見出し画像

葉月記=電子出版の先駆者萩野正昭氏

●風英堂葉月記=電子出版の萩野正昭氏

コンピュータ社会を考えるのに、未だに<リアルとサイバー>と言う言葉が思い出される。90年代から多くのデジタル人材と知り合った。出版分野の先駆者になったのは萩野正昭氏である。その萩野氏からメッセージを頂いた。URLにアクセスして欲しいが、縦書きであり、実際に本を読んでいる感覚に陥ることは確かだ。私も書き溜めた原稿をデジタル出版から始めようかと考える。

『2000年10月に発行された季刊「本とコンピュータ」誌に掲載された私の文章です。ずっと昔の文章を〝最新のWeb出版ツール〟で公開しました。題字デザインは平野甲賀さんです。今年亡くなられてしまいました。この題字だけでも見ていただきたいものです。どうかこの21年を振り返り、今の私たちを考える一助にしていただければと思います。URLをクリックで本が開きます。』  https://r.binb.jp/epm/e1_197619_31072021131526/

❖1946年東京都生まれ。早稲田大学法学部卒。1969年港湾建設会社に就職、埋立造成工事に従事。1970年から東映教育映画部で契約演出職として働く。1981年レーザーディスク企画制作、1990年パイオニアLDC取締役映画製作部長として映画のビジネス展開に従事。
1992年ボイジャー・ジャパンを設立。デジタル出版事業を開始。2013年ボイジャー代表取締役を退任、現在は取締役。著書に『電子書籍奮戦記』(新潮社)、『本は、これから』(岩波新書共著)『木で軍艦をつくった男』(ボイジャー)などがある。❖

ところで、30年以上前からの「デジタル事始め」を書きだしたら切りがないが、私のデジタル分野への取り組みは坂村健氏の<トロンコンピューター>に始まった。80年代からニッポン放送の先輩、西尾安裕氏と営業企画で進めてきたものだ。私は1989年に報道部に左遷されたが、<NEC98>を使った気象パソコンがあり、そこにデータベース検索用に<MACパソコン>を導入した。人物と日経新聞記事のデータベース検索を報道原稿に活かす試みだった。

西尾氏はイベント事業部に移り<マックエキスポ>を立ち上げ、森ビルなどのサポートもあり、多くの人材を育ててきた。<コンパック>の協力によるデジコンサロンを始めた。この90年代のデジタル創世記に多くの人材が関わってきた。私もその後、ニッポン放送の<社内LAN>を立ち上げたり、<WEBカメラシステム>など映像技術にも協力をしてきた。ただ、デジタル技術の開発にはお金がかかる。90年代後半からベンチャー企業が出てきたが、投資だけを目的とするホリエモンなどが頭角することになる。騙して買収する詐欺まがいの投資行為がその後横行していく。

2020年代に入り、文字で読む出版本は減り、アニメ、マンガ本が席巻している。電車の中で、スマホで画像や映像を見入る行為が進んでいる。今後どの世界に進むかは不明だが、デジタルシステムは基本「0と1」の組み合わせであり、演算速度が全てを握っている。この事を知っていれば、その方向性は見えてくる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?