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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #14

前半戦最後の相手はさいたまブロンコス。さいたまは、前節の八王子戦が中止になったため、この山口戦は2週間ぶりの試合となる。今シーズンはここまで14勝10敗と勝ち越しているチームの1つである。後半戦に向けて、より上位を目指すためにはホームで山口には負けられない。山口としては何とか一発入れられるか、そんなところが見どころとなる。


GAME1
さいたま95-83山口
(33-25,17-17,21-25,24-26)

-さいたまのセットオフェンスに対応できない山口

埼玉のスターティングファイブは7.長島、8.新川、14.佐藤、2.クリークモア、6.ワトキンスとなった。山口は64.井手、0.山田、11.山口、12.サンプソン、7.エヴァンスと前節と同じメンバーだった。

立ち上がりから流れを掴んだのは埼玉。ピックを至るところで使ったセットオフェンスが火を吹き、得点を積み重ねた。ボールマンだけではなく3人目の選手をフリーにするためのピックなど、本当にハーフコートの様々なところでズレを生み出すための動きが見られていた。また、フリーになったシューターも確率高くシュートを決めていき、大きくリードを奪う展開となった。序盤は6.ワトキンスがゴール下とスリーで勢いをつけ、そこに2.クリークモアがミドルジャンパーを2本とスリーを1本決めて流れに乗った。中盤以降は14.佐藤がミドルジャンパー1本とスリーを2本、8.新川もスリーを1本決めるなど、ガード陣の活躍も光った。

山口は埼玉に自由なオフェンスを許し、自分たちのシュートも決まらない展開で23-7と大きなリードを奪われた。今節も厳しい一戦になるかと思われたが、そこから何とか粘りを見せた。12.サンプソンがスリーを4本決め12得点、5.ミッターがスリー1本とミドルジャンパー1本で5得点と光る活躍を見せ、試合をつないでいった。一時は16点差まで開いたが、最終的には33-25と8点差で終えたクウォーターとなった。

2Qは一転して重い展開に。埼玉は形を作るもののシュートが決まらない、山口も同様に11.山口のスリーが連続で落ちるなど点差を縮められそうで縮められないといった流れだった。その中で埼玉はオフェンスリバウンドから1.ヴォールケルが4得点、山口は0.山田と7.エヴァンスのツーメンゲームでつないでいた。終盤は2.クリークモアのポストを起点にオフェンスを組み立て、その彼が6得点を挙げた。山口は速い展開で0.山田、64.井手、7.エヴァンスがそれぞれゴール下へのアタックから得点を挙げた。結局、2Qはタイスコアとなり50-42で後半へ向かうこととなった。


-山口の反撃も要所で流れを渡さないさいたま

3Qは埼玉の外国籍選手が光る展開。ガード陣がボールプッシュやピック等でアシストしていることもあるが、彼らが高い確率でシュートを沈めた。特に2.クリークモアのアウトサイドシュートは要所で決まり、埼玉の流れを作っていた。2.クリークモアは3Qだけで12得点と大当たりと言っていいだろう。山口は形を作りながらもシュートが入らなかったり、リバウンド等のルーズボールが拾えなかったり、笛にフラストレーションを溜めているように見えたりと色々な面でリズムに乗れていなかった印象である。そんな中でも3Qの終盤に7.エヴァンスの7得点で何とか試合をつなぐことには成功した。71-57と埼玉がリードを6点広げ、最終クウォーターへ突入した。

4Qも流れは3Qまでとは変わらず、埼玉は2.クリークモア、山口は7.エヴァンスと12.サンプソンを中心に得点を重ねていく展開だった。埼玉は試合を通してセットオフェンスを忠実に実行し良いシュートを打つことを徹底しており、それを徹底することによりオフェンスリバウンドにも良い形で絡むことができていたのではないだろうか。試合を通して17本のオフェンスリバウンドを確保しており、オフェンスリバウンドからの得点が要所で効いていた印象である。山口はボールプッシュから速いタイミングでのシュートで得点を奪っていたが、埼玉のセットオフェンスに対して有効なディフェンスができていたとは言えず95失点となってしまった。2.クリークモアが35得点、6.ワトキンスが23得点とチームを引っ張り、9.中野と14.佐藤も11得点とガード陣もそれに追随する形で流れを掴んだ埼玉が95-83のスコアで先勝を飾ったゲームとなった。


