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カール・マルクス 著『資本論 』(57)  読書メモ

第七篇 資本の蓄積過程
 第二十三章 資本主義的蓄積の一般的法則
  第二節 蓄積とそれに伴う集積との進行中に
      おける可変資本の相対的減少
ひとたび 資本主義 体制 の 一般的 基礎が与えられたならば、蓄積の進行中には、社会的労働の生産性の発展が蓄積のもっとも強力な槓杆となる点が、必ず現われる。

アダム・スミスは言う、「賃金を高くするのと同じ原因、すなわち資本の増加は、労働の生産的能力を増進させて、より少量の生産物を生産することを可能にする」。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3510). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

労働 の 生産性 の 増加 は、それによって動かされる生産手段の量に比した労働量の減少において、あるいは労働過程の客体的諸要因に比したその主体的要因の大きさの減少において現われる。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3527). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

資本 の 技術的 組成 における この 変化、すなわち、生産手段を活かす労働力の量に比較した生産手段の量の増大は、資本の価値組成に、すなわち、資本価値の可変的組成部を犠牲にしたその不変的組成部分の増加に、反映する。エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3567). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

消費 さ れ た 生産手段 の価値、すなわち不変資本部分のみを代表する価格要素の相対的大きさは、蓄積の進歩に正比例し、労働の代価を支払う他の価格要素、すなわち可変資本部分を代表する価格要素の相対的大きさは、一般に逆比例するであろう。

しかし、不変資本部分にたいする可変資本部分の減少、あるいは資本価値の組成の変化は、資本の素材的諸構成部分の組成上の変動を、ただ近似的に示すに止まる。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3574). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

社会的 総資本 の 多数 の 個別 資本への分裂、あるいはその諸断片相互の反撥にたいしては、それらの牽引が反対に作用する。これはもはや、単なる、蓄積と同義である生産手段と労働指揮との集積ではない。

それは、すでに形成された諸資本の集積であり、それらの個別的独立の廃棄であり、資本家による資本家の収奪であり、多数の小資本の少数の大資本への転化である。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3631). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

ここ で 資本 が一つの手に大きな団塊となって膨張するのは、かしこで、多くの手から資本が失われるからである。それは、蓄積や集積とは区別された、本来の集中である。

この諸資本の集中、または資本による資本の牽引の法則は、ここでは展開されえない。簡単な事実的示唆で足りる。競争戦は、商品の低廉化によって演じられる。商品の低廉は、他の事情が不変であれば労働の生産性に依存し、また労働の生産性は、生産の規模に依存する。

したがって、より大きい資本はより小さい資本に勝つ。さらに、一事業をその標準的諸条件のことで営むために必要な個別資本の最小量は、資本主義的生産様式の発展とともに大きくなる、ということが想起される。したがって、比較的小さい資本は、大工場がまだ点在的または不完全にしか征服していない生産部門に押寄せる。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3636). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

かく て、 一方 では、 蓄積 の 進行 中 に 形成される追加資本は、その大きさに比して、ますます少ない労働者を牽引する。他方では、周期的に新たな組成をもって再生産されるもとの資本は、従来使用していた労働者をますます多く反発する。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3694). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

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