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古稀祝いと東京五輪開会式雑感

●風英堂文月記=古稀祝いと東京五輪開会式雑感

7月23日の古稀を、皆様方からのお祝いの言葉を沢山頂いたが、深く感謝。晩餐はニコラフィアットのシャンパンとフルーツ、シンプルに塩胡椒の牛肉ステーキと日本帰国後余りの値段の高さに手が出なかったチーズの盛り合わせ、赤ワインは近所のスーパーで1000円程度ながら、バランスの良い美味さピノノワールを呑んでいた。

「風英堂のカステラ、香高堂の辛口」と言う秀逸なコメントが印象的だった。言葉は「人を喜ばせる狂喜」になり、「人を傷つける凶器」にもなる怖いものである。だが、辛口の香高堂は毒舌を吐き出しておかないと、病身の我が身に悪いのでお付き合いいただきたい。
さて、午後8時、至って素直な気持ちで五輪玉の開会式の映像を見始めた。元イベントプロデューサーとしては突っ込みどころ満載で、まさに「ふわふわ、とろとろ、ばちばち」の現代の日本人気質が出ていたと思えた。

①天皇の開会宣言の全文は「私はここに、第32回近代オリンピアードを記念する東京大会の開会を宣言します。」、見事な程短いものであった。宮内庁長官の官邸への抵抗力であろうが、称賛に値する。TV映像にも映っていたが、慌てて立ち上がったスガノザウルスは内容を知っていたせいだろうが、国際儀礼にも反する行為だ。ちなみに天皇は13秒、橋本聖子は6分半、ハッハは何と13分掛ったらしい。

②あの空に浮かぶ球体は「ドローン」だったのか。見事な操作技術であると思うが、あれが演出のメインになれば、無機質で空っぽな演出にならずに済んだのに。ただ、ドローンは今や「戦争兵器」であることを忘れてはならない。

③あまり中継アナウンスを聞いていなかったので、「聖火台は富士山」だったと知ったのは翌日だ。白い階段の上に玉ねぎを切ったイスラム教のモスクが置かれていると思った。ならば、その点火は「イスラムへの爆破テロ」か「富士山大爆発」を予感させるものだったのは我が妄想である。

④出番がなかった公式マスコットキャラクター「開会式出たかったな...」と切ない表情を浮かべたツイートが話題になっていた。<ミライトワ(Miraitowa)>と<ソメイティ(Someity)>はデジタル世界に住み、仮想世界と現実世界との間を自由に行き来するらしい。日本のデジタル技術の停滞を暗示しているかのようだ。

⑤ブルーインパルスばかり話題になるが、5色の「カラースモーク」が風に流されたり雲にかかったりして、シンボルマークは見えなかった。だが、飛行する様子に人々は歓声を上げ、メディアでは「感動した」「元気をもらった」などと反応するのはよく分からない。病院上空を爆音で飛行するのは医療関係者や周辺住民に迷惑であり、医療機関などに経済的支援を手厚くしたほうが敬意と感謝を示せるとおもうのだが。ここにも無邪気な国民がいる。

⑥音楽で言えば、ミーシャの国歌斉唱は下手過ぎて論外、ジョンレノンやオノヨーコが聞いたら嘆く様な「イマジン」の使われ方だった。ゲーム音楽世代でも無いし、個人的に全くやらないから価値は分からない。何せアニメソングが皆同じ曲に聞こえるのだから。森山未來はパフォーマンスダンサーだったのか。若い時からパフォーマーは観てきたし、友人もいるが、どうしてもその表現するものを考え込んでしまうので、頭が疲れる。途中の寸劇なども演出があまりに寒むすぎた。

よく言えばニュートラルな中間色のイメージで、スピーチ長すぎ、印象的なシーンがなく間延び感ばかり、そんな印象ばかりが目立ったああ、書き継いでいるとどんどん長くなるので、この辺で止めておこう。

7月24日朝8時頃、12時間後の下町上空には暗い雲がかかり、30分ほどパラリパラリと雨が落ちた。まるでコロナ禍で苦しんでいる人々の涙雨のようだった。

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