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蓮水の「コトダマ」絵画世界

旅空香高堂=蓮水の「コトダマ」絵画世界
「パパバナナ」こと吉本隆明は「孤独な時間こそが人の価値を高める」と書いていた。この1年以上に渡る自粛期間に、生活ばかりに目を向け、文化を見ることや為すことも出来ず、「何を考えて、動いているのか」と自己を問い直している。

4月12日、我が娘(のような)の蓮水の作品を見るために、銀座のギャラリー上田に向かった。主婦業と子育てをやりながら、どんな作品を描いていたのか、楽しみだった。上田君からは「蓮水さんの作品、まだ展覧会前ですが、お客さまから問い合わせがあり売約になりました」と知らせがあった。今までと違う、かなり躍動感があり、ダイナミックな作品が多くなっていたが、他者とのコラボがまだ固まっていない作風に刺激をあたえたようだ。蓮水の描いた「わ」がギャラリー内に大きく輝いていた。

◆蓮水展 -コトダマの色
会期=2021/4/12(月)-5/1(土) 11:30-18:30 日曜祝日休廊
場所=ギャラリー上田 104-0061 東京都中央区銀座6-4-7いらか銀座ビル8F
「墨×箔×樹脂の世界」
水墨画に箔、ネイルアート樹脂をコラージュする鮮やかな表現が人気の女流アーティスト、蓮水(れんすい)の新作展を開催致します。他者との繋がりの輪、丸い地球、和の心…様々な思いと願いを込めた『わ』がテーマの平面、生活に取り入れられるランプシェード、さらに残布を出さない伝統技術による和裁と天然染料のシルクのファッションブランド、 WHITE PIGEON https://www.white-pigeon.net とのコラボ作品も初発表します。
PJ Arts Tokyo https://pjarts.tokyoにて一部先行公開中◆

そして、今日蓮水はFBでこう書き記してきた。「個展が無事スタートいたしました。こちらのKOUJIとのコラボ作品をギャラリーに展示をしたら、奇跡が起きました。鏡の中に反対側に飾っていた作品の「わ」が映り、円相から言葉が飛び出しているように見えます。また床に反射した鏡の中に逆さ富士が出現しました。まるで水面に映っているかのよう。コラボの龍のシルクオーガンジー、これまた壁に龍が映し出されて幻想的になっています。ギャラリーが完全にパワースポットになりました」


このようなパワーはどこから生まれてくるのであろうか。普遍や不変と思える価値観を持つことは、料理と同じで「混濁でない味の質」を生み出す。強い意思と意志、志と矜持、想いと思いを持ち、真っ直ぐに立っているのであろう。ギャラリー上田の上田君も同質の眼差しを持っている。

ところで、コトダマは「言霊」「言魂」とも書くが、言葉に宿る霊的な力のことだ。作家の山本七平や井沢元彦は、言葉に呪術的要素を認める「言霊の思想」は言論の自由を侵す危険なものとしている。第二次世界大戦中に「日本が負ける」と口にした人物は叩かれたが、現代も「議論してはならない」という圧力が数多く見られる、特に今の官邸政治は自由な言論を圧迫する。

蓮水から「コトダマ」をもっと知りたいと言われたが、スピリチュアルな観点から「言霊は何か」と言う議論は無用で、惑わされてはいけない。そこで本当に知るなら、折口信夫を読んでみたらと伝えた。国文学者、民俗学者、詩人としての折口信夫は歌人としての名は「釈迢空」、古代研究に基を置き、国文学、民俗学に捉われることなく学問研究を続けた。言霊の本質に近づくなら、最適と言えよう。

東京の空も綺麗になって来たが、3年住んだバルカン半島ボスニアの自然の空気感は墨絵の世界にも通じる。南仏プロヴァンスの光彩や色彩も蓮水には感じて描いて欲しい。そして、プロヴァンスからパリへの路筋づくりになれば良いと秘かな願いがある。
◆蓮水略歴
水墨画に金箔やネイルアート樹脂をコラージュし色彩豊かに描く女流現代アーティスト。幼少より書を学び、青山学院大学理工学部卒業後、書道家武田双雲に師事し師範取得。後に水墨画家小林東雲、書道家武田双龍に師事。各地で個展を開催する一方、店舗や邸宅の空間をデザイン。また、音楽活劇「SHIRANAMI」(早乙女太一主演)の題字、東京マラソン2018のアートワークを手掛けるなど活躍の場を広げている。
ギャラリー上田〒104-0061 東京都中央区銀座6-4-7 いらか銀座ビル8F 
Tel: 03-3574-7553  URL: http://gallery-ueda.com/

蓮水は今週金曜日に、恵比寿の呉服屋、小袖屋泰庵(こそでやたいあん)にてワークショップを開くようだ。蓮水と一緒に作品を作ってみる機会である。
■ミニ色紙に墨、箔、布、ネイルアート樹脂で自分だけのアート作品が簡単に作れます。手ぶらで参加可能です。ご自宅にある残布のご持参も大歓迎!
日程=4/16(金) 11時~、13時30分~ (各回60分)
場所=小袖屋泰庵 〒150-0021 渋谷区恵比寿西1-10-14 ランドコム恵比寿代官山 1階
料金=3000円 (会場の布を使用する場合+2000円)
定員=各回7名お申込は小袖屋泰庵 小袖屋泰庵 03-6712-7760
https://www.instagram.com/kosodeyataian まで。

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