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【イチローと大谷翔平】記録以上の価値

それまでの記録を塗り替え、偉大な記録を達成することは、それまでの記録を持っていた人物が必ず取り上げられる。

イチローや大谷は数々の記録を打ち立ててきたが、彼らがとんでもない記録を残したときに取り上げられたのはそれぞれ、ジョージ・シスラーとベーブ・ルースである。

ガチの野球ファン(特にMLB)であれば、または彼らを実際に見た人(現代にどれくらい残っているかわからないが)であれば、ベーブ・ルースは当然、ジョージ・シスラーも知っているだろうが、一般的な野球ファンはベーブ・ルースの名前こそ知っているかもしれないが、実際に何を成し遂げた人なのかを、大谷翔平が現れるまで知らなかっただろうと思う。

野球の神様と言われるベーブ・ルースでさえその程度なので、ジョージ・シスラーに関して言えば、その知名度は少なくとも日本ではほとんどのファンが知らなかったのではないだろうか。

※ジョージ・シスラーを知らない方のために
メジャーリーグでヒットを量産し、数少ない四割打者であり、2004年にシアトル・マリナーズのイチローに抜かれるまで、シーズン257安打のMLB記録を84年間保持していた人物である。
数々の打撃タイトルを獲得し「球聖」とも言われているタイ・カッブは「最も完璧に近い野球選手」と評価している。
その活躍の割にイチローが記録に迫るまで知られていなかったのは、シスラーが記録を作った1920年にベーブ・ルースがそれまでの年間本塁打記録を大幅に更新(54本)し、MLBが長い間パワーの時代となったきっかけの年だったからである。以上Wikipediaより。

そして、そのジョージ・シスラーを現代に蘇らせたのがイチローであった。シスラーが亡くなった7か月後にイチローが生まれたのも偶然ではないかもしれない。記録を更新した試合では、シスラーの孫娘さんが観戦していたことはファンなら知っていることだろう。

大谷翔平の活躍については私が言うまでもないが、彼に関しては歴史を塗り替えるどころか歴史そのものになろうとしているレベルの人物である。
彼がベーブ・ルースを蘇らせたというと本人にもMLBファンにも失礼だが、多くの日本のファンにとっては、過去の偉人が刻まれたことは間違いない。

偉大な記録というのは、たとえそれが更新されなくても、その記録に近づくだけで過去の偉大な選手が紹介され、新たに記憶に刻まれることとなる。

そういう意味で彼らの記録は「記録以上の価値がある」のだ。

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