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不思議の負けなし

相変わらず週に1回程度、クイズをやっている。

今週は特に結果が悪くて、流石に少し凹んだ。オンラインクイズが終わった後に”ああ〜〜”などと言いながらベッドに横たわり、30分くらいふて寝した。寝たらスッキリして、また頑張る気になった。単純な性格で良かった。

ダニング・クルーガー効果という言葉がある。認知バイアスの話である。

大した知識もないのに得意満面の人間を揶揄する際によく持ち出される概念だ。学び始め特有の全能感、皆さんにも身に覚えがあるのではないだろうか。実際の実力は全く大したことがないのに、”私は全てを理解した!”と思ってしまう、あれのことだ。

クイズを本格的に始めてから半年が過ぎた。他の競技クイズが好きな人たちと初めて競ったのが確か昨年の11月で、ダニングクルーガーでいうところの自信満々の時期にあった私は見事に鼻をへし折られた。まあ、当然である。たかだか数ヶ月勉強したくらいの人間が、そう簡単に勝てるわけはない。

ダニングクルーガーを見ていると、自身をへし折られた後は謙虚になり、段々と実力が伸びていくことになっている。確かにそうかもしれない。昨年の11月と比べれば、明らかに実力は伸びた。でも、それは周りも同じなんだよな。私が勉強している間、クイズを愛している人たちは、私と同じかそれ以上に勉強をしている。他人の実力に圧倒されるたびに、果たして私はいつの日か彼ら彼女らに追いついて追い越せるのかと、クラクラする。

でも、クイズをやめようとは思わない。早押しで負けて、知らない知識を耳にするたびに抱く感情は”悔しい”もあるけれど、”まだ知らないことがたくさんある、おもしれ〜”でもある。面白がれているうちは続けたい。

人生全般に言えることだけれど、勝っている時よりも負けている時の方が学びは多い。

絵面が色々とアレだった魔改造の夜・電動マッサージ器の回、みなさんご覧になっただろうか。

本番に向けて魔改造してきたマッサージ器がうまく走らず負けが決まった時、あるプレイヤーが”次はねえけど、次頑張る”と言っていた。

この台詞は放映当初、Twitterで話題になった。良い台詞だったからだ。彼は”魔改造の夜”では負けてしまったし、この番組においては次はないけれど、それでもものづくりに携わる人間として、これからも頑張るしかないのだ。負けたプレイヤーに多くの視聴者が共感した瞬間だった。

勝負に向けて頑張るのはもちろん勝ちたいからでもあるけれど、負けを意味のある負けにしてくれるのは努力だけだ、とも思う。勝負には時の運もある。もちろん私の場合は、時の運とかじゃなくまだまだやるべきことを積み上げられていないが故の負けなのだけれど、それでも負けた時何かを掴み取って帰るためには、歯を食いしばって努力を続けるしかないよなと思う。

そういえば、魔改造の夜・電動マッサージの回にこんな台詞もあった(うろ覚え気味なので正確ではないかもしれない)。

”僕は40過ぎてまで役職のつかない、本当に日本にたくさんいるかもしれないサラリーマンの一人です。それでも、このような番組に出てワクワクできます。若い人とワクワクできます!”

私もあと数年で40である。クイズをやっている方は、私よりも若い方が多い(もちろん、人生の先輩もいらっしゃるが、印象として若いプレイヤーの方が圧倒的に多い)。若い人に学ばせてもらい、若い人に素直に尊敬の念を抱き、ワクワクできる趣味が見つかったことは本当にありがたいことだと思っている。

Big Love…