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魂に君の形の穴がある

こんばんは〜♩木曜日のnote更新だよ。

最近文鳥のケージの置き場所を変えた。

置き場所を変えたと言っても、座標が変わったわけではない。我が家ではケージを棚の上に載せていて、その棚を新しいものに新調したのだった。

今までは無印良品のラックにお世話になっていたが、より安定性の高そうな一万円くらいの棚に乗り換えることになった。

棚が届いてから数日は念のため別の部屋に置いて、いわゆる"新品の香り"が抜けるまで様子を見た。文鳥と暮らすようになって以降、有害そうな匂いにはとても敏感になっている。あんなに好きだった香水も一切つけなくなったな、そういえば。私の化粧棚には使われなくなった香水瓶が何本か眠っている。

高さや色も先代の無印良品のものと似たり寄ったりだし大丈夫だろうと思って交換したのだが、環境の変化を嫌う文鳥はなかなかケージに帰らなくなってしまった。

いつもだったら大好きなシード(種の形を残した餌)をおやつ入れに入れてあげると、私のことなんて放って即ケージに戻っていたのだが、棚を交換してからはシードの中でも大好物のカナリーシードを入れてもなかなかケージに戻ろうとしない。文鳥にとっての最高の安全地帯である私の頭の上でもぞもぞしていることが増えた。

慣れ親しんだ棚を交換するなんて、可哀想なことをしたかなとも思うのだが、無印良品の棚は長いこと使っていたせいで安定性に不安があった。地震などの懸念から、交換は仕方がなかったのだった。

特に文鳥が気に入らないらしいのが、棚の下の方にある両開きの扉だ。扉を開ける音が嫌なのか、開いた扉が視界に入るのが嫌なのか、とにかくここを開けると飛び上がって嫌がる。これは流石に可哀想だった。
棚を交換した当初は毎日使うお世話の道具(ケージの底に敷く紙など)を両開きの扉の中に入れていたのだが、きっぱりやめた。両開きの扉の中にはあまり使わない器具を入れて、開ける頻度を減らすことにした。

毎日開けるのをやめたら、だいぶケージに慣れた様子で徐々に落ち着き、今はおててタクシー(手に乗せて文鳥を運ぶこと)をやれば大人しくケージに戻るようになった。

文鳥は環境の変化に基本的に弱い。でも、中には肝の据わった文鳥もいるようで、多少の環境の変化には動じない奴もいる。我が家の文鳥はビビりなので、肝の据わった文鳥を見ると"あら、いいわね…"と思うが、言うまでもなくやっぱり我が家の文鳥が一番可愛いのだった。

どうか安全を感じられる場所でぬくぬくと長生きしてくれよ、と常に祈るような気持ちで一緒にいる。私はこんなにも長いこと動物と一緒に暮らしたことがないから、文鳥がいつか天寿を全うした時、自分の心がどんな音を立てて砕け散るのか全く想像もつかない。

想像もつかないし、もうこの文章を書きながら心の中ではおんおん泣いているのだった。文鳥のいない生活なんて、すっかり考えられなくなってしまった。魂に文鳥の形をした穴が空いていて、一緒に暮らしている文鳥だけがそれを埋めてくれる。

湿っぽい話はこれくらいにして近況を書く。今年の花粉症が本当にしんどい。朝起きた瞬間既に目が痒い。

昨年までは出勤のために外に出た時初めて目の痒みなどを感じて、"アッ、そういえば今朝は抗アレルギー薬を飲むの忘れたわ"と思う程度だったのだが、今年はレベルが違う。例年効果があるはずのアレグラの効きすら微妙である。

外来にも延々花粉症の患者さんが来続ける。みんな揃って目が充血している。

先日、海外からの留学生が私の外来に来た。私の英語スキルはろくでもないので、AIを駆使しながらなんとか対応した。日本に来て初めての春だが、あまりに花粉症がしんどいので受診したと言う。

"なぜこんなに辛いのですか…この辛さはいつまで続くのですか…"と問われて、これはスギの花粉が飛んでいるせいで、飛散量は6月くらいにはおさまると説明しながら、人生に関する問いのようだと思った。人生はなぜこんなに辛く、この辛さはいつまで続くのか。花粉症と違って、その答えは自分で見つけに行くしかないのだが。

Big Love…