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『ホンダ流ワイガヤのすすめ 大ヒットはいつも偶然のひとことから生まれる』(本間日義)

本田技研ではワイガヤという文化があるそうです。お察しの通りワイワイガヤガヤの略です。だいだい予想つくと思いますが、「仕事についてざっくばらんにおしゃべりする会」のことです。
今さら何なの?ブレストじゃないの?という人もいるかもしれません。まあまあ、そんなことを言わずに最後まで読んでください。きっと興味が出ると思います! 

ワイガヤって何なの? 

本書によると本田技研のなかでワイガヤについて明文化は避けてきたようです。明文化したり制度にすると、形骸化して、本当の良さが失われるという根本思想があるようです。でもこの文化は後世にも伝えたいということで、本書で初めて明文化したそうです。
 
現場の人たちが集まって、意見をぶつけあいながら知識や知恵やアイディアにかえ、ものを作り上げていく。それは大事ですよね。でもこれまで皆さんが参加した会議で、「参加メンバーがみんな活発に発言し、創造的な話し合いができていますか?」と問われればNOという回答が多いのではないでしょうか。もはやそれが当たり前と思っていないでしょうか。
 
なぜ発言がないのかといえば、「自分の意見を言いにくい」からと本書では書いてあります。
 
組織社会において「オレは」、「私は」という枕詞のついた発言は一般的に次元が低いと思われています。処世術に長けてくると「私の考え=会社の考え」的に発言するスキルも身についてくるのですが若い人はそうもいきません。
「自分の考えをいうといけないんじゃないか」という思いが邪魔して発言ができない、という理屈です。でもHONDAのフィットやシティといった車は「自分の意見」から生まれたそうです。
その「自分の考え」をいえる場所がワイガヤなのです。
ワイガヤは会議やMTGのようにかしこまった場所ではありません。井戸端会議であったり、(タバコ吸わないのでわかりませんが)喫煙所のような場所だと私は理解しています。 

ワイガヤをやるとどんな良い事があるの?

ワイガヤにより、いろんな人が自分の考えを自由に話し合うことができます。それを継続してやると新しい価値が生まれると本書では書いてあります。
もちろんワイガヤで話が前に進むときもありますが、逆に停滞する時もあります、時にはちゃぶ台返しもあります。でもそれは新しい価値という答えに近づくために必要なことなのです。
 
行き戻りしているうちに、ある日、神が降りてくるかのように新しい価値につながる「偶然のひとこと」が生まれるのです。それを続ける根気がワイガヤを成功させるポイントだそうです。
リラックスして自由に自分の考えを継続して話し合える場所があれば、新しい価値やイノベーションが生まれそうだな、って思いませんか!? 

ワイガヤの良い例

前置きが長くなりましたが、いよいよワイガヤのやり方について説明します。。。。
でも、特に決まったやり方はないんです!! ここまで引っ張っておいてすいません。。。
 
そういうのを決めないのがワイガヤが文化として残った理由なのかもしれません。
本書のなかでは「特にルールはない」としながらも、ワイガヤがうまくいった例について説明しています。なので、こういう感じでやれば上手くいくはずです。
 
まずはテーマを決めます。なので「〇〇についてワイガヤをやりたい」があって、メンバー選定や場所選び、そして実際の進め方となります。

●メンバー構成 〜多様性があるほど良い〜
できるだけ多様性のある人を集めるのが良いと書いてありました。職種、性別、年齢などが違う人間が揃えば揃うほど「自分の考え」が集まり、予想もつかない展開が期待できます。専門外だろうとガンガン口を出してもらうと思わぬ意見も出てくるそうです。
 
●場所 〜リラックスできる場所〜
会議室とか会社を感じるような場所は離れて、リラックスできる場所でやるといいそうです。最近はリモートですが、これはコロナ禍前に書かれた本なのでご容赦くださいw
 
●会話のポイント 〜成果を焦らない〜
「成果を焦らずにフリートーキングをする」ことがポイントです。何かの目的を実現するためにやりますが、早く目的を達成しようと思うのと話が広がりません。少しでも前に進めばいいと考え、時に脱線しながら楽しく話しましょう。
あとはリーダーがムードメーカーとなって、雑談もどんどんできるリラックスした雰囲気を作ることも大事です。
あとは繰り返しますが、すぐに目的を達成しようとしないことです。今日は収穫がなかったなと思う日もあるかもしれませんが、継続して続けるとある日突然、新しい価値に近づけるのです。

以上がワイガヤになります。ただ実際のところ、昔のようにワイガヤの時間をとることができなくなっているという話も聞きます。ただワイガヤのルールは明文化されていないので都合に合わせて自由にやればいいんだろうと思います。大事なのは気軽にリラックスして仕事の話をいろんな人と話せる文化なんだろうと思います。所属する会社でもやってみたいと思いました。


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