画面を開くと48kHzになっていたりします…表示のバグっぽいですね)
で、この状態で44.1kHzの音源を再生すると、
WASAPIなのでそのまま送っているはずなのですが、音が悪くなるんですよね…。
考えられるのは、立体音響アプリに送るときに48kHzに変換されているか、あるいはアプリの出力を48kHzに変換してしまうとかですが、
いずれにせよこの挙動から言えることは、
サウンドの出力形式は音源と同じになるように明示的に指定したほうが良いということです。
私は基本的に44.1kHz/16bitのCD音源しか聴かないので、それ固定でも困らないのですが、
ハイレゾ音源も混在で聴いている人は…どうしたらいいんでしょうね。
これと同じ問題で、たとえば配信だと48kHzとかが普通だったりするので、
44.1kHzより上に設定したほうが絶対に良いです。
(実際には配信の音声はAACなどの非可逆圧縮音源なので、私の経験上、スピーカーで聴くときは最高音質に設定して、わざとアップサンプリングさせることで歪みを抑えるようにしています)
CDもハイレゾも聴く人は、Windowsはやめたほうがいいかもしれません。←
消磁CDを掛けてみた(2)
宇多田ヒカルさんのアルバム「BADモード」を聴いていて、
なんかRandy Merrillさんの音にしては音がボヤけてるな〜?と思い、
ここぞと消磁CD(MDMS)を掛けてみたところ、音が復活しました!
(MDMS再生時は立体音響を必ず切りましょう)
やっぱり、ヘッドホンも帯磁で音が悪くなるみたいですね。
前に掛けたときは音が痩せた感じが気になったのですが、
今回はそれほどデメリットも感じなかったので、
(立体音響が本来の音にしてくれている証左だと思います)
これからは定期的に消磁することにします。
あと、消磁とは関係ないですが、
AONIC 50も音の出し始めは不安定みたいなので、
最初の20〜30分ぐらいはウォームアップの時間だと思って聴いたほうが良いです。
USBケーブルを替えてみた(2)
別の買い物のついでにAnkerのケーブルも買ってみました。
UGREENのケーブルと替えてみて、明らかに音が悪く、情報量が少ないです。
充電ケーブルとしては優秀なんでしょうけど、オーディオ向きではないですね。
というか、UGREENのケーブルが優秀すぎる気がします。
オーディオグレードとは書いてないですし亜鉛メッキ銅線みたいですが、
多重シールド構造でコネクタが金メッキなところが音質的に良いのでしょうか?
兎にも角にも、ヘッドホン用のUSBケーブルとして、UGREENのケーブルはかなりオススメです!
オーディオグレードのケーブルであればもっと良くなる可能性もありますが、
おそらく線が硬かったり太かったりで使いづらいんじゃないかと思います。
USB Type-Cの罠?
USB Type-Cのコネクタはリバーシブルなわけですが、
試しにひっくり返して刺してみたところ、音が変わることが分かりました…。
それもかなり音質に差があります。
ググッてみると、Type-Cのコネクタにも実際には表裏があるらしく、
機器によっては転送速度に影響があるかもしれない、みたいな記事もあったりするのですが、
どういう仕組みなのかよく分かりません。
でも表裏で音が変わるのは事実なので、
そういうものとして扱うしかないですね。
(もしかしたらAnkerのケーブルの音が良くなかったのはこのせいかもしれません)
UGREENのケーブルにはコネクタの片面にロゴがプリントされていて、おそらくそれが表側だと思うのですが、
私の場合だと、表側がヘッドホンの外側になるように(ロゴが外から見えるように)刺したほうが良いみたいです。
オーディオ機器でUSB Type-Cを使っている場合は、表裏に気を付けたほうがいいかもしれませんね。
まとめ
現状での最善をまとめます。
基準は音源をなるべく忠実に再生することです。
AONIC 50以外でも参考になることがあると思います。
USB接続のベストプラクティス
マスタリングエンジニアの音の特徴が結構分かるレベルで、とても良いです。
PCのノイズ対策(電源まわり、USBパワーコンディショナーなど)を出来るだけやる
PCに接続している機器があればなるべく電源を切る
USBケーブルを買い替える(UGREENのケーブルがオススメ)
USBケーブルを繋ぐときにType-Cの表裏を間違えないようにする
音源はWASAPIで44.1kHz/16bitのままで再生する(TuneBrowserがオススメ)
サウンドの設定画面で、出力形式に44.1kHz/16bitを指定する
立体音響アプリの「DTS Sound Unbound」を購入し、サウンドの設定画面で立体音響に「DTS Headphone: X」を指定する
DTS Sound Unboundの設定で、ヘッドホンの汎用プロファイルを指定する(デフォルトのまま)
DTS Sound Unboundの設定で、Spatial Modeを「Balanced」に指定する(デフォルトのまま)
WindowsのBluetoothをオフにする
音の出し始めは20〜30分ぐらいをウォームアップの時間にする
定期的に消磁CD(MDMS)を掛ける(再生時は必ず立体音響をオフにすること)
以下、設定画面のスクショです。
ワイヤレスのベストプラクティス
