日本語教師からみた「国勢調査」
みなさん、9月半ばからはじまった国勢調査、回答はお済ですか?5年に一度日本全国で行われる大規模なアンケート調査ですが、今回は芦田愛菜ちゃんが広告塔になって宣伝されていますね。
わたしはメインは日本語教師として働きたい!と思っているんですが、このコロナ禍で経済的に苦しく、いまはこの国勢調査のお手伝いをさせていただいて、なんとか生活しています。で、そこでわたしが思った疑問をみなさんとシェアしたいと思い、このテーマをピックアップしてみました。みなさんの意見を聞かせていただきたいです。
疑問①性別の項目が「男」と「女」しかない
わたしは以前、カナダで生活していたことがあるんですが、カナダってかなり性が多様なんですよね。日本でも最近よく「LGBT」って言葉を聞くかと思うのですが、カナダでは今や「LGBTQ2」が使われているんですよね。QはLGBTのどれにもあてはまらない人、2は2つの性を持っている人、という意味らしいです。まあ、日本なんてLGBTは子どもを産まないから価値がないとか公の人が言っちゃってるぐらいなんで、まったく期待できませんが、国をあげて行う調査なんだから、もうすこし考えればいいのにって思います。せめて「男」と「女」以外に「その他」を選べるようにするとか?…
疑問②高齢化社会なのに
みなさん、実際に紙の調査票をご覧になったことはあるでしょうか。白地の紙にピンクのインクで質問が書かれているんですよね。高齢の方、見えないんですよ。そもそもマークシートの使い方すら知らないと言う方も結構いらっしゃいます。
かといってインターネットで回答するのも難しいですよね。今年はコロナ禍で直接接触を避けての調査なので、各自で回答しないといけないのですが、ヘルパーさんや親族に頼れない人は回答がかなり難しいと思います。もう少し見えやすいデザインにするとか、日時を指定して市や区の役所に来ていただいて、職員が個別に一人ずつ回答を聞く、とかは難しいんですかねえ…。
疑問③外国人も解答が難しい
国勢調査は日本に住む人全員(3か月以上滞在する人)が対象なので、外国籍の方も調査の対象になります。日本語、難しいですよね。そもそも「国勢調査」って漢字がむずかしい。せめてふりがなをふって、英語も併記するとか、「わからない人はここに電話してね」を10か国語ぐらいで書いておいて電話も準備するとか?
それからもうそろそろ「令和」「平成」「昭和」…で生年月日を答えさせるのをやめませんか?世界共通の西暦を使えばいいじゃん!
回答率あげたいなら外国籍の人達のことも考えてあげないと…。それから、答えないといけないという周知自体が全然できていなくて、「これ何ですか?捨てていいですか?」っていう質問を実際に受けたこともあります。すべてを「やさしい日本語」にするのは難しいとは思いますが、わざわざ堅苦しい日本語使わなくてもいいんじゃ…?と思うことも多々あります…。
実際にその場で働いていると、「もっとこうすればいいのに…」と思うことがめちゃくちゃあります。以前、議員の河野さんが目安箱を設置するみたいなニュースがありましたが、毎日何か入れられるぐらい意見あります!!!手あげたいです。
ちょっとこじつけで「日本語教師が…」って文言を今回入れちゃいましたが、海外の方と関わっていると日本がいかに国際基準から遅れているか、痛感する場面が多々あります。国勢調査に限ったことじゃないです。日本にいる日本人だけでなく、外国人も高齢者も、みんながHAPPYになれるような制度。考えるのは難しいと思いますが、少しずつでも日本がみんなにとってもっと住みやすい国になりますように!
サポートがほしいなんておこがましいことは書けませんが、もしサポートをいただいたあかつきには、自己投資し、それ以上のものを誰かに返せるように努力します。