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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #13

新年最初のホームゲーム、相手はしながわシティバスケットボールクラブ。山口と同じく今シーズンよりB3リーグに参入した総合型スポーツクラブである。ただ、ここまでは2勝22敗と結果を見れば苦しいシーズンになってしまっている。

互いに、およそ残り半分のシーズンに向けて弾みをつけたいという連戦になるだろう。


GAME1
山口76-75しながわ
(20-18,14-13,24-20,18-24)

-ディフェンスでの仕掛けから一進一退の攻防

GAME1のスターティング5、山口は64.井手、0.山田、11.山口、12.サンプソン、7.エヴァンスをチョイス。連敗中ということもあってかメンバーを入れ替えてきた形だ。品川は47.平良、8.枡田、6.尾形、23.アブ、50.ベインの5名となった。

まず最初にリードを奪ったのは品川、山口にディフェンスからの仕掛けを受けるものの、ギリギリのところで回避して得点を挙げていた。47.平良や6.尾形のスリーが決まり5-8と前へ出る入り。しかし、そこからは山口がリードを奪い返した。立ち上がりがらゾーンとマンツーマンの併用でディフェンスから仕掛けると、オフェンスでも品川の2-3ゾーン主体のディフェンスに対してペイントタッチからの展開ができていた。良い形でオフェンスが終えられることで相手のファストブレイクを少なくすることにも成功し、トランジションで上回っていた印象であった。7.エヴァンスが8得点、12.サンプソンが7得点と取るべき人が得点を取る形を作り、20-18とリードを奪った1Qとなった。

2Qの入りは山口が走る展開。ターンオーバーを誘発するダブルチームの仕掛けからファストブレイクを繰り出しフリースローで得点を重ねた。また、ゾーンの間で7.エヴァンスが受け、大外で待つ11.山口にパスを出しアウトサイドシュートを彼が沈めるというセットオフェンスも飛び出した。その後、特にオフィシャルタイムアウト明けは互いに決め手を欠いた印象だった。相手のディフェンスを崩してもシュートが決まらなかったり、ターンオーバーが出てしまったりで流れを掴みきれない時間が続いたように思う。その中で、品川はピックアンドロールを使いながらフリーの選手にスリーを打たせるプレーを何度か見せた。0.関口や47.平良が決めたスリーは後半に向けてのヒントになるだろう。山口はファストブレイクとゾーンオフェンスはある程度うまくいっていたように思う。試合は34-31で後半へ向かうこととなった。


-残り1秒まで分からないバスケットの醍醐味

3Qの出だしは品川、6.尾形のハンドリングから23.アブと47.平良が決めて逆転に成功。山口はゴール下のシュートが立て続けに外れ嫌な流れになりかけたが、7.エヴァンスの左フックで断ち切ると、0.山田が3連続でスリーポイントシュートを沈めリードを広げた。その後は互いにターンオーバーを出しながらも山口が押し気味に進めた。一時は山口が11点差まで広げたが、終盤にかけての時間は品川がフリースローで繋ぎ再度点差を詰めた。3Q最後のプレーで今季初出場となった5.ミッターのブザービーター(レイアップ)が決まり、山口が58-51とした。

4Qは山口が連続ターンオーバーで入ってしまい流れが品川に山口はターンオーバーとアウトサイドでの軽いシュートからリバウンドを拾われて走られるという前節までの悪い癖がここで出てしまった。11.山口のスリーと7.エヴァンスの得点で63-53とリードは広げたものの、そこから0-11のランを許し逆転されてしまった。ただ、タイムアウトとオフィシャルタイムアウトをうまく使い土俵際で粘りを見せた。キープレーヤーは0.山田だった。持ち前のリングアタックから自ら4得点を挙げ12.サンプソンのスリーをアシスト、これで再逆転となるとその後は1ポゼッションを巡る攻防になった。品川は23.アブがゴール下で存在感を発揮して追いすがる。そして残り6秒で47.平良がミドルジャンパーを決め、74-75と土壇場で再び前に出た。タイムアウトの残っていない山口は、リスタートから0.山田が持ち運びゴール下へのアタックを見せ、残り1秒でファウルを受けることに成功。このフリースローを2本きっちり沈め76-75と再々逆転。残り1秒での品川のオフェンスは届かず、山口が何とか逃げ切りを果たし、連敗を8でストップさせた。


