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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #4

バイウィークと天皇杯を挟み、久しぶりのリーグ戦。開幕節以来のホーム戦の相手は金沢武士団となった。


GAME1
山口83-71金沢
(26-12,12-12,19-26,26-21)


-良いディフェンスから良いオフェンスへ

山口は新加入の10.原田がPGに入り11.山口、1.山下、12.サンプソン、7.エヴァンスというスターティング5となった。金沢は14.冨岡、3.松屋、11.須田、8.ヴィチェンティッチ、15.青木というスターティング5だった。
1Qは山口が流れを掴んだ。金沢のオフェンスに対してショウディフェンスが威力を発揮。ターンオーバーを誘発したり12.サンプソンのブロックショットが飛び出したりして金沢の得点を12点に抑えた。良いディフェンスから良いオフェンスを体現し、速い展開から12.サンプソンと7.エヴァンスの得点を積み重ねていく。中でも12.サンプソンの1on1からのドライブが抜群で1Qだけで11得点を挙げた。終盤にはベンチから登場した選手たちも活躍し、中でも6.松尾が9得点という爆発を見せた。26-12で山口は1Qを取った。

2Qは互いにシュートまでなかなか持ち込めない展開に。ターンオーバーやオフェンスファウルでオフェンスが終わってしまうポゼッションが多かった。山口はベンチメンバーを積極的に起用するゲームプランだったように見えたが、2Qに関しては、ゴール下にアタックできずタフショットが増えてしまい思うようなオフェンスができていなかったように見えた。ディフェンスに関しては1Q同様、ショウやスイッチでボールマンを自由にさせず簡単なシュートは許さないという姿勢が見られた。互いに12点ずつを奪い、38-24で前半を折り返した。


-金沢の反撃と山口の爆発

3Qは得点を取り合う展開に。山口はスリーポイントシュート攻勢で得点を積み重ね、チームとして5本のスリーポイントを沈めた。金沢は14.冨岡が開始直後にスリーポイント2本を含む8得点で勢いづけると、引き離されそうになりながらもしぶとく山口についていった。それが功を奏し、終盤の山口のターンオーバーにつけ込み0-9のランを見せ一気に7点差まで追い上げた。特に8.ヴィチェンティッチがゴール下で得点を量産していた。試合の行方は完全に分からなくなった。

4Qの入りも金沢の勢いが止まらない。14.冨岡と29.田中の3連続スリーポイントで試合をひっくり返す。3Qの終わりからの0-18のビックランとなった。このビックランを生み出したのは金沢のディフェンスも大きかったであろう。山口のローポストアタックに対して11.須田が常にヘルプに行ける位置を取り、インサイドで自由を与えないことに成功していた。それによって、山口のシュートが落ちたところを素早くオフェンスへつなげ得点に結び付けていた。しかし、山口もタイムアウトで流れを切り、踏ん張りを見せる。その中で光ったのが11.山口だった。4Qだけでスリーポイントを3本を含む14得点を挙げる活躍となった。11.山口は開幕戦で19得点という爆発を見せた後、2桁得点の試合が2試合あったが、爆発力という意味では少し寂しい試合が続いていたように感じていた。ただ、この試合の4Qに関しては彼の爆発力が存分に発揮され、試合を決める活躍を見せてくれた。11.山口にシュートを打たせるためにボールを運んだ23.モーガンなどチームとして崩れない戦いができたことも大きかったが、11.山口のインパクトは相当なものだった。最終的には83-71で開幕節以来の勝利を挙げることができた。


-タイムシェアとセカンドユニットの活躍

GAME1は押し気味に進める中で、1度金沢に持っていかれた流れを再び引き戻して挙げた勝利だった。印象に残ったのはタイムシェアの部分だった。この試合ではし1Qからベンチメンバーを積極的に投入しタイムシェアを行っていた。その中で活躍を見せたのが6.松尾であった。そして、金沢に追い上げられた4Qは一転して、これまでのスターティング5のメンバーを引っ張って起用していた。これが功を奏し、悪い流れを断ち切って勝利を挙げることができたのだと感じた。GAME2も引き続き、HCがどのような選手起用を見せるのかに注目したい。