GAME2
さいたま102-87山口
(25-20,32-13,22-28,23-26)

-接戦の1Qから一気に勝負が決まった2Q

GAME2は両チーム同じスターティングファイブとなった。この試合も先にリードを奪ったのは埼玉。ショウディフェンスを仕掛けた山口の背後を取り、6.ワトキンスが得点を奪うと、チームとしてアウトサイドシュートがこの日も好調だった。14.佐藤はスリー2本にミドルジャンパーを1本。2.クリークモアもスリー2本を含む8得点と前日の流れを継続していた。いきなり18-8と10点のリードとなった。しかし、山口も0.山田のスティールをはじめファストブレイクから4得点、スリーポイントシュートも64.井手と23.モーガンが沈め追い上げを見せた。出だしのクウォーターは25-20と埼玉が5点のリードを奪った。

2Q一気に埼玉が山口を突き放しにかかった。勢いをつけたのはベンチから出てきたガード陣だった。2Qの入り、9.中野のスリーポイント3本を含む11-0のランでロケットスタートを切ると、32.吉川のドライブを中心に2点を積み重ねる展開。2Qは9.中野が9得点、32.吉川が10得点、21.野原が3得点とベンチメンバーポイントが積み上がった。山口は埼玉のシュートタッチが良い中で、自分たちのポゼッションでターンオーバーを出してイージーなシュートを決められてしまっていた。埼玉の勢いを加速させてしまったような格好のクウォーターにしてしまった。2Qのスコアは32-13と大差がついた。


-山口のカムバックとオフィシャルタイムアウトで分かれた明暗

3Qは山口が少しずつ反撃を見せるクウォーターとなった。一回でディフェンスリバウンドを確保、12.サンプソンのゴール下でのブロックショットなどで守→攻のトランジションを出すことができるようになっていった。64.井手や0.山田のスピードが生きる展開になり、点差が詰まっていった。スリーポイント攻勢というわけでは決してなかったものの、ゴール下で着実に点数を重ねていた。ベンチから出てきた5.ミッターや6.松尾も要所で得点を決めてくれた。埼玉は、ターンオーバーから流れを失いかけてしまったが、14.佐藤が抜群のシュートタッチで9得点を3Qだけで挙げてつないでいた。3Qは22-28で山口が取り、79-61のスコアで最終第4Qへ。

4Qも山口がリズムを維持し、5.サンプソンの5得点と6.松尾がスティールからそのままゴール下で得点を奪い0-7のラン、79-68と一気に11点差まで詰め寄った。そこからは一進一退の攻防、埼玉は6.ワトキンスのゴール下と8.新川、9.中野のペイント外からの2点シュートで得点を挙げていた。山口は7.エヴァンスを起点に11.山口、12.サンプソンが得点を挙げ、さらにディフェンスリバウンドを確保してからのファストブレイクで0.山田がゴール下のシュートを沈めて88-78と10点差まで追い上げた
ただ、ここでオフィシャルタイムアウトが入り流れが切れる。両チームにとって大きなタイムアウトである。流れを止めたい埼玉、流れに乗りたい山口。そしてこのタイムアウト明け、流れを掴んだのは埼玉だった。7.長島がフリースローを4本きっちり沈めリズムを掴むと、2.クリークモアのミドルショットが決まり6-0のラン。山口とすれば10点差で入ったオフィシャルタイムアウト明け、追いつく希望が見えていた中、一瞬で16点差になってしまった。ここまで大きなビハインドから追い上げてきた山口に反撃の力は残されていなかった。その後は互いに点数を奪い合い、最終スコア102-87で埼玉が連勝を飾った。



*文中敬称略

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