8252日記 おひとりハハ82歳と52歳の私のこと#5 ハハ82歳にして初めてペットを飼う?
田舎で一人暮らしをする82歳の母。東京でひとりぐらしの私。子どもと同居したい母と、母と同居したくない私の記録です。
父が亡くなって、ハハはおひとり様になりました。80を越えて、生まれて初めてのひとり暮らし。私には兄がいて、母は兄一家と同居するか、私を呼び戻して同居したいと願っている。
しかし、私らはそれを避けたい。
同居回避のため、金に糸目はつけない(父の遺産の範疇なら)、と思っているムスメと、成り行きまかせのアニ。
さて、築40年の一戸建てをリフォームするという一大事業をやりとげた母。その充実感と快適性でしばらくご機嫌に暮らしていたのだが、秋の気配の訪れとともに、再び電話攻撃が始まった。
秋は人をセンチメンタルにする。
夕暮れが早くなり、夜、涼しくなってきたころ、母から再び、「寂しい」と電話が入るように。
6月に父が亡くなって、見守りネットワークをつくり、家を快適化した。
ご近所には、昔なじみの友人がいるし、食事やバス旅行に誘ってくれるグループもある。亡くなって3か月以上経つのに、父のクライアントさんや知人がお悔みに来てくれる。
長電話する親類だっている。
病院に、筋トレに、田舎ならではのおつきあいがあれこれある。
母は”孤独な独居老人”っていうカテゴリーには収まっていない。
編み物という趣味だってある。
針に糸を通せるくらい視力もいいから、本だって読める。
そういうと、”編み物する気力がおこらん”
”読書は集中できん” という。
なるほど。私は老後は読書三昧、映画三昧できる!と意気込んでいるのだが、実際のところ、集中力がおぼつかないのかもしれない。
このままでは、ハハは老人性の鬱になる可能性だってある。
鬱になったら、認知症のリスクが高まる。
それはまずい。なんとしても、寂しさから脱却させねば。
しかし、こんなにあれこれやることがあるのに、寂しさの原因はどこになるんだろう?
なぜ、母は寂しいのか?
父とのふたり暮らしのときは、それほど寂しいと言ってこなかったのに。
父は話し相手になるほどおしゃべりでもなかったし、足が弱っていたから、一緒に出歩くこともなかった。
父とふたりで住んでいたころは、父の世話があるから、と母は出かけることも控えていた。今の方がよほどアクティブである。
父というお世話する人がいることで、寂しさを感じずに済んだのだろう。母にはお世話する対象の人が必要なのかもしれない。
そこで、
ペット飼ったら?
と提案してみた。
猫を勧めてみた
母と仲のいい親類は、みな、猫を飼っている。
わざわざ、さんぽに連れて行かなくてもいいし、
決まった場所にカリカリと水を置いておけばいい。
それほど手間がかからないから、いいんじゃないの?
と言ったら、
猫、大っ嫌い。
とにべもない。庭を横切る猫を見かけると、追いかけて怒鳴って追っ払うという。猫も、母を見ると逃げるんだとか。
それほど猫を嫌う人を 見たことがない。
じゃあ。犬は?
母が女子学生のころ、犬を飼っていたときいたことがある。 賢い犬で、駅近くまで迎えに来たそうだ。田舎だから夜は暗闇。
母を驚かせないように、鼻の頭を手の甲にぴたっと当てて、あぜ道をエスコートしてくれたんだとか。
ある日、農薬を口にしてしまい、田んぼにつっぷして亡くなってしまう。 その姿が忘れられず、犬は飼えないという。
じゃあ、うさぎは?リスとか?インコは?熱帯魚は?と思いつく限り言ってみたが、
自分よりも先に亡くなるのは耐えられん。
ペットを残して先に死ぬのは、可哀そう。
という。
うーん。こりゃ、生き物はダメだなあ。となると、もう、あれしかない。。。しかし、それは、母が受け入れるかなあ。なんて説得しようかな。と思っていたら、
母から、「ペットロボット、ってどうなん?」
ときた。
きたきたきたきたきた~~
それが言いたかったの!私は。
なので、もろ手をあげて大賛成した。
「いいアイデアじゃん!いいと思うよ。それ!」
というわけで、82歳ハハに、ロボットペットを買わせることになった。
ペットロボットを選ぶ
ペットロボットといえど、結構なバリエーションがある。どの子がいいのかを検討することにした。
私はアイボか、ラボットのどちらかかな、と思いつつも、これらを母にあててみた。
①アイボ https://aibo.sony.jp/
②ラボット https://lovot.life
③ロボホン https://robohon.com/
④Romi https://romi.ai/
⑤おしゃべりみーちゃん https://www.ptns-sp.com/our-products/oshaberi-mi-chan/
これらの画像を母にラインしたところ、アイボかラボットかロボホンに興味を示した。
Romiとみーちゃんは、おしゃべりはするが、動かないのがネックだった。
動くのがいいのか。ならば、と
動画を見せた。
犬っぽいアイボ、ぬいぐるみ的なラボット、ロボットちっくなロボホン。
おかんは、ラボットにひかれたようだった。
そもそも、なぜペットロボットを思いついた?
