見出し画像

親子でうんちと仲良くなろう!

『うんちをしたがらない』
『便秘で毎回大変なんです』
『オムツでしかうんちをしません』などなど。

うんちにまつわるご相談、とても多いです。

うんちは臭いもあるし、漏らされたら大変だし、オムツじゃないとしない、なぜかうんちすることを嫌がる、ちゃんとトイレでしてくれないかなあ・・・。


皆さんのご質問にお答えしているうちに
「あれあれ?なんだか、うんちが悪者になっていないかな?」
と感じました。

今回は親子で『うんち』と仲良くなろう!というお話です。


子どもの便秘



子どもが便秘で苦しんでいる姿はとてもかわいそうですよね。

子どもの便秘は、意外と多いものです。
まだ排泄の感覚や機能が未熟なこともありますが、子どもならではの理由で便秘につながることもあります。

少し広い範囲で子どもの便秘についてお話してみたいと思います。

まず、排便のコントロール、いわゆる我慢の感覚ができるのはおおよそ1〜2歳くらいと言われています。うんちは出さなくてはいけないものなのだ、と理屈として理解できるのは個人差はありますがだいたい幼稚園の年長さんくらいとされます。
うんちの我慢による便秘は2〜3歳くらいで起こることが多いように思います。

それではなんでうんちを我慢してしまうのでしょう?
考えられる理由には以下のようなものがあります。


①うんちが出てくることがこわい

うんちが自分から出ていく感じそのものが「こわい」と思う子どもがいます。大人からしたらとても不思議ですよね。
自分の体から何かが出てくる!こわい!
だから出ないように我慢してしまうのですね。

②うんちが硬くて、出る時に痛い

うんちが硬く、排便の時に痛い思いをしたことがあるとうんちをするのを嫌がります。嫌だから我慢する→さらにうんちが硬くなる→痛い→便秘の悪循環が起こります。

③トイレがこわい

トイレそのものが嫌なパターンです。子どもによって理由はいろいろですが、トイレが暗い・狭いからこわい、便座に座ると足がつかずにぶらぶらするのがこわい、うんちがぽちゃんと水に落ちるのがこわい、などがあります。

まずはお子さんをよく観察してみてください。
こわがっているのか、痛がっているのか、場所が嫌そうなのか、見えてくると思います。

お話ができるお子さんなら、

「うんちするときどんな感じなのかな?」

と聞いてみるのも良いですよね。
きっとお子さんなりに説明してくれると思います。

お子さんの様子を見てもしかしたら①かも?
とわかったら、「うんちが出るのはこわくないよ」
と理解してもらえるような関わりを工夫してみると良いと思います。
お母さんお父さんがうんちに行くとき、
「うんちに行ってくるねー!」
帰ってきたら
「ああスッキリしたー!」
とニコニコとしてみる。

うんちのことが描かれたかわいい絵本の読み聞かせも良いと思います。

いもとようこ「うんち」(はじめての絵本タイム)
は、うんちをするのが恥ずかしいと感じるお子さんにもぜひ読み聞かせてあげたい本です。

うんち (はじめての絵本たいむ) 

②の場合は、うんちを柔らかくしましょう。

便秘には食物繊維!というイメージがありますが、食物繊維の取りすぎは人によっては逆に便秘になってしまうこともあります。

水分をこまめにとること。
夏場は特に汗をかきますので便秘になりがちです。

それからフルーツを取るのも効果があることがあります。

お子さんが苦しがるような硬さのうんちがいつまでも続くようなら、かかりつけのお医者さんに診てもらうことも選択肢に入れておいてください
。

頑固な便秘で固いうんちが蓋になってしまっているような場合には自力ではなかなか解決しないかもしれません。

子どもにも優しくうんちを柔らかくするお薬もありますので、安心して相談してくださいね。

③の場合は、足がしっかりつくようにトイレを工夫してみると良いかもしれません。トイレのお水までの距離も、大人が思う以上に子どもにとっては深く大きくてこわく感じるものです。
環境を見直してみましょう。

