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ワクチン・検査パッケージ体験記(10月12日 日本代表対オーストラリア代表)

 10月12日のサッカーワールドカップ予選日本対オーストラリア戦では、「ワクチン・検査パッケージ」の実証が行われた。

 そのために、元々は上限10000人のところ、5000人を「JFAシート」として追加され、ワクチン2回接種後2週間経過ないし72時間以内に行われた検査の陰性証明を得た者に限定して入場を認めることとなった。具体的には、二階バックスタンドがJFAシートとして割り当てられ、一階に設定された一般席とは動線も分けられ、アルコールも販売されると言うことだった。

 この試合のチケットを買うときに悩んだのはどちらにするか。自分は7月中旬に2回目の接種を終えているので検査を受けなくてもJFAシートへの入場が可能。一方、写真撮るなら1階席の方が良いことは確かだが、1階席は既に抽選販売などが行われているしスポンサーなど関係者席もあるはずなので、10000人とはいえどれくらい残っているかはわからない。

 などなどといろいろ考えたが、「ワクチン・検査パッケージ」を体験してみたいという好奇心が最終的に勝った(笑)。

 チケット販売当日、ややアクセスに苦労する時間もあったが、けっこう簡単に娘の分と2席分のJFAシートを確保。実証実験ということもあってか、大人1人4000円という格安設定。

まず認証を受け、リストバンドをもらう

 さて、当日。民間駐車場を予約して車で行き、徒歩で埼スタへ。これまで埼スタ行ったときには南北線で行ったので、やや駐車場からの道に戸惑ったがすぐにスタジアム入り口に。

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 普段はキッチンカーなどが出ている広場に入る。するとすぐにJFAシートの入り口が。

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 この段階で一般席と動線が分けられる。また、証明の確認所もワクチン接種証明とPCR検査陰性証明とで分けられる。確認ミスを避けるためだろう。自分はワクチン側に。

 手前が陰性証明、奥がワクチン。行列にならないよう、数多くのカウンターが設けられている。

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 ここで検査するのは接種証明と写真付き身分証明書。

 接種証明としては
  ①新型コロナウイルス感染症予防接種証明書
  ②新型コロナウイルスワクチン予防接種済証
  ③新型コロナワクチン接種記録書
 の3種類が使える。普通の人が持っているのは②の接種済証だろう。私もそれを持って行った。ただ、原本を持って行くと紛失が怖い。それを考慮して、コピーでも受け入れることになっている。

 ところで、私の連れは9歳娘だ。つまりまだ接種を受けていない。その場合はどうなるか。規定では、「12歳以下の方はワクチン接種、およびPCR検査は不要ですが、JFAシートをご利用される場合は保護者の同伴が必要です」とされている。つまり親がついていれば問題ない。

 ただこの点、天皇杯からは変更になるようだ。天皇杯では、等々力で行われる川崎フロンターレ対鹿島アントラーズ戦のみに「JFAシート(ワクチン接種者限定/陰性証明)」が設置されるが、規定が変わっている。

「12歳以下の方はワクチン接種、およびPCR 検査は不要ですが、JFA シートをご利用される場合は保護者の同伴が必要です。また、入場に際しては保険証等の確認をさせていただきます」となっており、太字部分が追加されているのだ。実際に保護者であることを証明する必要があると言うことだろう。この点、子連れの場合は注意が必要。

 話を埼スタに戻す。ここで接種証明の確認と、写真付き身分証明書による本人確認が済むと、リストバンドが渡される。このリストバンドが、接種証明・陰性証明を認証されたという証拠だ。

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 チケットを見せるのはリストバンドをもらってから。荷物検査を受け、バーコードでチケットを確認する。というのも、理由はわからないがJFAシートはQRコード発券ではなく、紙発券に限定されていたからだ。

スムーズに入場。しかしフード・ドリンクは長蛇の列

 それからスタジアムに入る。下の写真の青い柵の右側がJFAシートの客、左側が一般席の客。こう言う形で、動線が全く交錯しない。

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 JFAシートはこのままスロープを上がり、アッパーフロアへのエスカレーターに行く。エスカレーターに乗る前に一度リストバンドの確認がある。そしてそのまま2階席へ。

 実はけっこう混乱するのではないかと覚悟していったのだが、全く混乱なくスムーズに入場することができた。ちょっと問題があったとすれば、フード・ドリンクの行列か。

 自分たちが入場したのはキックオフ1時間15分前くらいだったが、その時点でけっこうフードの行列があった。というのも、5000人入るブロックなのに2軒でしかフード・ドリンクを売ってなかったからだ。コロナ前には何軒出していたのかは知らないのだけれど。

 1時間以上前に来て行列ができていると言うことは、待っても空くことはない。なので席に行く前に並び始め、10分ちょっと並んで夕食とドリンクを購入。二度手間にならないように多めに買っておくのは混雑時の基本。

 ビールなどアルコールも売っていたけれど、車で行ったので断念。電車で行ったらせっかくだから飲んでいたが(笑)。

 その間も行列は伸び続けていた。試合開始後、先制ゴールのあと、前半10分過ぎに娘が一度トイレに行ったのだが、そのときもまだかなり長い行列だったらしい。

 試合が始まってからも行列が残っていたと聞くと、ラグビーワールドカップの開幕戦の日本対ロシア戦を思い出す。それくらいの混雑だったと言うことだ。考えてみれば、15000人をスタジアムに入れたのは久しぶり。販売店をどれくらい出すかは運営側としても難しいところだろうから、こういうことはこれからの試合でも起こるかもしれない。

百点満点の運用だった。これから広げていってもらいたい

 「ワクチン・検査パッケージ」、埼スタはもともとワールドカップ仕様のスタジアムで、周辺の土地にも余裕があることもあって、非常にシステマチックな運用でストレスなく入場できた。

 それに、周りもワクチン接種していると思うと、なんとなく安心しながら観戦ができる。動線を完全分離してアルコールを売るのも面白い試みだと思う。

 続いて、等々力で24日のエスパルス戦と27日の天皇杯アントラーズ戦でも同じく「ワクチン・検査パッケージ」のチケットが販売されることになった。席はゴール裏一階立ち見席。

 等々力だと構造上動線の分離は不可能(動線分離するならメインスタンドないしバックスタンド全体を「ワクチン・検査パッケージ」にしなければならない)だし、周辺で使える土地も少ない。なので、それなりの行列にはなるだろうし、埼スタとはだいぶ運用が異なることになりそうだが。

 いずれにしても、せっかくワクチン接種が進んだのだから、こう言う形態が進むのはいいことだと思う。あとは声を出せるようになれば、というところだけれど、まずは観客数を増やしていくところからかな。