デザイン日々考察日記 vol8: 西加奈子さんの本の表紙

本日は、西加奈子さんの本の表紙について書こうと思います。

西加奈子さんの作品は、どれも独特で、とても大好きなのですが、今回は西加奈子さんの本の表紙のデザイン(絵)も個人的には本当に好きなので、書いていこうと思います。


💡めっちゃいいと思ったポイントまとめ💡

① 独特な色使い
西加奈子さんの表紙は全て西加奈子さん自身が書いているのですが、本屋さんで並んでいても目がいく独特で派手な色使いがとても好きです。

この作品は西さんの i という作品の表紙になった絵になります。このように、西加奈子さんの本の表紙は独特で派手な色使いのものがとても多く、表紙だけで惹きつけられます。この i の絵については、いろんな色が使われているのですが、白色を多く使っていたり、隣り合う色として喧嘩してしまう色が配置されている訳ではないので、パッと目を引く派手さもありながら、どこか調和を取れていて、色の配色やバランスが絶妙だな と感じました。

また、全体的に派手な色合いではあるものの、彩度が抑えられている配色が多いのですが、黄色やピンクなど、ところどころパッと明るい色が入っているところも、ポイントカラーとなっていて、惹かれる理由の1つではあるのかな と感じました。

② インパクトの強さ、力強さ
西さんの作品は、とっても力強いです。

個人的に好きな表紙の中で、漁港の肉子ちゃん という作品があるのですが、どーん と視界に入ってくる女性の絵。先ほども載せた i の絵や、こちらの肉子ちゃんの絵も、インパクトがあるというか、とても力強さを感じます。色の大胆な使い方もその要因の1つかと思うのですが、もう1つ個人的な要因としてあると感じているのは、クレヨンや絵の具で大胆に書いた、絵の書き方の部分にもあるのかな と感じております。(全くそこらへんに詳しくはないのですが。)

③ 表紙の絵に感じる、作品の要素や愛
西加奈子さんの作品は、どれも本当に独特な世界観ではあるのですが、どれもとても大事で大きなテーマが裏にあり、そのテーマも表紙に詰め込まれている気がして、作品を読む前と読んだ後では、受ける印象がまた違う気がします。

例えば、i の表紙であれば、初めて見たときは本当に派手だけど、かっこいい表紙だな という印象くらいしかなかったのですが、作品のテーマである多様性の大事さ、また多様性のある社会の中で自分自身というありのままの存在を認める大変さと重要さ を、多様性を表す配色であったり、自分自身の中の迷いを表すような渦や穴であったり、その中で生きていかなければいけないという空気の粒を表すような丸から、i という作品のテーマを個人的に深く感じることができ、またより一層作品も表紙の絵も好きになりました。

④ 題名のフォントに込められた想い
西加奈子さんの作品は、全て作品によって題名の使用フォントが異なります。

漁港の肉子ちゃん の作品のフォントは、ポップなイメージを受けるフォントが使われており、作品内の肉子ちゃんから受けるはちゃめちゃで明るい印象にとても合っていると感じましたし、サラバ! のフォントからは、ストーリーの中でガタガタと崩れていってしまうシーンが多くありましたが、その中でもなんとか持ちこたえて過去の自分を認め、おサラバすることできた主人公の人生が、がたついてしまって入るものの、読解ができる形では残っているこの サラバ!のフォントから読み取ることができる気がしました。

ウェブサービスでも、サイト内で使われているフォントや、ロゴなどによって受ける印象は大幅に変わってくるので、そのフォントを通して何を伝えたいのか、考えることはとても大事だと感じました。


今回はデザイン考察ということで、私が表紙の絵が気になり、表紙買いをして出会った西加奈子さんの作品の表紙について、色々と考察をし、自分なりにまとめてみました。(本は基本的には本屋さんに行き、表紙や題名を一通り見て、なんとなくこの本気になると感覚的に思ったものを、いつも買って読んでます。あまりハズレはありません。)

西加奈子さんの作品自体も本当に好きで、サラバはサイン入りの本を入手して大切に保管しています。皆さんもよろしければ、是非読んで見てみてください。(サラバ! はかなり長く、初めて読む分には結構きつい気もするので、個人的には i がおすすめです。)

それでは本日の考察は以上となります🔎

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