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某ドレスメーカーが社交ダンスから撤退して考えたこと

なんていうか、なんとなくだけどあー、そうなるよねーって思ってました。元々、撤退の噂はあったし、企業自体、社交ダンス専門のお店ではないから撤退するのもわかる。それに、そのほかにもいくつか思い当たる節が多くある。

スタンダードドレス、いつも思うんだけど、国内メーカーのドレス(全部が全部そうじゃないけど)シルエットがちょいダサが多すぎない?何この背中のカット?(普通にめっちゃ痩せてる人以外太って見える)なぞに等間隔まばらに貼られた石!(しかもモチーフレースはガン無視)あと、謎の位置から始まるスカート(胴長に見える)

選ばれない理由は型が古くてシルエットが悪く見えるからだよね。ちなみにラテンドレスは国内デザインでもいいものが多い印象がある(とはいえ海外のドレスめっちゃかっこいいけどね)

若い選手(特に学連)たちは、シルエットがスタイリッシュで、スカートもボリュームは少ない感じのドレスを選ぶ。DLKとかEMとか。それが流行だから。国内メーカーの出すドレスと、若い選手たちが求めてるドレスのイメージは、だいぶ離れていると思う。

そして国内メーカーのドレスの価格がものすごく高い。特に撤退した企業のドレスの価格設定は30〜70万とか、相当な値段である。誰が買うの?みたいな価格設定で、若い選手が頑張ってダンスやっててその過程でドレスを買う…?その価格設定、マ…?としか言いようがない。実家が太くてドレス代全部出してくれるならまだしも、学生じゃ自分でバイト頑張ってダンスやってることが多いから、その値段のドレスを安安と買えるわけがない…と思う。

それに比べて、DLKやEMのドレスは、だいたいは海外選手が一度着用した中古品(とはいえ美品)のドレスを買うことが多い。本当に安ければ10万〜高くても25万程度のことが多い。流行の最先端だし、おまけにシルエットが綺麗に見えるので、学生たちは飛びつく。実際、学連で評価される選手たちはそういった流行を押さえていることが多いと思う。ファイナルとか見てると特に笑

なぜ国内メーカーは、型の古く流行でもないドレスを、ものすごい価格で売っているのか?ということだけれど、結局は客層をマダムや教室を持つ国内プロに絞っているからだと思う。学生たちが眼中にないわけじゃないけど、まあついでに買ってくれたらいいかなというレベルの認識だからだと思う。

とはいえマダムたちがポンポンドレス買っていれば、某メーカーが撤退することもなかったわけで。実際わたしが思うよりも、今のマダムたちはお金持ってないんだと思う。まえ、ダンスバイト(される側)に行った時にそれは思った。高くて綺麗なドレス着て、かっこいいプロの先生とデモやるんじゃなくて、そこそこのパーティドレス着て、若い男の子のアテンダントと踊ったりするのが楽しいのかもしれないなって。人それぞれだけど、お金との兼ね合いで楽しむちょうどいいラインがどんどん下がってきてるんだと思う。高いドレスを着ないと楽しめない、っていうのはもう古いんだろうな。

それに、個人的見解だけど、最近は25〜35歳ぐらいのヤングサークルや学連卒の、ダンス趣味でゆるっとやってて、たまにサークル戦出たいからドレス買う、みたいな人たちが今だいぶキてる。(自分がその年代になったからというのもあるけど)社会人だからそこそこドレスにお金かけれて、ラテンもモダンも踊る人たち。そういう人向けの価格設定(15〜30万ぐらい)のねらいで、ドレス自体も2〜3年前の流行ぐらいまで押さえていれば、ドレスはよく売れると思う。実際セミオーダードレスとかはそういうイメージあるけど、試合会場でドレスがかぶったら死にそうだもんね。絶対やだ。

国内ドレスメーカーさんたちは、皮肉だけれどいつまでもバブル時代を引きずったマダムたちを追いかけるのではなくて、若い世代のダンサーたちに客層を向けてドレスを考えるのが状況打開の一つなんじゃないかなと思う。

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