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#ファインダー越しのわたしの世界

わたしは写真を撮られるのが苦手だ。カメラが大好きな友人に言わせると、それはカメラマン気質らしい。人物にしろ景色にしろ、自分の目線の写真を残したがる。
#ファインダー越しのわたしの世界  だなんて、その典型的なタグだ。

そもそも、思い出を振り返るときに欲しいのは自分の顔面ではなくて自分が見ている景色だ。友人や家族が笑っている姿、綺麗だった景色、美味しかった食べ物…。そこに自分を客観的に写す必要性をわたしは理解できない。
わたしが楽しかった思い出なのだから、わたしはそこにいなくていい。思い出したいのはいつでも、わたしが見ていた景色なのだ。

もちろん、記念写真は撮りたいので自分は絶対写りたくない!というわけではない。しかし、どの写真にもわたしが写っていることはないのではないかと思っている。自分が風景に溶け込んでいる写真も何枚かほしいが、そんなにたくさんは要らないと思っている。

自分の容姿があまり好きではないから写真に写りたくないんだよ、と言われるが、そうでもない。自信を持って自分が大好きと言えるほどの人間ではないが、自分が写っている写真を飾らないこともない。写真が嫌いなのは単にトラウマのせいである。
七五三の時の写真館でじっとしていなさい!と言われて仏頂面で立っていて怒られたこと。
そしてなにより、幼稚園入園手前まで通った病院での連日のレントゲン。
じっとしておとなしくしていなさい、と言われるのに慣れてしまった。と同時に、わたしの中で写真は常に誰かの満足のために撮るものであった。
いつのまにかレンズに嫌悪感があった。今では嫌悪感はないがやはりレンズに笑顔を向けるのには少し抵抗がある。

わたしはずっとわたし越しの世界を共有したいと思っている。だからこそ、言いたい。
「ファインダー越しのわたしの世界はどうですか?」

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