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妹背との語らいと人生の出汁

●風英堂霜月記=妹背との語らいと人生の出汁

11月10日夜、約8年ぶりになるだろうか、二人の女性と語らいのひと時を過ごした。その時に「妹背(いもせ)」と言う言葉が浮かんできた。「妹兄」とも書かれるが、平安時代は兄と妹、姉と弟の意味で使われたが、中世後半以降はもっぱら夫婦の仲を表すようになった。歌舞伎の演目にもあり、現代では「背の君」などという言葉を使われる。

この二人は心で分かりあえる「妹背」だが、一人は「妹なの? 娘ではないのか!」と口を尖らした。建築家であり、植物デザイナーの吉田美帆、一般家庭や企業の「庭の園芸プロデュース」に活躍している。もう一人は園田あけみでイラストレーター、主婦子育てをしながらアート活動、家庭内介助をしながらミニチュアアーティスト、そして半歩先の新しいアート世界へ踏み出したようだ。

この日は、海外生活でなかなか行けなかったが、赤坂で園田あけみ<個展・実り>が始まっていた。個展の案内で「新しい挑みに向けて一年ほど前から少しずつ準備を進めて参りました。思うように動けなかったこの一年半に改めて感じたことをこれからの作品に込めていきたいとの願いから、今回は初めてテーマに基づいた展示となりました。」と語る。独自なミニチュア世界が立体感を持って動きだした。

夕方にギャラリーで美帆と待ち合わせ、園田あけみも合流して近くのお洒落な焼き鳥屋で軽く一杯となったが、私には久しぶりの外出、外食となった。二人共数十年生きてきた、培ってきた「人生の出汁」にコクが加わり、味わいが出てきているようだ。もう「ひと山、ひと濾し」あるかもしれないが、必ず乗り越えて行ける、あなた方の向いている方向は間違っていない。何故なら、今の私がこの雑談で、「笑顔と勇気」を感じることが出来たからだ。

私の説法は「人様の話を聞きなさい」、まず聞いてから言っても遅くない、仕事でも家庭でも自己主張を一旦納める。「視線を相手に合わせる」こと、その後の眼差しは上下左右の自在に動かせる。そうすると、もう一つ先を見ることの余裕を持てるようになるからだ。

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