祈り

とても悲しかった帰り道
木漏れ日を避けるみたいに

ダチュラの香りにまどろんで
アンチテーゼを無くした体

消える声、漏れ出る空気
口をぱくぱくさせていて
夜だって乾いて死んでいく

私は形而上学を捨てたんだから

猫は目を閉じてスヤスヤ
亀は私を睨んでいる
お前のせいだと言わんばかりに

消える私が私の友達が私のしたことが
何もかも消えてしまえばいいと
そう思うものの手は動かずに

包丁だけが目の前に転がっていて
足を踏み出すこともできずに
家のなかなのに、ずっと逃げていて

逃げて逃げて逃げていて
夢で大空が口を開けて待っていた

火事の街中嘘を垂れ流すこの広さを
私はどうすればいいのでしょう、わからないけど

カルテみてこれは重篤ですね
言った私にそれって当たり前のことですよねと

あなたは言っていたけれど

もう何を言いたいのかわからないけれど
私はそれでもあなたが好きで好きで仕方ないけれど
あなた待っていてもなんの意味もなく
私があなたの家に来ないならそれはもう私じゃなくて
あなたにもきっと迷惑なのだろうなって
さようなら愛しいあなた
こんにちは古着屋のわたし

もう5-6人アルターエゴを殺せばいいのだねって

私はそんなことを思わないってとってもとってもとってもとってもとってもとってもとってもとっても悲しくて私は何をしたいのだって灰色の思い出

に生まれてくるテクノトランスの中
私の思いは溶けてしまってハウスの中ゆっくり発酵させられた
そんなお前はどんな味がするのだろうて思いながら今日も私はぬか床回すんです

これがあなたに本当であればいいなって祈って。
祈るって、誰に?

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