生成AIにむしろ奪ってほしい 【該非判定】
AIに仕事が奪われると言われますが、むしろ奪ってほしい話です。
該非判定は専門的なイメージと裏腹に、前時代的な事務作業をしている部分があります。
この先10年、20年後も続ける作業ではありません。
生成AIによるブレイクスルーを期待しています。
輸出管理のフレーム
経済産業省に輸出管理内部規定(CP)を届け出ている企業は、下記の外為法等遵守事項に沿った輸出管理を行うことが義務となります。
今回の話、該非判定は「2 取引審査」の中に含まれる仕事です。
生成AIに食い込んでほしい領域
取引審査 (該非判定)
輸出する貨物等が外為法に違反していないか審査する業務です。
貿易に関わった事のある人は、該非判定くらいは聞いた事があると思います。
その該非判定の実態をご存じでしょうか。
エクセル検索作業
外為法は、法律・政令・省令・通達と多重構造となっており、法律では骨格的内容、政令以下で貨物詳細、用語の解釈に至るまで定めています。
その多重構造を経済産業省がマトリクス表(エクセル)でまとめています。
該非判定では、輸出しようとする貨物等が外為法違反ではないか調べます。
その調べ方、なんとCtrl+Fです。
経産省とCISTECもこのやり方を推しています。
(出典:CISTEC 該非判定超入門)
該非判定の大まかな流れは以下になります。
検索ワードがヒットしなければ、「対象外」と判定します。
但し、安易に「対象外」と判定はできません。
検索ワードは複数回調べる作業になります。
法律の条文がそのままマトリクス表に落とし込まれているからです。
このように一般的な用語ではなく、法律的言い回しで規定されています。
例えばCtrl+Fで「3Dプリンター」と検索しても出てきません。
見落として「対象外」と判定して輸出してしまうと、無許可輸出になる可能性があります。
該非判定担当者は法律的な読み替えを探すべく、飽きるほどCtrl+F検索をさせられるのです。
生成AIによる効率化を期待
該非判定
生成AIはデータの学習、収集、検索は得意としているので、マトリクス表検索の代替として使えれば生産性が確実に上がります。
・輸出令及び貨物等省令データの検索
・読み替え部分も含めた1発での検索
・常に最新法改正のデータを学習
更に進化すれば生成AIに輸出貨物のスペックも伝えて、パラメータシートを自動生成してくれる未来もあるのではないでしょうか。
是非、AIに仕事を奪われて半自動化して頂きたいです。
+法改正対応
貿易関係の法改正は多いので、改正のスクリーニングなんかもAIが入れる領域と見ています。
改正が該非判定結果に影響するのかしないのか、改正の度に調べるのは大変な作業です。
単純な情報収集部分はAIに任せて、人間は社内への影響確認やリスク分析にリソースを割けられるのが理想です。
AIに仕事を奪ってもらったら
単純な事務処理能力が高いだけでは、人材価値はなくなります。
そして業務効率化が進めば部署の椅子は確実に減ります。
その中で生き残るにはAIツールを使いこなす能力、情報分析力が求められると考えます。
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前職ブラック企業での精神疾患チキンレースが終わったと思ったら、次は椅子取りゲーム編になりそうです。
椅子取りゲームに負けないようAI仕事術を身に着けていくつもりです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。