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都立大学教授宮台真司氏襲撃事件について

2022ー11-29日 午後4時20分頃 都立大学構内で宮台真司教授が、180cmのがっしりした男に、刃物で切り付けられ、重体となったが、生命はとりとめたという事件が発生した。犯人は、現在も逃走中とのことだ。

本日の荻上チキ・Sessionで電話によるインタビューに出演した神保氏の報告によると、現在、救急病棟に入院中であり、家族しか面会できないが、家族から聞いた話によると、口調はしっかりしていて、子供とも冗談が言える状態ということでした。  

かなりの箇所を切り付けられたので、手術に4時間ほどかかったが、神経系統が破損したり、靭帯が切れるというような、内部に損傷がなく、後遺症が残るようなことはないということは、不幸中の幸いだった、と神保氏は語っていた。

首も切られたということなので、麻痺を起こして、今後の言論活動に、支障をきたすことになることを怖れていたが、とりあえず、その心配は、ないということについては、安心できた。

学者かつ、社会的にも影響力のある発言をしている言論人であり、Twitterでは、かなり過激な言葉の宮台節で、相手の投稿に対して頓馬、ウヨブタ、クソリベ、クソフェミなどと罵倒して、やりこめて、他のフォロワーにも、可視化するという手法を取っている。

普通の人なら、ミュートやブロックすればよいことなのだが、1時間近くかけて、相手することがあり、宮台氏は自身が言った内容を相手に理解しやすくするために、過去の論説データのアドレスを貼り付けるという面倒くさいことを、やり続けていることが、頻繁にあった。いくら、教育者とはいえ、ここまで、実行する人は、稀であろう。

こうした手法を取っているかぎりは、今回の襲撃犯のように、感情的に、吹き上がってしまい、犯行に及ぶ輩が出てくるという危険性は、はらんでいた。ただし、まだ、襲撃犯は逮捕もされていないために、犯行の動機も判明されていないので、犯人像を妄想しているにすぎない。

仮に、言論に対する反対行為として、物理的な暴力手段を取ったということなら、萎縮することなく、よりいっそう声高に主張していく、と神保氏は力強く、述べていた。

7月には、安倍元首相襲撃事件があり、まだ、その衝撃がさめやらぬ11月に、また有名な知識人が襲われるという事態となったのは、それだけ、社会全体が不安定な時代に突入したということだろうか?

あの権威主義的独裁国家の中国でさえ、ゼロコロナ政策に反対する大規模デモが起こっているぐらいだから、ここ3年間続いているコロナ禍で、世界規模で、民衆がイラついているのが感じられる。コロナ禍がさざ波となって、大きなウエーブにまでなったという、バタフライ・エフェクトが実現したということだろうか?

日本では、コロナ禍に加えて、安倍元首相襲撃事件以降、旧統一教会問題が、国民に知られてしまったが、何とも不明朗な政府の対応で、支持率が急落しているにも関わらず、相変わらず、ノラリクラリとひたすら国民が忘れるまで一時しのぎしようという様相に、イラつくばかりだ。

当然、宮台氏も、こうした風潮にイラついているはずだが、今回の襲撃犯は、こうしたイラつきに対して、彼なりのイラつきがあり、犯行に及んだということなら、顛倒しているというしかない。何しろ、犯行動機が不明だから、こうした奥歯に物が挟まった表現しかできない。

だったら、何も書くなということになるが、このモヤモヤ感は、どうにかしたい。高齢になったせいで、涙腺が緩んだのか、最近は、小説を読んでも、涙が出てくることがあるが、宮台氏の事件には、また涙が出た。約10年前に母親が亡くなったときでさえ、涙は流れていなかったのにです。10年前でも、十分にジジーの域ではあったのだが。



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