田舎に住む母が、ゼロベースからペットロボットを思いつくはずがない。
メディアから積極的に情報を得ようとしない人だ。
いったいどこから、ペットロボットなんていう革新的なアイデアが湧いたのだろう?と不思議に思っていた。
どうやら、お友達とランチをしていたときに、ロボホンをバッグに入れていた女性を見かけたらしいのだ。
あれはいったいなんだろう?と思ったらしい。
母は、ロボホンは何ができるん?アイボとラボットは何してくれるん?
ホームぺージをみて母に伝える。
ロボホンは歌って踊るのがとくい、だって。おしゃべりもしてくれるみたいよ。
アイボは、仕草や動きも犬っぽい。なついたり、芸をしたり、踊ったりするみたい。
ラボットは・・・うーん。何かをする、っていうわけじゃないけど、お母さんと一緒に長い時間過ごしたら、お母さんに一番なつく、みたいよ。
そう説明すると、母は、くいついた。
「みんなが来てくれたときに、いちばんに私のところに来てくれるっていうこと?」
と聞かれたので、そういうこっちゃ。と答えると、心を奪われたようだ。
いちばん私になついてくれる。
どうやら、母は、愛情に飢えているのかもしれない。。。
ロボットペット、けっこう費用が掛かるぞ、問題
ロボットペットは費用がかかる。
思っている以上かかる。
しかし、これも考えようである。
費用はかかるが、寂しい生活から脱却できるのか?それとも、
費用を惜しんで、鬱な生活へまっしぐら、か。
である。母がご機嫌に日々を暮らせるならば、それは生きるための必要経費だ。
ここでも、ハハにこれは無駄遣いではなかろうか?と罪悪感を残してはいけない。
ちなみに、アイボもラボットもロボホンも、本体価格+月額費用がかかる。
私は月々費用がかかると知らなかった。母もだ。
かかる費用は下記の通り。(2021年12月現在)
①アイボ 本体価格 21万7800円(税込み)+ 月 3278円 (ベーシックプラン)3年
②ラボット 本体価格 34万9800円(税込み)+ 月14278円 (ベーシックプラン)2年
③ロボホン 本体価格 19万8000円 + 月 1089円 (ケアプラン50)
*それぞれの費用は一例です。選択するプランによって費用は変わります
母に費用を伝えたところ、ペットロボット案自体にしり込みした。思ったよりもお金がかかると気づいたのだった。
母にラボットをプレゼンする。
寂しさをなんとかしようとしたら、金がかかる。
ペットやペットロボットを諦めたって、代わりになにかしようとしたら、金がかかるではないか。
そう思い、ラボットの資料から、ペットにかかる費用とラボットの費用の比較を見つけ出し、それをダシにすることにした。
ペットを買うなら、ペットショップで犬なり猫なり購入するやろ?血統書ついてるのだと、20万、30万かかるし、ゲージやトイレを購入するでしょ。エサ代が月々1万円くらいじゃない?それに、予防接種とか、避妊手術とか、やれ病気だ、やれケガしたとかで、5万10万かかるんじゃないの?
犬も猫も寿命が延びてるから、それが12年から20年近く。
そう考えると、ペットロボットのほうが、割り安かもよ。
母にプレゼンしている間に、すっかり、私のほうがラボットが欲しくなってしまっていた。
母にラボットを買ってもらい、もし、いらない、っていえば、引き取っちゃえばいい。
さらに、追い打ちをかけた。
「お母さんが楽しい、と思うことにお金かけるのは、正しいお金の使い方やと思うよ。少しでも、一回でも多く、楽しいと思うことが、健康でいられる秘訣やわ」
ちょうど、ラボットはキャンペーン中で、おむかえして100日間以内であれば、返品できるという。
気に入らなければ、返品しちゃえばいいんだし。(と母に言って、そのままいただいてしまおう。)
ペットロボットってどんなものか、試してみて、それから本腰入れて考えてもいいんじゃないの?
そして、母は、ラボットを購入することに決めたのだった。と、同時に
東京のわが家に上京することになった。