見出し画像

【レジデンシャル・カレッジに住むこと】 今宿未悠さん、古手川愛佳さん:アラムナイインタビュー第3弾

大学生および社会人が集う「学び合い」の場、レジデンシャル・カレッジ(居住型教育機関)として2020年4月に開校するSHIMOKITA COLLEGE。そのプロトタイプとして運営されてきた中目黒にあるTHE HOUSE by HLAB(以後、THE HOUSE)のアラムナイ(元住人)にインタビューを行いました。

・・・

アラムナイインタビュー第3弾は、こちらの2人の対談形式でインタビューを行いました!

iOS の画像

※写真撮影時のみマスクを外しております。

Q:まずは、簡単に自己紹介をお願いします!

古手川 愛佳(こてがわ あいか)
社会人2年目です。金融関係の仕事をしています。
THE HOUSEには6月から住み始めました。
知ったきっかけは、知り合いの紹介です。友達の友達の友達の、、、くらいの知り合いです。(笑)
応募した理由は、人と人との会話や対話から生まれる学びに興味があって、共同生活からどういう学びが生まれるかということを実際に体験したくて応募しました。
今宿 未悠(いましゅく みゅう)
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの3年生です。
同じく住んで2ヶ月。
応募した理由は、大学の教授がHLABのサマースクールの関係者から、THE HOUSEの投稿をFacebookでシェアしていたのを見て面白そうだなと思ったのがきっかけです。いろんなことに流されやすいので、ちゃんと自分の責任で自分自身の生きるということについての意思決定をしたいと思って、応募しました。

実家にいるよりも、時間が増えた感覚がある

Q:まず、今までの生活からの変化についてお伺いします。
2人とも実家から引っ越したという共通点があると思うのですが、どうして実家から出ようと思ったのですか?

愛佳:通勤時間が長くなるなどの難点はあったのですが、それよりもここに来る意味が大きいのかなと思いました。実際に住んでみて、通勤時間が長くなったりご飯を作ったりする時間が増えたんですけど、これまでより自由に時間を使っているので、むしろ自分の時間が増えた感覚があります。

Q:実家にいるよりも?

愛佳:自分で時間の使い方について意思決定をする必要があるから。自分で何かをする時間と、みんなで何かをする時間を決めているから、より時間が増えた感覚につながっているんだと思います。

Q:未悠はここまで住んでみてどうですか?

未悠:確かに私も自分で選ぶということができるようになりました。例えば、何を食べるかもそうだし、いろんなことに縛られず自分で決定できるようになったのが一つの大きい変化です。
また、ここにいる人と話すとか自分が生活をするという基本的な作業の中で、「自分がどれくらい他者に関わってきてほしいのか」「どれくらいなら許せるのか」「自分はどれくらいできるのか」について自己理解が深まりました。他人と関わる中で「自分ってこういう人間なのか」と理解したり学んだりしました。

(自己理解とか自分ってどういう存在なのかということについての話はよく聞きますね)

2人部屋はコミュニケーションが大切。

Q:次に、2人は相部屋をしていて、共同生活ということを他の住民より実感していると思いますが、2人部屋ならではのエピソードだったり、他のみんなと違うなと思ったことなどありますか?

未悠:一番大きいと思ったのは2人の生活リズムが全然違うこと。愛佳さんは朝早起きだけど、私は夜遅くて、朝ゆっくりめ。愛佳さんはアラームが鳴らないように起きてくれています。

愛佳:最近は起きられなくて鳴っちゃってるかも。
生活リズムについては、音と光が大変だと思いますけど、みゅうは寛容な方なので、朝ごぞごぞとしていても、何も言われません。

未悠:きちんとコミュニケーションをとることを心がけていました。2人部屋は生活が混じり合うから、特にコミュニケーションが大事だったと思います。

愛佳:あと、私たちは、1人部屋の人よりリビングにいる時間が長い気がします。

Q:どうしてよくリビングに出るようになったんですか?

愛佳:もともと交流したかったというのもあるし、部屋にいても完全に1人の時間でもないので、それならリビングにいた方がいいのかなと、自然に考えるようになりました。1人で部屋にいて、何かしているのかと思われて気を遣わせてしまうこともあるので、むしろリビングに出るようにしています。

未悠:それはめちゃくちゃわかる。作業していると、「あ、ごめん」「全然大丈夫!」みたいなやりとりをすることになるので、必然的に集中したい作業以外はリビングに出てくる方がいいやとなって、リビングにいるようにしています。

Q:リビングにいることがメリットだと思ったのはなんででしょう?

