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聖夜のペイフォワード

また風邪ひいちゃった…。喉と鼻が終了しているので今日の日記は短めだぞ。

Twitterにも書いたけれど、ブックサンタに参加した。病気やひとり親家庭など、さまざまな大変な境遇にいる子どもたちに本を届ける取り組みだ。

実は、こういう取り組みに参加したことは今まで一度もなかった。寄付する先が信頼できる団体なのか、私が寄付したお金が妙なことに使われたりしないかと猜疑心が頭をもたげてしまい、どうしても寄付まで行き着けなかった。

今回Querie宛に”ブックサンタに参加するとしたら、どんな本を選びますか?”という質問をもらった。

まず思い浮かんだのが『チャーリーとチョコレート工場の秘密』だった。あれは良い本だ。ロアルド・ダールの本が幼少期の私は大好きだったし、今はちょうど映画も話題になっているから、子どもが貰っても喜んでくれるかなと思った。

『チャーリーとチョコレート工場の秘密』にします、とツイートしてそれでおしまいにするつもりだったのだが、贈る本を考える過程でブックサンタのサイトに飛んだ。DVを受けて命からがら逃げ出し、不自由な生活をしている子や、病気で学校に行けない子の話を読んだ。

寄付をするとき悩むのは、誰を支援すべきかということだ。震災で家を失った人、今まさに戦争に巻き込まれて震えている人、親のいない子どもたち…世界には困っている人がたくさんいる。寄付の行先を悩み、結局何もしないまま私は今まで募金箱の前を通り過ぎてきた。

私は本が好きだ。特に幼少期、友達があまりいない頃、文字通り本がいちばんの友達だった。ロアルド・ダールは私の一番古い友人だ。今、街から書店が減り続けていると聞く。ネットの書店を否定するつもりはない。私も随分お世話になっている。でも、書棚の間を練り歩き、本との偶然の出会いに身を任せる楽しみは、書店にしかない。

街の書店で本を購入してブックサンタに参加することで、微力ながら書店への支援もできるかも…という希望が、今回寄付へと背中を押してくれた。他人への贈り物として本を選ぶのも、実は初めてだった。散々悩んだ末、学校の図書館にはあまり置いていなさそうなクイズや謎解きの本、人気のありそうな新刊、それから『チャーリーとチョコレート工場の秘密』を選んだ。

これは贈り手のエゴに過ぎないが、本を贈られた子どもが何かを感じてくれたらいいなと思う。この世のどこかに、顔も知らないあなたに本を選んだ人間がいる。その人は、本を選び、買うことですごく満たされた気持ちになったようだよ。願わくば、あなたもその人と同じように、本のことを好きになってくれると嬉しいな。

Big Love…