USB接続よりも音質はかなり落ちます。
Bluetoothの問題だと思いますが、PCから離れると場所によっては音飛びが発生することがあります。
(GEN 2ではワイヤレスの性能も強化されているそうです)
音源は96kHz/24bitにアップサンプリングして再生する
BluetoothコーデックのLDACを使用するため、Alternative A2DP Driverを購入しインストールする
Alternative A2DP Driverで96kHz/24bitを選択する
サウンドの設定画面で、出力形式に96kHz/24bitを指定する
立体音響アプリの「Dolby Access」を購入し、サウンドの設定画面で立体音響に「Dolby Atmos for Headphones」を指定する
Dolby Accessの設定で、インテリジェントイコライザーをオフにする(デフォルトのまま)
以下、設定画面のスクショです。
考察
では、立体音響の話の続きです。
「音の忠実な再生」がどうとかいう話です。
立体音響というと、映画のサラウンドが有名ですが、
一般的な音楽制作に採用されているステレオフォニック(ステレオ)も立体音響です。
最近流行りの?ASMRなどのバイノーラルも立体音響ですし、
もちろん昔からあるホームシアターの5.1chサラウンドも立体音響です。
そして立体音響は、その方式に応じた再生環境でないと本来の音が再現できません。
ステレオフォニックであれば2本のスピーカーを適切に配置して聴く必要がありますし、
バイノーラルならイヤホンやヘッドホン(厳密にはヘッドホンは違うのかも?)の使用が求められます。
5.1chなら5+1本のスピーカーを適切に配置しなければいけません。
つまり、立体音響の方式に互換性はないのです。
しかしながら、現在ではポータブルオーディオの普及や住宅事情などから、
本来はバイノーラル再生専用であるイヤホンやヘッドホンでステレオフォニック音源を再生することが一般的になっています。
(これをバイフォニック再生と呼びます)
現代のほとんどの人はバイフォニック再生の音に慣れてしまっていますが、
実際には、立体音響の方式の違いによる音の歪みが生じているのです。
たとえば頭内定位や音場が狭いといった聴こえ方もその1つで、
そういった現象は原理上の問題なんですね。
とはいえ、音楽は心地良く聴くべきなので、
イヤホンやヘッドホンのメーカーは、そのようなバイフォニックの歪みを改善するような独自の技術の開発や、チューニングを施しています(私はそういう認識です)。
そのように考えると、立体音響アプリの意義の大きさが理解出来るのではないでしょうか?
つまり、立体音響の方式を再生環境に適した方式に変換することで、
バイフォニックのような非互換再生が抱える根本的な問題を解消(または改善)できるのです。
これはイヤホンやヘッドホンなどのハードウェア側ではなく、
ソフトウェア側での解決のアプローチと言えるでしょう。
最近話題のDolby Atmosや360 Reality Audioといった空間オーディオも、
音を空間上に配置して作られたマルチトラックな音源を、再生環境に応じた立体音響の方式に変換するといった仕組みなので、(違っていたらごめんなさい)
もちろんバイフォニックのような歪みは発生しません。
「本来の音を忠実に再生する」という視点で見れば、どっちも同じなんですよね。
今回、AONIC 50(第1世代)にはDTS Headphone: Xの汎用プロファイルがうまく機能したわけですが、
それはこのヘッドホン(またはShureというブランド)がスタジオモニターを意識した音作りをしていて、
どちらかというと素直に音を再生していることも関係しているのかもしれません。
つまり、イヤホンやヘッドホン側でバイフォニックの歪みを軽減させるような工夫がなされている場合は、
立体音響アプリがうまく噛み合わないこともありえます。
(そのために専用プロファイルが存在しているとも言えます)
そういった部分の開発コストを考えれば、
ハイエンドな製品ほど(そのままでは)合わないかもしれませんね。
AONIC 50 GEN 2では、独自の空間オーディオ技術が採用されているそうなので、
おそらくDTS Headphone: Xの汎用プロファイルよりも良い音になっていると思います。
(実際に聴いてみないことには比較できませんが、Shureならきっと良いものでしょう)
今後、空間オーディオ対応のイヤホンやヘッドホンが増えていくのではないかと思いますが、
(特にデジタル伝送/再生が可能なワイヤレス製品とは相性が良いので)
立体音響の変換技術を取り入れることで、一部コストダウンが図れたり、
より良い音の追求という点で、新しいアプローチも生まれたりするんじゃないかなと思います。
そんなわけで、
初めてのヘッドホンのファーストインプレッションは最悪でしたが、
最終的には満足のいく結果になりました。
この記事が使いこなしの面で何か参考になれば幸いです。
最後に改めて言っておきますが、
立体音響アプリは神です!!!!!
ps.
Apple Musicの3ヶ月無料体験を始めたので、気が向いたらApple Musicのロスレスについてレビューをするかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?