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ブラック企業にあった変なルール

体験した身としては笑い事ではないですが、人生の事故のような出来事も書き起こして消化していきます。


頭髪編

男は禿げたら禿げ散らかさなきゃいけない。
冗談のような事を聞きました。

つまり、カツラを被ると査定をマイナスされるのです。
銀行のような原点方式の査定システムでした。
その中にあった意味不明な項目です。

言われてみると職場内は薄毛の方が目立つような気がします。
お上に逆らえない理不尽な環境で、髪が抜け落ちてしまったのでしょう。
オジサン達が禿げと罵りあう最悪の環境が出来上がっていました。

労務編

令和の時代と思えない、紙のタイムカードで管理していました。
理由は証拠隠滅が図りやすいからだと思われます。

ガガガッと紙のタイムカードに打刻する機械、ブラック企業に入社して初めて触りました。

出勤手当というものがありました。
その手当の支給は、当日のタイムカードの出勤打刻があるかで支給されるかがシビアに判断されます。電車遅延が発生すれば、遅延証明書の提出が必須という厳しさです。

一方、退勤打刻に関しては緩くなります。
退勤打刻は打たなくてもどっちでもいいのです。
残業は別の申請書で提出する仕組みで、このタイムカードは全く関係ありません。

また、タイムカードの機械が設置されているスペースは、基本的に20時以降は閉まります。
夜遅くまで残業した記録は、どこにも残りません。労基対策です。

残業申請に関しては、上司から「上手くやれ」と圧力を掛けられます。
具体的には、45時間を超える申請はNGです。
残業代は45時間まで、実際は80-100時間程ありました。

男尊女卑編

セクハラ発言が酷い環境でした。

昭和感覚が抜けない役員が、電話越しに大声で下ネタを話します。風俗嬢とでも喋っているのかというような下品な内容をイメージしてください。

女性社員は聞き流すか、不快に感じた人は席を立って回避していました。

なぜ女性社員が耐える環境になっているかというと、過去に若い女性社員がセクハラ発言を上に訴えたところ、握りつぶされて状況は全く変わらず、退職に追い込まれたからです。

女性社員の中途採用は一切行わず、他の企業を知らない新卒のみ採用しています。
他を知らないが故に、ベテラン女性はこんなものだと聞き流しているし、若手女性はそれを見て耐えてしまっています。

また、女性は結婚して子供が出来ると自主退職を迫られます。
わざと家から2時間掛かる勤務地へ異動させたり、希望しない部署へ異動させたりと、徹底的に嫌がらせをして、自分から退職願いを出させるよう誘導していました。

旧姓で名乗る事を認めないという地味な嫌がらせ方法を聞いた時、どれだけ器の小さい企業なんだと絶句しました。

情報隠蔽編

情報が外部に漏れることを過度に恐れていました。
社内の管理システムには、有線LANを接続しないとログインできません。
社用携帯のスマホは電話以外使えず、グーグルマップすら開けません。

採用面接では、趣味を小説書きと言った人を落としていました。
理解できませんが、小説=マスコミ=情報漏洩という考え方らしいです。

銀行のネットシステムは一切使わず、書面で支店持ち込みをしていました。
ネットから情報を抜かれるのを防ぐためと聞きました。

企業口コミサイトの書き込みは、都合の悪い口コミを削除します。「権利者の申し立てにより削除しました」となっている書き込みが沢山ありました。

戦力外人員編

一度経営陣にダメと判断された人は、這い上がる事は出来ません。

待っているのは左遷人事です。子会社へ出向させたり、営業から間接部門へ異動させたりと方法は様々でした。

ブラック企業といえど、解雇はしません。
ただ、徹底的に自分から辞めるように仕向けます。

例えばキツい得意先を担当させて、鬱病まで追い込みます。未経験の間接部門へ異動させ、なぜできないのかと毎日怒鳴り、鬱病まで追い込みます。大量の業務を抱えさせてミスを起こしたら怒鳴り、鬱病まで追い込みます。

自主退職へ追い込むことに長けている最悪の環境でした。
鬱病や休職する人を身近でここまで見かけたのは、このブラック企業にいた間だけです。

退職編

退職届が認められません。
社長が「届」は偉そうだからと認めないからです。
わざわざ就業規定にも書き、「退職願」とさせています。

更に、手書き以外は認められません。
これも社長がワードで作成は手抜きだと言って認めないからです。

また、在籍期間の最終日には必ず出社して社長へ挨拶というルールがありました。有休消化期間の前日を最終出社とするのは認めてもらえません。

まとめ

ブラック企業には信じられないようなルール、文化があります。

恐ろしいのは、同調圧力でかなりの強制力をもって従わされる事です。生き残っているのは、その中で従ってきた人達です。異を唱える人間は辞めていくので、ルールが当然のものとして存在します。

気を強く保てる内はいいのですが、過労や𠮟責によるプレッシャーが積み重なり、普通の人でも病みやすい環境です。

特に男尊女卑に関して、私はこの組織に所属している事が恥だと内心思っていました。
将来この組織で女性の部下を持ち、酷い文化を強要する事は絶対したくありません。人に辛い思いをさせるのは許容できないです。
この会社を遠からず辞めようと決心したきっかけの一つでした。


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