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スライドで授業する世界史

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96.アメリカ独立戦争その2

​ ①ボストン茶会事件(1774)次々に課税されるアメリカ。アメリカも黙っちゃいない。英インド会社に茶の貿易独占権を与える茶法に反対するため一部の植民地人が行動を起こした。 1773年12月16日。真夜中。インディアンの格好に扮した数人が船に保管されていたお茶を海にばら撒いた。この光景を見ていた民衆の一人が呟いた。 ”彼らはボストン茶会を開いた。” 茶会はティーパーティを訳したもので、2009年から始まった米国右派の運動をティーパーティと言ったりする。主にアメリカにお

74.朕は国家なり。

①ルイ14世の内政。 ルイ14世は思っていた。自分の権力はまだうわべだけのもので貴族の皆もどこかよそよそしい。いつか寝首をかかれるかもしれない。だから自分の権威を強めることにした。 この時代は地上の支配者は神の代理人である教皇である。教皇が各貴族よりも権威は上だった。だから昔は十字軍も派遣できた。神の要請だから。 しかし、ルイ14世の権威を強めるため、神学者ボシュエは王権神授説を唱えた。神から地上の支配を代わりに任せられたのは王である。ということである。これを浸透させれ

59.レコンキスタ(国土回復運動)

①イベリア半島での勢力図 イベリア半島は現在のスペインとポルトガル。ここはフェニキア人がいた。ポエニ戦争でカルタゴが負けるとローマの属州となった。ローマが次第に衰えるとゲルマン人の侵入があり、西ローマ帝国が滅んで西ゴート王国に。 そこへ、南からイスラーム教徒が侵入。西ゴート王国が滅んでイスラームの手に落ちる。ここからキリスト教勢力がイスラム勢力を追い出そうとする運動をレコンキスタという。 ②イスラムの侵攻を食い止めたのは。 イスラームがヨーロッパまで侵入できなかったの

58.百年戦争の続き。

①フランスに救世主現る。 続き。惨めなシャルル7世のもとに噂が流れてきた。神の声が聞こえる少女がいると。少女はフランスを救ってくれると。 名前をジャンヌ=ダルク。ジャンヌはシャルル7世のもとへ足繁く通う。それを拒否するシャルル。ジャンヌは訪問をやめない。シャルルは一計を案じた。 シャルル「そこのお前。服を変えよう。玉座に座れ。私は橋に隠れていよう。」 中に入るジャンヌ 家臣「玉座に座っておられるお方が国王陛下じゃ。挨拶を。」 ジャンヌ「あのお方ではありません。・・

57.百年戦争って百年も戦ってたの?

①100年戦争って100年も戦ってたの?そんなことはありません。笑 休みながらの100年間です。 ②百年戦争の原因〜経済面〜 当時のイギリスとフランスの領土はこんな感じ。北東のフランドル地方という土地は毛織物の大産地。原料はイギリスから持ってくる。結婚の結果、フランドル地方はブルゴーニュ(西川の領土)のものとなりブルゴーニュはイギリスと同盟を結んだ。 毛織物産業をフランスから守れ。 もう一つ。アキテーヌはなまってギュイエンヌ地方と呼ばれていた。都市ボルドーはワインの大

56.中世のイギリスとフランスNo.3

①ジョン王の息子はヘンリ3世。 続き。ジョン王の息子ヘンリ3世は父親に時代に貴族たちに押し付けられたマグナ=カルタをよく思っていなかった。できれば無視したかった。ということでヘンリ3世は無能ではないので貴族の制限を無視した。 怒る貴族。そして反乱が怒る。中心的貴族はシモン=ド=モンフォール。 シモンは瞬く間にヘンリ3世を捕らえることに成功する。個人的にはヘンリ3世も無能だろと思う。父親が父親なら子供も子供。 シモンは貴族だけではなく、市民も集めて話し合いを行った。これ

32.ヨーロッパの源流。

①ヴェルダン条約-843- カール大帝の一人息子の死後、フランク人の慣習で息子たちに土地が分割された。 長男ロタールには中央を。 次男ルートヴィヒ2世には東一帯を。 三男シャルル2世には西一帯を。 ②メルセン条約-870-しかし、問題があった。ロタールの王国ではアルプスが存在しており、とても険しく移動が大変だったため、ロタールが死ぬと左右のフランク王国が領地を攻めて獲得した。 ③外国の圧迫 北からヴァイキングが村々を荒らし、東からアジア系のアヴァール人が圧迫、西から