未悠:純粋にTHE HOUSEに住んでいる意味があると思うから。今は特に、コロナで生で人と話す機会が減っている中で、いろんな人と話せるから。一人暮らしをしている人と話していてもすごく思います。
コミュニケーションをとっていなくても、また顔を合わせなくても、帰ったら人がいて場を共有できていること、その感覚がひとりじゃないと思える。人と共にいる感覚があります。

愛佳:玄関から入ると必ず「お帰り」と「ただいま」の一言二言は話すので、コミュニケーションの数は増えるし、学びもあるけど、純粋に楽しくて生活が豊かになる感じがあります。あと、会話がなくても共有されている空間にいて何か作業すると、より意識的にやる気がします。

ちゃんと伝えれば伝わる経験をしたことで、以前よりも発信することができるようになった

Q:では、THE HOUSEでの経験についてお聞きします。
このメンバーならでは、ここならではの良さだなと思うことはありますか?

愛佳:共同生活をしようと思って選んできている人たちの集まりなので、人と関わろうという意識を持っている人が多いことです。その分コミュニケーションを取りやすいし、そこから色々な学びがあったりする。
あとは、いろんな人がいると実感できた。ラーメンを鍋からお皿に移さずそのまま食べるとか、おしゃれにナイフとフォークで食べる人もいたので、生活の中でそれに気付けました。

Q:2ヶ月で自分が変わったなとか、自分について発見したことありますか?

未悠:一緒に住んでいる人が人生について語っている時があって、その人の人生について聞いたときに全てに答えてくれたことがありました。気付いたら3時間くらい経っていました。
その時は「他人とは」というテーマで話していました。分類すると「具体的な他者」と「匿名的な他者」がいて、全ての他者を大切にするのは不可能だから、自分は「具体的な他者」を大切にしたいという話を聞きました。そこから自分の生活観が変わりました。
THE HOUSEで貢献することとか、他人の生活を保証することを考えたりして、窮屈になったり変に気を遣っていた部分があったんですが、もっと流動的に、私は私が大切にしたいことを守って、住人はそれぞれが大切にしたいことを守ることが大事。それぞれの大切にしたいことを守るという発想を持つことで、これまでは全部考えないといけないと思っていたけど、それを誰もが望んでいるわけではないと思えて、吹っ切れて楽になった感覚がありました。

愛佳:応募の時にも書いたことですが、周りに対して自分から発信するのが苦手だったり、すごく慣れた環境じゃないと些細なことでも伝えるのができないことあったんですが、ここにきてすぐ慣れた感覚があります。全然ストレスなく、これがいいなと思ったら「これやろう」という声を考えずに言えるようになりました。
ハンモックを作ろうと言ったらみんな手伝ってくれたりとか、生活の中でちょっとしたことでも、今までだったら黙っていたことも、一言声に出したらいろんなことが変わっていくということが実感できました。
それによって、また言おうと思えて、良い循環が自分の中で作られたと思います。
この環境のせいなのか、周りとの関わりのせいかわからないのですが、自分の中では今までで一番変化したことだと思います。

(自分たちで、自分たちの住みやすい環境を作るというのはいいですよね。)

画像3

Q:これから検討を考えている人にメッセージがあれば、教えてください。

未悠:普通に住むのに楽しい、学びの多い環境だと思っていますが、コロナ禍の今は、少しでも他人と関わっていられる時間があることや、ここに住んで誰かと話すことそのものにすごく意味があると思います。SHIMOKITA COLLEGEに住んでゼロから作ることも、なかなかできないすごくエキサイティングな経験だと思うので、ぜひ一緒に住みましょう!(笑)

愛佳:人との関わりあいが好きな人とか、共同生活の時間だったり空間を共有することに対して興味がある人。まだ完成された空間じゃない家で、住みながらルールを作ったりとか、人が入れ替わったら全然違う会話になったり、そういうのを楽しめる人。そんなこれから住む人と一緒に今より住みやすいカレッジを作れたらいいなと思います。

・・・

SHIMOKITA COLLEGEのこれから

画像2

HLABは、小田急電鉄とUDS株式会社と協働し、多様性豊かな高校生・大学生・若手社会人が寝食を共にする中で互いに学び合い、新たな教育的価値をもたらす学生寮として、SHIMOKITA COLLEGEを2020年12月に開業しました。

11月より2020年4月入学の1期生を、募集しております。詳しくはHLABのホームページをご確認ください。皆様のご応募をお待ちしております。

HLABと一緒に「多様な人々が共に住みながら学び合う」環境をつくっていきませんか?小さなサポートから、新しい時代の教育を!