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映画館行こ♩

勧められた映画を観てきた。

和山やまの作品がものすごく好きなので、2019年に『カラオケ行こ!』の同人誌が出た時は死ぬ気で通販に挑んだ。通販開始時刻前からパソコンの前に座り、サイトが開いた瞬間に購入したが、1分後くらいには完売していた。あんなにヒヤヒヤする同人誌購入体験は初めてだった。

案の定世間が放っておくはずもなく、正式にKADOKAWAから書籍化され、そしてこの度映画が公開された。主演は齋藤潤と綾野剛だ。

私は国内で活躍する俳優さんの中では綾野剛の顔が一番好きだ。好きだが、それを遥かに上回る和山やま先生への強いリスペクトがあり、それゆえに"いくら綾野剛といえど、実写化には納得出来ない可能性が高いから映画は観に行かんとこ…"と思っていた。

私は、単行本での商業作品としての第一作である『夢中さ、きみに。』の時からの和山やまファンである。古参を自称できるほどではないが、新作が出れば発売日に確実に購入し、紙の本は本棚に飾り、電子書籍で暇さえあれば隅々まで読むくらいには和山やまが好きだ。

私は実写化作品があまり得意ではない。人生で一番どっぷりハマったハリーポッターシリーズですら、まともに映画を観ていないくらいだ。自分の中に自分なりのキャラクター像が確立されているから、それを実写化で乱されるのが好きではない。

そもそも原作の完成度が高いからこそ実写化のオファーが来るわけで、完成されたその世界のファンなら実写化を観る必要はないのでは?実写化はあくまで話題を呼んで原作のファンを増やすための装置だろう…私の中には実写化に対するそういう考え方があったのだった。

しかし、質問箱に複数回、『カラオケ行こ!』はいいぞ………というメッセージが入っていたので、そして最近バタバタしていて気分転換がしたかったので、急遽昨晩映画館に行ったのだった。

結論としては、観て良かったです!!すすめてくれた人たち、ありがとう!

和山やま作品の良さって、変人を変人としてしっかり描きつつ、突き離さない優しさだと思う。

アナタは変なんかじゃないよ、素敵だよ…というメッセージが最近流行りだ(と私は思っているが)、それよりかは、"アンタはヘンだよ!!でもまあ、なんとかうまくやっていこうぜ!"の方が、私は励まされるのだった。

映画版『カラオケ行こ!』は和山やま作品の良さをしっかり受け継いでくれていた。映画オリジナルのエピソードが複数追加されていたが、どれも原作から妙な浮き方をしたりせず、それぞれがしっくりとその場所に収まっていた。まるで最初からそこにいたみたいに。

脚本いいな〜、素晴らしいな〜と思いながら鑑賞後に調べてみたら、脚本担当は『アンナチュラル』の野木亜紀子さんでした。そりゃ素晴らしいわけだ。

狂児の距離感のおかしさ、人たらしっぷりにスクリーン越しでもドキドキすること請け合いです。映画館だからこそクスッとしてしまうような掛け合いもあったので、原作好きな人は映画館で観てみてね〜。そしてこれを機に、和山やま先生の作品に触れる人が更に増えてくれると私が嬉しい。まあ既に全国民が読んでいることとは思いますが…。

で、『カラオケ行こ!』で狂児と聡実の関係性にどっぷりハマってしまった皆さんには、後日談である『ファミレス行こ。』も是非読んで頂きたく…。

『カラオケ行こ!』の単行本が発売されてから早3年、我々が続編をどんなに待ち望んでいたか……。本当にありがたい。今回はミステリー要素も足されて、ますます目が離せない展開になっています。

ただし下巻はまだ発売されておらず、我々ファンは待ち遠しさに身悶えしているのだった。いや、何年でも待ちます…和山先生のためなら…。

Big Love…