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4. 鉄 = 大量破壊無敵殺戮兵器。

①北方から民族がやってきた。

 今回は小アジア。現在のトルコらへん。「大アジアはあるんかい」という方、あるってばよ。現在、我々がアジアと呼んでいる地域が大アジア。

北方からインド=ヨーロッパ語族が南下してきた。寒かったのか。なんかしてきた民族をヒッタイトという。彼らは、元々小アジアにいた先住民たちから話をしていると、青銅よりも硬い石があることを聞いた。なんでも、というらしい。しかも鉄は硬くて加工するには技術がいるらしく、ヒッタイトには思いつかなかった。だからヒッタイトは現地の職人を監禁して、技術を自分達だけの者として独占した。どうやら、オリエントの奴らは鉄の重要さに気づいていないらしい・・・。

古バビロニア王国が滅び、ミタンニとカッシートになった。

②鉄の威力が凄まじい。ドルオーラ並。

 鉄を手に入れたヒッタイトは戦車(馬に乗るのが怖いので台車に引かせたもの)に乗り、鉄器で古バビロニア王国を攻撃してみた。あっという間に征服することに成功した。

 一方、バビロニアでは大量の難民が発生、仕方なく、南へ逃げることにした。逃げる際に、敵に襲われるかもしれないので武装した。戦車を作って。南へ行ったらエジプトがあったのだ。エジプト人は彼ら武装した難民をみて、こう呼んだ。

ヒクソス。

このとき、エジプトは中王国。ヒクソスにあっという間に征服されてしまった。しかし、エジプトは黙っていることはなく、鉄はないが、ヒクソスたちの戦法を真似した。つまり戦車をパクったのだった。

なんとかヒクソスを追放することになったエジプト。新王国の始まりだ。

エジプトはシリア遠征に成功した。しかし、戦いのたびに神官たちに戦いの勝利を祈って土地を寄進していたので、力が付いていた。アメンホテプ4世がこれを嫌がり、改革を行なったが、失敗した。

テーベに都が戻ると、エジプトは再びシリア遠征にでる。そこで当然ヒッタイトとぶつかって大規模な戦争となった。

カデシュの戦いという。

エジプトが勝利を納めた。ヒッタイトの国力では、鉄があっても勝つことは難しかっただろう。

ヒッタイトの王は娘をエジプトのファラオに差し出して安全を確保し、平和条約を結んだ。世界最古の講和条約である。

ラムセス2世は勝利を祝って、アブ・シンベル大神殿を建造した。全てラムセス2世の顔。全部。若い頃から年老いた時までありとあらゆる時代のラムセス2世の顔が。

気持ち悪い。

講和条約によってエジプトの文化もヒッタイトに入ってきた。スフィンクスをみたヒッタイトは真似して作ってみた。

いやいや。文明レベルの差よ。よくエジプトと戦えたものだ。これも鉄のおかげか。

③鉄を制すれば世界が手に入る。

 この程度の文明レベルのヒッタイトがエジプトと互角に戦えたのは、鉄のおかげだ。ヨーロッパの戦争の勝敗を分けるのはなんといっても資源を獲得しているかどうか、つまり製鉄技術が以下に優れているかで決まっていた。だからヒッタイトが滅ぶと製鉄技術が世界中に流出していく。

世の中に広まってはいけない技術などあるのだろうか。

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