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【香港島の書店】打書釘@銅鑼湾

「打書釘」は中国語で「立ち読み」のこと。そんな名前の図書館兼本屋さんがあると聞き、行ってきました。以前紹介した貳參書房のSherryさんが、書店を立ち上げる際、参考にしたという書店です。

香港島の繁華街・銅鑼灣(コーズウェイベイ)。なかでも多くの人で賑わうショッピングモール・ハイサンプレイスの裏通りの唐楼に、「打書釘」は入居しています。唐楼とは築50年以上の低層のビルのことで、もちろんエレベーターもありません。ビルの入り口には、小さな看板が出ていました。

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写真1枚目:写真中央の白いビルに「打書釘」が入居/写真2枚目:ビルの入り口。時々、ビルの前に露店が出てる時もあり、見つけにくいことも

階段を登り4階に着くと、フロアの左側が「打書釘」のスペース。中は驚くほど静かで、銅鑼湾の喧騒が遥か遠くに感じられます(住所表示は3階ですが、香港ではイギリス式に1階はGFとなるため、実質4階となります)。

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打書釘前の階段。壁にはこれまで開催したイベントのポスターなどが貼られています。かっこいい〜!(ここ1年ほどは、コロナの影響で、講座は行われていません)。下記のHPでは、打書釘で開催された講座、新書発表会、座談会の様子が見られます。

さて、配架してある本を見てまわると、ジェンダー研究、文化研究、都市研究、香港研究、文学、哲学、映画などなど。年代ものの貴重本や学術書から比較的新しいものまで、各分野充実していました。聞けば、打書釘の蔵書は、地元香港の退職した6人の教授たちから寄贈されたコレクションだとか。この本の品揃え、納得です!まさに図書館や閲覧室のよう!店名の「打書釘(立ち読み)」と言う言葉がぴったりですね。

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上記の香港01記事によれば、「打書釘」は、香港大学比較文学系の司徒薇准教授が所有する書籍を一般公開するために、私設図書館的な場所を開こうとしたことがきっかけ。司徒准教授が2016年に仏門に入るため退職する際に、教え子グループが思いを受け継ぎ、準備に2年以上の歳月を費やして、2019年初めに「打書釘」をオープンさせたそうです。現在は、司徒准教授の書籍に、他の教授たちの書籍も加わっているので、かなりの蔵書量となっています。懸念材料だった家賃問題ですが、私設図書館設立に賛同してくれるテナントオーナーが見つかり、部屋を市価より安く借りることができたそう。また店内の本棚やテーブル類も有志からの寄贈品だとか。さらに運営スタッフは学生ボランティア。「打書釘」は人々の“善意”や”思い”が詰まった場所でした。

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窓側にあった小さな書籍販売コーナー。香港で出版された新書が多い。

なお「打書釘」での閲覧は会員制となっています。以前は会員でなくても中を見学させてくれたのですが、先日久しぶりに訪ねてみると・・・スタッフいわく、現在(2021年5月)はコロナのこともあり、一般開放はしていないとのことでした。不特定の来場者と密を避けるため、会員限定&事前予約制にしているのだとか。Facebookのメッセージで会員申請をしてくれればOKだそうです。会費は300香港ドル、退会時は300ドルを払い戻しあり!

打書釘 Nose in the Books
銅鑼灣恩平道54號3/F
https://www.facebook.com/NoseInTheBooks/?ref=page_internal





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