詳しくは次にまとめてみます。


『トイレ』という環境の大切さ


幼稚園や保育園のトイレは、なにもかもがピッタリ幼児用に作られています。
便器の高さも低く、座るとしっかり足がつきます。
便器の大きさは、子どものお尻にピッタリで「スポッと穴に落ちそうになる」なんてことはありません。
脱ぎ着するための充分なスペースがあり、大体の園では暖かい色彩で、明るく充分に光が入ります。
加えて、先生達がトイレを楽しげな場所にするためにあちこちに工夫を凝らしています。

お家のトイレは大人用だと思います。
これが子どもにとっては結構怖いものなのです。
もう一度子ども視点で環境の観察をしてみましょう。

トイレに座ったときに台を置いて足がしっかりつくようにしてみる。
これが意外と大切です。

特に、足がしっかりつく足台やステップで足がブラブラしなくなると、しっかりと踏ん張れるようになりうんちも出しやすくなります😊
膝が直角に曲がり、足裏がしっかりつくように調整してみてください。

他にも

○照明を明るくしてみる。


○「ぽちゃん!」とお水に落ちる音が怖い場合には、あらかじめトイレットペーパーを敷いておき音が軽減されるようにしてみる。


○お子さんが好きな物が「トイレで待っている」ような雰囲気でデコレートしてみる。例えば、お花を飾ってみたり、好きなキャラクターを使ってみたり。

などの工夫が考えられます。


おまるを使うのもいいと思います。
おまるだとトイレに慣れるまで、お子さんと相談して好きな場所に決めて設置することもできます。

おまるでしかしなくなるんじゃないか
おまるをリビングに置いて、そこから動かせなくなるんじゃないか

そんなご心配をお聞きすることもあります。

大丈夫です。
必ず、トイレで排泄をするようになります。
20歳でおまるで用を足している人がいないように
子どもの成長のうちのほんのいっときのことです。

おまるは、子どもが座ると足がしっかり床につき、子どもの膝がおへその位置、もしくはそれより上になりますね。
そうするとお腹にも力が入りやすくとても踏ん張りやすいのに加え、少し専門的な話になりますが、直腸が真っ直ぐになってうんちの通りがスムーズになるのです。
(大人用トイレに補助便座やステップを取り入れるのも同じ理由です)
もし気になりましたら、「トイレの姿勢」で検索してみてくださいね。


うんちの出ることはよいことだ!


お風呂上がりにスキンシップも兼ねてお腹をマッサージするのも良いと思います。

「にんじんさん食べたから明日はにんじんさんのうんちかなぁ?」

「うんちさん優しく出てきてね〜」

など、その時にお母さんがうんちさんに語りかけてみると、うんちがこわい、するのが嫌という気持ちが和らぐきっかけになるかもしれません。

うんちをすることは、とてもとても大事なことです。
そしてうんちが出ることは、とっても素晴らしいことなのです。

お子さんの体がちゃんと
食べ物を消化して
栄養を吸収して
不要なものを体の外に出す

愛しい、うんちさん、なのです。

ついつい

「お腹が痛くなっちゃうよ」
「病気になっちゃうよ」
「オムツにするのは恥ずかしいよ」

と、不快の方ばかりに注目してしまうものですが

「わー!こんなにたくさん出たよ!」
「うんちが出てスッキリしたね!」
「〇〇ちゃんの体からいらないものを運んで出してくれたね」

と、快の方
気持ちのいいこと・よい効果に注目して
子ども自身が「うんちをする」ことを肯定的に捉えることができるように関わりを工夫してみましょう。

「トイレで排泄をする」ということにこだわり過ぎず、
おまるでも
オムツでも
パンツの中でも
うんちが出たことを一緒に喜んでみませんか?

今できることで、OK!
今できることからで、OK!

とお母さんが気楽に構えておくことが大事だと思います。


排泄の主人公は子どもです。

必ずトイレの自立ができる日がやってきます。
それはある日突然かもしれないし
それこそ行きつ戻りつしながら段々かもしれないですが
どんな形であれお子さん自身が、自分で自立をしていきます。

それまで、お子さんなりの自立の過程を一緒にのんびり見守っていきましょう。

私たちはいつでもここで待っています。 何かあったらぜひ頼ってください。 この「しあわせお母さんプロジェクト」の活動を継続するために、 皆さんのご支援をお願いします。