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ラグビーファミリーは1つ

 トンガ。南太平洋の島国。日本から遠く離れた国だが、日本のラグビーファンにとってはとても近い国だ。古くはノフォムリ、ラトゥ。近くはアマラキ・レレィ・マフィ。トンガ出身で日本代表になった選手たちが、ジャパンを支えてきたからだ。トンガ出身選手の力がなければ、2015年W杯での南アフリカに対する劇的なアップセットもなかった。

 そのトンガで、昨日、火山が噴火した。

 火山自体は無人島だったから、気に留めつつも、昨夜は15日のシャイニングアークス対スピアーズの試合の写真を整理していた。そして一部をツイッターに上げて、そろそろ寝ようかと思ったときに、津波警報が出ていることに気づいた。「これはヤバそう」と思って各種ニュースサイトを見てみたが、現地の情報が全く出て来ない。日本では津波の到達時間のこと、CNNなどでも自国への影響しか報じていない。

 しかし。

 単に通信が途絶しているだけかもしれない。けれど何が起こっているかわからない。一番不安なのは日本でプレーしているトンガ出身選手たちだろう。

 自分は夜が明ければ味スタでサンゴリアス対ヴェルブリッツの試合を観戦予定。新型コロナウイルス感染のため、16日のリーグワンディビジョン1の試合予定は味スタだけ。せめて味スタだけでも、日本のラグビーファンのトンガへの連帯を示せないだろうか。

 実は東日本大震災が起こった瞬間、仕事でヨーロッパにいた。ちょうど帰国の日だった。ニュースはBBCもCNNも怖さをあおり立てるような報道。東京のことは全く報じられない。そのときに感じた不安。フランクフルト乗りつぎの飛行機でドイツの緊急援助隊が同乗したときの心強さ。そんな経験もあるので、何かできないか、と痛切に思った。


 そこで思い出したのが、川崎フロンターレサポーターとして参加したこれ。

 そうだ。これをやろう。

 あのとき等々力をブラジル国旗が埋めたように、トンガ国旗で味スタを埋められないだろうか。

 国旗そのものには著作権はないので、ネットで探して、フォトショップで調整してJPEGで書き出し。トンガ国旗は縦横比1:2で横長なので、最初はなんとかA4に収まるようにできないか、と思ったが、国旗は変にいじるべきではないので結局そのままJPEG化した。

 まず自分のツイッターに呼びかけとJPEGデータを載せた。

 けどこれだけだと使い勝手が悪いので、セブンプリントにもアップした。

https://twitter.com/hla0048/status/1482417025054294017


 津波警報のニュースを見ながらだらだら作業したのでここまで終えて午前4時。試合に寝過ごさないようにもう寝なきゃ、と思って寝て、起きたらラグビーファンの皆さんが拡散してくれていた。

 スタジアムに着いたら多くの方がトンガ国旗のプリントアウトをもってくれている!多めにプリントアウトして周りに配っている人もいる!とてもうれしくなった。

 私も自分で準備した旗を膝の上に置いていたら、隣の女性から「今日はいつもとは違うものを掲げるんですか?」と質問された。

 そこで、「これはトンガの国旗なんですけれど、噴火があったので、トンガ出身の選手のために掲げようと言う動きがあるんです」と答えた。そして自分が余分に用意していたプリントアウトを差し上げた。その方も、入場の時とノーサイド後の挨拶の時、掲げていてくれた。

 このファンの思い、選手たちに届いたようです。


 今日、味スタや鈴鹿で参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました。

 ただ、実は15日に設定したセブンプリントの印刷期限は17日いっぱいです。なので新しく23日までの設定をしました。次節のために印刷される方は、セブンイレブンのマルチコピー機でZ7G5FB3Nを入力してください。

 本当は、いま様子がわからないのは単に通信が途絶しているだけだった、と言うことが数日でわかった、と言うのが一番いいのですけれど。

 トンガの皆さんのご無事を祈って。