初めての旧盆、増えるパイナップル

沖縄本島北部の父方の実家で半月ほど一人で過ごすことになった。
今日から三日間は旧盆で、初日のことはウンケーというらしい。(ご先祖様をお迎えするという意味)
沖縄でお盆をしっかり過ごすのも初めてだった私は、那覇に住む叔母に連れて行かれるがまま、お盆の事を教わった。
叔母が仕込んだご飯や途中で買ったフルーツなどの「御馳走」を決まった形でお供えをして、ご先祖様たちをお迎えするらしい。


こんな感じで。フルーツやお菓子の盆が2つずつ?あるのが本来の形らしく、叔母が「今年は来る人が少ないから少なめだけど許してね」とご先祖様らに言っていたが、私には十分過ぎるほどあると思っていた。パイナップル2つもあるし。

それでウンケージューシー(と呼ばれるお供え用の炊き込みご飯)とかなんやらを作った叔母が用意をしてる間、私が「洗濯機使っていい?」と訊ねたら「いいよここにあるさね」と言いながら裏口の外にある洗濯機を指差した。
丁寧にも叔母が「ここに洗剤もあるし、これを入れれば」と言いながら洗濯機を開くと、空のはずの洗濯槽に黒い影が見えた。

何かと思って二人で覗き込んだら、パイナップル2つとお米が入っていた。なんでやねん。
どうやらうちが持っている畑を貸し出している人が、旧盆で使うだろうと思って厚意で入れてくれていたらしい(実家には基本人がいないので)。

だからと言って洗濯槽にパイナップルが入っているなんて初めて見た。

そしてお供えのパイナップルが4つになった。倍になっとるやがな。

そして家の近くの墓まで車で行った。墓参りをする事でご先祖様たちを家まで呼ぶらしい。

沖縄の墓は巨大である。小さい城のようで私は結構好き。初めて見た時はテンション上がった。今でも割とテンション上がる。デカいから。

叔母が「本当ならここで線香上げてから歩いて家まで帰るんだけどね。まあもうみんな(ご先祖)分かるだろうし、車の後ろにしがみついて来てもらうさね」と言って、車で帰った。ご先祖たち無事に着いてこれてるかな。

それからご先祖様たちを迎え入れた後は近所の親戚たちにご飯のお裾分けと、私が持ってきたお土産を配った。みんなおじいちゃんで嬉しそうだったからよかった。
近所から家まで帰っている途中、畑仕事をしているおばあちゃんが居て「あんたたちサトウキビいるさね?」と言ってきた。

「ウンケーでキビ使うじゃろ?しかもこのキビは食べれるキビやから叩いて食べたら美味しいさ」
そう言って立派なサトウキビを2本貰った。
お供えの中にはサトウキビもあって、「ご馳走」担ぐ棒としての役割があるらしい。

サトウキビも4本になっちゃった。(奥に買ったサトウキビが両脇に立てかけてある)

それから近くのコンビニ行って帰ってきたら、さっきご飯をお裾分けしたおじいちゃんが家の前に立ってた。
「どうしたの?」と声をかけたらその手にはパイナップルが。さっきのお礼としてパイナップルのお返しを貰った。いやパイナップル5つになっとるやがな。

そんなこんなでちゃんと旧盆を過ごしたのは初めてだった。意外と楽しいかも。
叔母は、那覇に構えているお店の関係で帰っていったから、私はこの父の実家で一人過ごすことに。
明日はお盆の中日で、おやつにぜんざいをお供えするのが決まってるらしい。
明後日お盆の最終日はウークイと言って、ご先祖様を送り出す。私は朝にハイビスカスを摘みに行って、お花を飾るというミッションがある。可愛いでしょ。

沖縄半月生活も始まったばかりだけど、私はパイナップルには困らなさそうである。ご先祖様たちとたらふく食べねばならぬらしい。頑張ろうな。

今日はおわり、おやすみなさい🍍🍍🍍🍍🍍

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