26.キリスト教の成立-後編-

①裏切られるイエス後編。 イエスは12使徒と逃げていたが、イェルサレムにある一件の家に入って、弟子たちと食べ物を食べた。最後の晩餐。赤ワインとパンが置いてあった。イエスは言う。 イエス「パンを弟子たちに分け与え、これはわたしの肉だ。ワインを注ぎ、これは私の血だ。明日私は処刑されるだろう。」 実は使徒の中に裏切り者がいた。ユダだ。肩肘ついている人。 金に目がくらみ、買収されてユダヤ教徒とつながっていた。そしてイエスを売ったのだ。 イエスは捕まった。 磔の刑は、当時のロ

25.キリスト教の成立-前編-

①ユダヤ教から生まれたキリスト教 キリスト教が成立したのは、その下地にユダヤ教という一神教が存在したから。イエス=キリストはユダヤ教徒だった。 ユダヤ教徒の歴史は迫害の歴史。 初めは古代エジプト新王国。「出エジプト」で故郷に帰っても待っていたのは新バビロニアによる「バビロン捕囚」。その後、アレクサンドロス大王によって支配され、オリンポス12神の信仰を強制した。しかし、ユダヤ人は負けない。 このタフネスさはどこから来るのか。 それは唯一の神を信じていることで死後、天国へ

24.軍人皇帝時代の爪あと。

①でかすぎる領土を分けよう。 カラカラ帝の次に登場するのはディオクレティアヌス。彼は広すぎる領土を4つに分割して支配しようとした。これをテトラルキアという。そして皇帝は選挙ではなく、神の代理人として皇帝崇拝を強制した。 今まで市民と気軽に話していた皇帝の姿はなく、宮殿の奥深くに閉じこもってその姿は神秘のベールに包まれた。また神格化するために神殿を作り、ディオクレティアヌスの顔を彫って、信仰するよう促した。 皇帝が神という考え方はおかしくはない。カエサルも神となっているし

23.五賢帝〜軍人皇帝時代

①五賢帝の時代 皇帝ネロから何度かの皇帝交代があり、元老院のネルヴァがアウグストゥスに選出された。ネルヴァは世継ぎを息子ではなく、有能な部下を指名した。この慣習が繰り返されたので愚帝が出てこなかったのだ。 ちなみにトラヤヌス皇帝の時に観光地として栄えていたポンペイで大事件が起きた。 火山が噴火してポンペイの街が消滅したのだ。 苦しんでいる人々の形が克明に記録されている。 映画にもなっている。 火砕流でも死ぬ人も、火山ガスで死ぬ人も、苦しかったろうに。 トラヤヌ

22.ローマ皇帝

①アントニウスを倒したオクタウィアヌス アクティウムの海戦で勝利したオクタウィアヌス。元老院はオクタウィアヌスを完全に手玉に取った。 元老院「坊や。ローマ軍の最高司令官を与えよう。そして尊厳ある者(アウグストゥス)の称号もそなたに与えよう。」 オクタウィアヌス「そ、そんな権力を集中されたら殺されるかもしれない。元老院に敵対するものではありません。私は第一市民(プリンケプス)で結構です。」 元老院「ん?そんな称号でいいのか?それだと議会に出ることになるが?」 オクタウ

21.坊やだからさ。

①カエサルの後継者は坊や カエサルが殺されたことを一番憤慨したのは親友であり一番の部下だったアンニウスだ。 アントニウス「絶対に許さんぞ!ブルートゥス一派を八つ裂きに!」 ブルートゥス一派を成敗したアントニウス。カエサルの葬式にも参列し、後継者は自分だと思っていた。 アントニウス「カエサルの意志は私が引き継ごう・・・。」 「発表する!カエサル様の後継者は・・・。」 「オクタウィアヌス様です!」 民衆「・・・だれ?」 オクタウィアヌスはカエサルの姉の孫だった人物

20.第一回三頭政治

①カエサルたちの台頭 混乱を収拾すべく軍人たちが力をつけていく。それがカエサル、ポンペイウス、クラッススの3人だ。 カエサルは地位があったが金がない。マリウスの血筋だし。 クラッススは金があるが地位がない。騎士だし。 この二人がくっついた。騎士階級はどうしてもバカにされるので、表舞台にカエサルを出すことで裏から支配しようとクラッススは考えた。 大隈重信と三菱みたいなもん。 ポンペイウスはもともと元老院の軍人だったが、シリア遠征に成功し、属州とすると、ここに無産市民