GAME2 
山口90-74しながわ
(16-18,23-13,24-12,27-31)

-速い展開のバスケで見せたビックラン

前日の熱戦の後のGAME2、互いに同じスターティング5で臨んだ。先に前へ出たのは品川。6.尾形のスリーポイントで先制すると常にリードを保って1Qを進めた。品川も山口もディフェンスがある程度うまくいっており、連続得点とはいかないもののスリーポイントシュートの確率で品川が上回っていた。1Q品川が3本決めたのに対し、山口は0本という成功数だった。とはいえ山口もファストブレイクを中心にリングへのアタックを見せて2点のシュートやフリースローで試合をつないでいった。一進一退の攻防の末16-18と品川が僅かながらリードを保った1Qとなった。

2Qは山口が連続でターンオーバーを出し、品川が連続スリーでリードを広げるという入りに。山口はすかさずタイムアウトを取らざるを得ない流れになった。しかし、このタイムアウトで悪い流れを切ると21-26から11-0のランで試合をひっくり返すことに成功した。このランでは速い展開のバスケットが火を吹き前節やられたことをやり返した感じだった。品川はなかなかショットが入らず、次第にオフェンスの流れを失いタフショットが増えていったように見えた。2Qの終わりまで山口が流れを手放さず7.エアヴァンスの得点や25.田中のスリーでリードを広げた。最後に47.平良がスリーを決めて点差を縮めた品川だったが、39-31と山口がリードを広げたクウォーターとなった。


-ロスター全員が得点を挙げる試合で快勝

3Qは山口のクウォーターとなった。まず11.山口と12.サンプソンの連続スリーが決まるとディフェンスリバウンドから速攻で64.井手がレイアップを決めた。これで流れを掴むと速攻とオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスで着実に得点を重ねていった。スリーポイントは11.山口が2本沈めただけだったが、ゴール下での得点を積み重ね24点を奪ったクウォーターとなった。品川は47.平良がシュートにアシストに一人奮闘する展開となってしまい、突き放されてしまった。63-43と20点差をつけ山口が大きなリードを奪った

4Qは山口が7.エヴァンスと12.サンプソンをベンチに下げ、5.ミッター、23.モーガン、1.山下、6.松尾、94.延原の6人でほとんどの時間をプレーするクウォーターとなった。4Q開始直後はオールコートでスティールを狙う品川のディフェンスに対してターンオーバーを連発してしまった。しかし、ピックを使ったガード陣のドライブやチームファウルがたまることによるボーナスのフリースローで得点を挙げ、危ない展開には持ち込ませなかった。バタバタした時間はあったものの、点差を維持し90-74で快勝となった。GAME2はロスター全員がコートに立ち、また全員が得点を挙げた。同一カード連勝は金沢戦以来2回目となった。


上位の相手に結果が出なかった中で、山口と同じく結果に苦しんでいる品川に対してホームで連勝を飾ることができたのは良かった。結果が出たのが何よりの成果だったと思う。また5.ミッターがインジュアリーリストからようやく抹消され、初出場となったのが嬉しい出来事であった。シーズンは残り半分となるが、これまでの鬱憤を晴らすプレーに期待したい。そして、次節がひと回り目の最後の試合となる。相手はさいたまブロンコス、14勝10敗と貯金を作っているチームとの試合である。現在貯金を作っているチームに対して、山口が勝利を収めたのはアイシン戦の1勝のみである。二回り目に向けてこの流れを変えるためにアウェイ戦ではあるが、ぜひ一発入れてもらいたい。



*文中敬称略

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