GAME2
山口77-61金沢
(23-14,20-15,14-15,20-17)


-チーム全員で奪ったリード

ホームでの連勝を目指したいGAME2、山口のスターティング5はGAME1と同じ5名となった。金沢は29.田中を起用した。最初に流れを掴んだのは山口。外と中を効果的に使い分けるオフェンスで一気に13-3とリードを奪う。11.山口の切り込みからのキックアウトで1.山下のスリーがあったり、7.エヴァンスへダブルチームにきたところでアウトサイドに待つ11.山口にパスを送ってのスリーがあったり、非常にスムーズなオフェンスが見られた。タイムアウトを取った金沢はインサイド陣のピックを使ったオフェンスで反撃を見せる。14.冨岡のドライブやポップした8.ヴィチェンティッチのスリーポイントで14-11とする。しかし、山口がディフェンスリバウンドからの速攻で得点を積み重ね再び突き放すと、23-14のスコアで1Qを取った。

2Qも山口の流れで進んだ。オフェンスリバウンドを拾ってからの0.山田のスリーでスタートを切ると8.土居、64.井手のポイントで33-17までリードを広げる。金沢はタイムアウトで流れを変えようと試みるものの、流れを変えるには至らず38-19までリードを広げられてしまう。しかし、そこから山口のオフェンスが重くなり外からのシュートが増えていく。落ちたシュートのリバウンドを拾い素早い攻撃につなげた金沢が14.冨岡を中心に0-10のランを見せ追いすがる。山口はベンチメンバーの活躍でスターティング5が1秒も出場しないクウォーターとなったが、しっかりとリードを広げ、43-29のスコアで前半を折り返した。


-粘る金沢とディフェンスで流れを引き戻した山口

3Qは互角の展開。スターティング5を満を辞してコートに戻した山口は積極的なプレーを見せる。ディフェンスリバウンドやターンオーバーからの素早い攻撃で得点を重ね、一時は53-33と20点のリードを奪った。金沢はアウトサイドからのシュートが増え、それが落ちて走られるという悪循環に陥っていたように見えた。しかし、タイムアウトを境に少しずつ流れを取り戻し、14.冨岡を中心としたオフェンスで反撃に出る。終盤はバスケットカウント、スリーポイントシュートファウルなど3点プレーが立て続き57-44で最終クウォーターへ向かう事となった。

4Qの立ち上がりは金沢の流れとなった。29.田中、11.須田の連続スリーポイント7点差まで迫ると、たまらず山口がタイムアウトを取る。ここまで粘っていた金沢に流れが傾くかと思われた。ただ、連勝を果たしたい山口はここで踏ん張りを見せる。ポイントとなったのはディフェンスだった。相手にズレを作らせない激しいディフェンスでディフェンスリバウンドを一発で拾うと、0.山田が速攻からファウルを受ける。また、1.山下のスティールから7.エヴァンス・12.サンプソンが得点を重ねていく。そしてオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスでも得点を挙げ、たちまち点差は広がっていった。4Qの厳しい時間帯で足を止めなかった山口が追いすがる金沢を突き放し最終的には77-61のスコアで2連勝を飾った。


-仕切り直しのホーム戦での連勝

連勝を飾ったGAME2は点差以上に厳しいゲームだった。試合開始から大きくリードを奪い試合を進めるものの、粘る金沢に一時は7点差まで追い上げられる展開だった。しかし、今節テーマだったかもしれないタイムシェアが物を言ったのか、最後までエネルギーが落ちず、突き放すことができたのは非常に良かった。ホームでの連勝はもちろん、新加入選手も含めロスター全員の力で掴み取った連勝という事実が大きいはずである。この勢いを持って次節のアイシン戦、アウェイでの初勝利を掴み取って欲しいところだ。


*文中敬称略


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