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読書記録 夜明けのすべて

まさか1番初めに書くnoteが読書記録になるなんて思いもしなかった。けれど、それが最も自分らしい選択であるように思う。

私はいろんなことで悩むし、落ち込む。今だって、就活と資格試験、卒論のことで頭がいっぱいだ。そんな時に読むべき本だったと思う。

感想を言うには難しい本だった。共感性羞恥、職場の仲間、空気、親との関係性。何かが解決する、スカッとしたものではなく、時が進んで事が進む、現実を感じさせるような世界観だった。

私は特に山添さんのエピソードが印象深かったように感じる。襲い来る病、変化する生活への不安。そして自分は今のままでいいのかという不安。就職活動に追われ、自分像がわからなくなっていた自分と重ねる部分が多かった。

誰もが苦労している、なんてありふれた言葉だ。そんなの当たり前だと思っていた。けれど、誰かの行動が、その人の苦労を和らげるものである可能性を考えたことがなかった。そう考えた時、自分は本当に人に興味が無いのだと感じた。それと同時に、私も人をもっと知りたいと思った。この本の感想としては的外れかもしれないが。

自分が悩んでいる時、他の人もなにか悩んでいるのかもしれない。その時自分には何も出来なくても、相手のことを知ること、手を差しのべることは出来るかもしれない。その人なりの何かを私なりに捉えることは出来るかもしれない。

帯の「生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。」という文言に惹かれて手に取った本だった。正直、読む前は一冊読んだだけで楽になる生などないと思っていた。楽になる=楽じゃないことをきれいさっぱり無くしてくれることだと思っていたからだ。
この本には、嫌なことを忘れさせてくれる力は無いけれど、明日も生きてみようと思わせてくれる優しさがあった。それでいて、嫌なことがあった日に食べるチョコレートのような、何か一つのお守りのような強さがある。そして、人と関わりたいと、少しわくわくさせてくれるのだ。

さて、明日はどう生きようか。
誰にやさしくできるだろうか。

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