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ファンの存在

先日、ある作家さんが執筆をやめるというコメントを発表して、ツイッターなどで話題になりました。

私は存じ上げない方ですが、様々な思いの結果なのでしょうね。


その方は、簡単に言えばファンの反応がほとんどなくなってしまったので、書く意欲もなくなったという事です。

他にもいろいろ理由はあると思いますが、巷に衝撃を与えたのは、やはりこの部分だったと思います。


これをまともに受け取った方がいい、という意見もありましたが、私は正直不思議に思いました(^_^;)

そもそも、たくさんの反応をいただく作品を書かれていたのだと思いますが、私なんかだと反応はなくて当たり前なので。。。


いえ、もちろん長い商業誌生活、デビューの頃からファンレターは頂いてきました。

今はメール、SNSの時代ですので、リアルのお手紙は年賀状など、季節にいただく事が多いです。

TwitterやInstagram、長くやっているアメブロなどを通して、直接メッセージいただくことの方がメインになってきました。

いつもありがとうございます♡


それでも、ファンレターやメッセージを頂くかどうかで、私のモチベーションに大きな変化があるということはないです。

頂けたらやっぱり嬉しいですし、本当に励みになります。

それがわかっているので、私も誰かの作品を好きになったら、ちゃんとファンレターを書くようにしています。

だけど、同じようにわかっているのは、わざわざメッセージを寄せてくださるというのはとても貴重なことで、一通のファンレター、一つのメッセージの後ろには、同じ思いの方がたくさんいてくださると思っています。


商業誌に書いている頃、編集者さん達と繰り返し確認したことですが、「お手紙を書くわけではなく、いつも黙って本を買ってくださるファンの方」が普通であり、その方々に支えられて作品を描く事ができるのです。

メッセージを下さる方は破格にありがたい方なので、それがないからと言ってガッカリする必要は全くありません。

そのために、紙の本であれば発行部数というものがあり、電子書籍ではあっても、はっきり言って売り上げを見ればどれだけ買って頂けたか、読んで頂けたか当たりがつきますし。


いろんな意味で、売上0円だったら私もモチベーションを保つのが難しいですが(^_^;)、その作家さんも、pixivファンボックスというファンの方が月々支援金を払う方式のシステムがあって、そこで一定の支援を受けていたようです。

つまり、著作以外に「黙ってお金を払ってくれる」ファンの方がいるのに、モチベーションを失ってしまったのか…!と、結構衝撃でした。


「ファンから反応がないからやめる、というのは読者さんに背負わせすぎ」というご意見もありました。

それぞれ作家自身の受け止め方の問題なので、正解はないと思います。

事実があるだけです。

今回は、ファンからの反応がないことを理由の一つとして、ある作家さんが書くことをやめる宣言をした、という事実です。


私はもう個人出版メインにやっているので、アンケートが高くなければ困る、たくさん売れなければ次が出ない、と追い込まれることはありません。

『Arriba! 2nd season』に関しては、損得勘定(私というより出版社の(^_^;))から離れなければ描けない!という判断で踏み切りました。

だから、私の趣味で描いているとも言えるわけで、正直誰も読まなくても描きます(だいぶ辛いですが)。


旧作についても、これらをいつでも誰でも読めるところへ置いておく事、が最終的な目的で出版しています。

ある一定期間を過ぎれば、作品は「商品」である役割を緩やかに終え、無料で閲覧できる小さな小さな文化の記録となっていくと思います。

ただ、どんなに読む人が少なくても、作家がそれを頭脳から取り出して表現しなければ、それはこの世に存在しません。

誰にとってどんな価値が見出されるか分からないので、作家としては、それを為すくらいの情熱は持っておきたいですよね。

どの段階で情熱を失うか、が人それぞれなんだと思います。


私は、貴重なお小遣いから拙作を買って頂くだけで、もう何も望むことはないくらいありがたいです。

わざわざメッセージくださったり、BOOTHでお買い物をしてくださる方には、もう家族!くらいに思っています(^ ^)

私の作品に限らず、何かのファンの皆様にも、メッセージは大変なモチベーションにつながりありがたいものですが、黙って著作を購入したり、アーティストならチケットを買ったり、それだけで十分な応援になっているはずです。

作家としては、今回のことが、読者の方の負担にならなければいいなと思っています。


サポートはマンガ制作、出版のために大切に使わせて頂きます♡