熊本旅行記
三月の寒い夜、熊本行きの夜行バスを待つ。
はじめての九州、夜行バスで12時間。
母との一泊2日の旅がはじまる。
今回の熊本行きは、敬愛する橋本愛と高良健吾という、熊本のスターが集結する舞台のチケットをとったことがきっかけで決まった旅だった。
なにしろ行ったことのない土地で距離感もあんまり分からず、行けるでしょ!という軽い気持ちでチケットをとってしまったのだけれど、調べてみれば京都と熊本は想像以上に離れていてちょっと焦った。
そんな思いつきで決めてしまった旅、ちょうど熊本には私の曽祖父のお墓があることを思い出し、結果的にそのルーツを辿るのこともできたのだ。
昔、たぶん小学生くらいの頃、おじいちゃんから、我々の祖先は夏目漱石と友だちやったんや、という話を聞かされていた。
半分冗談だと思って聞いていたけれど、どうやらあながち間違いではないらしく(第五高等学校で同じ教務係だったらしい…)、はじめて私のルーツが熊本にもあるということを知った。
私はその時嬉しくなったのを覚えている。。
京都以外の場所に、熊本という行ったこともない遠く離れた土地に祖先の存在があることが嬉しく思えたのだ。
それからずっと、なんとなく熊本への憧れが心の片隅にあったのかもしれない。
思ってもないタイミングで、でも必然のような気もして熊本を目指すことになった。
肩と首を痛めながら朝、桜町バスターミナルに着く。
ビデオカメラとフイルムカメラを持ってきたので、これで今回の旅を形として残したいと思う。
はじめは、一人で行くつもりだった。
母は心配も半分、興味半分でついてきてくれた。
母は可愛い。
基本的に人任せだし、マップは読めないし、夜ご飯が決められなかったり、舞台を観る時なんて必ず眠ってしまうし、どこかれ構わず隙あらばウトウト居眠りをはじめてしまうけれど、
道端に綺麗な花が咲いていれば立ち止まって写真を撮ったり、カメラを向ければはにかみながらポーズをとってくれたり、私と手の形が似ていたりする。
家族って正直よくわからないけれど、得体も知れぬ愛おしさがときどき湧いてくるから、きっとそういうもんなんだろうと思う。
私にとってたった一人のお母さん。
母なりにいろいろ考えてついてきてくれるのがわかるから、文句10のうち1いいことがあると全部もういいいや、って思えたりする。
旅のことを書こうと思っていたのに、長々とどうでもいいことばかり、
まだ朝、熊本に着いたことしか書けてないや。
次はちゃんと旅行記します。
つづく。。
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