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自然の中に生きるとは 後編

自然環境リテラシー学 Yグループ 12/27.28 古里海岸

これは後編なのでまだ全編読んでない人は是非先に前編を!笑
山の回の実習を終えた僕たちは紀伊長島駅へ到着後、夕飯を食べて漁港へ。一晩釣りをしてこすつもりだったが、途中吹雪いてきて寒さに耐えきれず、三人で雪と寒さを凌いでなんとかやり過ごした。ちなみに釣果はカマスと小さいカサゴのみ。笑
まあ人生初のカマスだったので数は気にしない。

僕たちはなんとか夜を越え、朝方には海の回の舞台、古里海岸へ到着。雪の影響で電車が止まる可能性があったため、今回は午後からの実習となっており、一日目はカヤックには乗らない計画に変更された。それまでに温泉に入ったり昼食を食べたりして疲れを癒し、先生や他の受講生を待った。
14:00ごろにスタッフと合流することができた時は本当にホッとした。そこからはテント設営などのお手伝いをし、15:30に受講生と合流。僕にとって今年度最後の実習、海の回が始まった。
まずはテントの設営。やったばかりだったのでかなり早く設営することができた。


その後は柴田さんのカヤックツーリングの経験のお話を聞かせていただいた。柴田さんはカヤックツーリングのガイドをしている方で、レジェンドと呼ばれている。今回は柴田さんのカヤックでのアリューシャン列島横断のお話を聞かせていただいた。食料や防寒対策はもちろん、一日にどれくらい漕げるかは天気や波次第で、寝床は毎日探さなければならない。その上、潮の干満や落石などの危険も考慮する必要がある。今まで僕が自然環境リテラシー学で学んだすべてのことをより高いレベルでこなさなければいけない。とても大変だが、そうしないと見れない・できない体験があると分かっている。柴田さんがシャチを見ることができるとおっしゃっていて、僕はシャチにとても興味があったため、「シャチが自ら近づいてくることはありますか?」と聞いたら「ある」とおっしゃっており、すごいなぁと思っていたら「でもそれは獲物かどうか確認しているんだよ」と言われ、少々ゾッとした。笑


そして夕食。
支給された食料に加え、自分が釣ったカマスを焼いた。「めちゃくちゃ美味しかった!」と言いたいところだが、身は淡白で思ったよりは…という感じ。やはりカマスは干した方が美味い。
その後はたくさんの人と火を囲みながら雑談。山の回でも思った事だが、火のあるところに人は集まる。火は偉大だ。笑
今回はテント泊。足先は少々冷えたがぐっすり眠ることができた。

2日目
始まる前は長い四日間だと思っていたらもう最終日。なんてことを考えながらテントを片付けた。これもすっかり慣れたものだ。
朝食やブリーフィングを終えていざ出廷。
と、ここで事件が。出廷する際に友人のパドルが僕の顔面に激突。先輩にはやんちゃ坊主みたいだねと笑われましたが、皆さん、気をつけましょう。周囲の安全確認大事ですよ。と今日運転免許をとった僕が申しております。笑


初めて漕ぐこの海は波の侵食を受けた岩肌や、洞窟を見ることができ、やはりカヤックに乗ってて良かったと改めて思った。
しかし、今回新たな困難もあった。「風向き」だ。陸から海へ吹く風が危険だということはわかっていたが、今回は進行方向との関係だ。向かい風が厳しいと思うことはあっても追い風が危険だとは思っていなかったが、追い風が強いとバランスを崩しやすくとても危険なのだ。
また、お昼ご飯を食べるために浜に上がった時、体がとても冷えているのを感じた。特に足や手の末端はとても冷たく、漕いでいる時は夢中になるためそうした体の変化に気づきにくいと感じた。

そして帰りにももう一難。カヤックを漕いでいたらものすごい突風が吹いてきたのだ。今までのどんな風よりも強く、一生懸命漕いでも風に押されてしまった。緊急事態ということで近くの浜に上がり、古里海岸まで40分、歩いて帰るか、風の中をカヤックで帰るかの選択を迫られた。僕はどうせやるなら最後までということでカヤックを選択。そうしたら風はほとんど止んでおり、ものすごく簡単に帰れたのはここだけの秘密だ。笑

そんなこんなでカヤックや荷物の片付けを終え、怒涛の4日間と共に僕の今年度の自然環境リテラシー学が終了した。

僕がこの自然環境リテラシー学の実習を通して学んだ一番大きなことは、「些細な変化を感じ取る」ことの重要性である。自然の中では「環境」の些細な変化を感じ取って危険を回避し、人生においては「心」の些細な変化を感じ取ってより人生を豊かにする。そもそもこの実習に参加したのはやってみたいと思ったから、今回野宿したのもやってみたいと思ったから。そしてやってみたいと思ったからこそ、どのような危険があり、それにはどう対処するかを考え、仲間と話し合い、臨機応変に対応し、乗り越え、楽しむことができた。
ちょっと「やってみたい」と思い、それを行動に移すことでより学び、楽しむことができたのだ。
自分の中のちょっとした「やってみたい」「面白そう」という気持ちを感じ取り、やってみると想像を超える体験ができるかもしれない。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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