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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #12

新年最初の対戦相手は鹿児島レブナイズ。アルティーリ千葉に勝利を収めるなど、現在6連勝中と絶好調のチームだ。今シーズンもここまで17-5と大きく勝ち越している。6連勝中の鹿児島と6連敗中の山口の対戦となった。


GAME1
鹿児島86-62山口
(24-16,21-16,22-15,19-15)

-鹿児島のトランジションが光る試合展開

GAME1のスターティング5、ホーム鹿児島は3.髙橋、41松崎、23.ゲインズ、32.武藤、7.カニンガムをチョイス。鹿児島は日本人ビックマンを擁し3番ポジションに外国籍の選手を起用するというメンバー構成のようだ。山口はお馴染みの5名、23.モーガン、11.山口、1.山下、12.サンプソン、7.エヴァンスである。

立ち上がりは鹿児島が勢いよく入る。トランジションオフェンスから41.松崎が1本、23.ゲインズが2本スリーポイントシュートを沈めると、ディフェンスではインサイドを中心に固め山口にタフショットを強いることに成功していた。素早いトランジションからどんどんシュートを狙い得点を積み重ねていきたいチームに見えた。対する山口はスクリーンプレーを使いながら何とかついていく展開に。1Q終盤に8.土居がスリーポイントを2本沈め試合をつなぐものの、最後は鹿児島に走られイージーショットを決められてしまった。24-16で鹿児島が1Qを奪った

2Qは鹿児島の流れだった。鹿児島は山口のスクリーンを使ったオフェンスに対し、スクリーナーに対するマークマンも前へ出るディフェンスを行うチームであった。ショウディフェンスやブリッツなどで山口のボールマンに自由を与えずタフショットを打たせることができていた。そして、山口のターンオーバーやディフェンスリバウンドから素早くオフェンスに転じ、得点を積み重ねていった。また、セットオフェンスでも、山口のゾーンに対してローポストに立つ32.武藤を上手く使って得点を挙げていた。2Qの終盤に45-23と大きなリード奪ったように鹿児島の試合といえる展開になった。しかし、残り1分あたりから山口が8.土居、1.山下、12サンプソンが3連続でスリーを沈め粘りを見せた。45-32のスコアで後半へ突入することとなった。


-新年最初の試合で躍動した鹿児島

3Qは立ち上がりこそ互いに点を取り合う展開となったものの、その後はやはり鹿児島のペースに。どうしても山口が我慢できずに離されてしまったという印象である。特にこの試合ではオフェンスがうまくいかずに崩れてしまったように見えた。2Qのところで書いたように鹿児島の積極的なディフェンスに対し、タフショットを打たされたり、ターンオーバーが出てしまったりして、良い形でオフェンスが終われずに走られてイージーなショットで失点を許す流れになってしまった。加えると7.カニンガムのオフェンスリバウンドからの得点も地味ながら効いていたと思う。鹿児島の選手たちが躍動したクウォーターで67-47の差がつき、試合は最終クウォーターへ。

4Qも全体的な流れはあまり変わらなかったように見えた。互いにゴール下でのブロックショットなどが飛び出しなかなか得点が挙げられない中で、鹿児島は15.濱田のスリーポイントがスイッチとなった。彼の2本のスリーポイントから得点を重ねていった感じである。山口は8.土居の要所での得点が印象に残った。試合が決まっても走ることをやめない鹿児島が4Qも山口を上回り最終スコア86-62で大勝を収めた


GAME2 
鹿児島86-79山口
(14-19,16-19,33-21,23-20)

-前日からの修正でリードを奪った山口

山口としては連敗を何とかして止めたいGAME2、前日と同じ5人で試合に臨んだ。鹿児島は16.久保田を起用した。1Qは一進一退の攻防が続いた。山口はGAME1に比べて、7.エヴァンズにローポストでボールを持たせる意識が高かったように見えた。鹿児島が高い位置からどんどんプレッシャーをかけてくるチームだということもあってか、まず7.エヴァンスに入れて相手のディフェンスラインを下げ、プレスを受けすぎないようにしていたと感じた。立ち上がりはローポストでボールを持った7.エヴァンスが立て続けにシュートを入れており、一定の成果は得られたと思う。鹿児島は41.松崎の連続スリーがあったものの、走る展開になかなかならず気持ちの良いオフェンスが展開できていたとは言い難かったのではないだろうか。中盤に12.サンプソンのスリーから0-7のランを作った山口が14-19で1Qを奪った

2Qは鹿児島がファストブレイクで連続得点、6-0のランで幕を開けた。しかし、山口はここで踏ん張りを見せ26-23から0-9のランをやり返した。やはり、鹿児島に走られなければ試合になるということだろう。山口が良い形でオフェンスを終えられれば、セットしてディフェンスを始めることができる。山口のゾーンマンツーのような形のセットディフェンスに対して鹿児島は攻めあぐねているように見えた。中でもゴール下の番人として相手のアタックを跳ね返していた7.エヴァンスは印象に残った。2Qの中盤以降は上記のような流れで山口がバスケットを展開し、リードを広げることに成功した。それでも鹿児島も7.カニンガムのスリーポイントや23.ゲインズのダイブで試合を繋ぎ、結果としては30-38と山口が3点リードを広げるにとどまったクウォーターとなった。


-アウトサイドからインサイド、鹿児島の逆襲

3Qは鹿児島がリズムを掴んだ。最初のきっかけはアウトサイドシュートだったように思う。23.ゲインズが2本連続のスリーポイントを沈めると、7.カニンガムのミドルショットも決まった。これでオフェンスにリズムが生まれた鹿児島はインサイド・アウトサイド問わず多彩なパターンで得点を重ねていった。山口が鹿児島のアウトサイドシュートを警戒せざるを得なくなったことが大きいのかもしれないが、ペイントアタックのスペースが面白いように生まれていたのが印象的だった。3.髙橋とビックマンのピックアンドロールを中心に16.久保田のスリーや良いディフェンスからのファストブレイクもあり、どこからでも得点が奪えるような流れであった。山口もオフェンス面は悪くなく一気に離されるということはなかったが、ディフェンスがどうしようもなくなってしまい、鹿児島に33点を奪われ逆転を許した

4Qは互いに点数を取り合う展開に。山口はファウルトラブルでプレータイムが制限されていた12.サンプソンの連続スリーで反撃の狼煙を上げたが、鹿児島はターンオーバーからのファストブレイクとオフェンスリバウンドからセカンドチャンスで追い上げを許さなかった。中盤には15.濱田のスリーポイントとドライブからの得点も飛び出し80-71と9点差まで開いた。山口も12.サンプソンのオフェンスリバウンドで粘りも見せるが、後半だけで56得点を挙げた鹿児島が逃げ切り86-79のスコアで逆転勝利を収めた


2022年最初の試合は好調鹿児島相手に連敗、これで千葉戦から8連敗となってしまった。千葉・長崎・岡山・鹿児島と上位の相手との対戦が続き、内容的良い試合もいくつかあったが力の差を見せつけられた。今節は鹿児島に走られる場面が多く、簡単な得点を許してしまった点が印象に残った。山口も早い展開で優位に立っていきたいチームではあると思うが、攻→守への切り替えのところでどうにも後手に回るシーンが多いように感じる。専門的に見た時にどうなのかは分からないが、課題はたくさんあるはずなので、シーズン終盤この4チームにやり返すことができるよう一歩ずつ成長していって欲しいと思う。



*文中敬称略

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