見出し画像

山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #11

2021年最後の試合の対戦相手はトライフープ岡山だ。昨シーズンのB3リーグで2位という成績を収めた強豪チームである。今シーズン終了後の昇格争いに参戦する権利を持っており、長崎千葉が話題をさらっている中でも見ておかなければいけないチームだと言えよう。今シーズンもここまで13勝5敗と貯金を7つ作っている。


GAME1
岡山108-81山口
(23-17,29-21,21-23,35-20)

-明暗を分けた一つのポゼッション

GAME1のスターティング5、山口はおなじみの5名。23.モーガン・11.山口・1.山下・12.サンプソン・7.エヴァンスだ。岡山は1.樋口、18.岡田、15若狭、4.パーマー、14マドゥアバムというメンバーとなった。

最初のポゼッションは山口、23.モーガンから12.サンプソンへのパスを岡山がスティールすると、18.岡田がワイドオープンのスリーを沈め、最初の得点を挙げる。そして、15.若狭のドライブから4.パーマーの合わせ、1.樋口のドライブから再び18.岡田のスリー、4.パーマーのドライブイン、14.マドゥアバムのゴール下と次々に岡山が得点を挙げ、14-2とリードを奪う。山口は岡山のディフェンスに対してアウトサイドからシュートを打たされる展開でオフェンスのリズムを掴めていなかったように見えた。しかし、0.山田と8.土居の投入から山口も少しずつ盛り返す。0.山田がスリーポイント2本で6得点、8.土居も6得点、94.延原が3得点とセカンドユニットの活躍があり、試合を繋ぐ。岡山も31.オリビエがゴール下をアタックし6得点。終始岡山がリードを保ちながらも山口がついていく展開となり23-17で1Qを終えた。山口は7.エヴァンスと12.サンプソンがそれぞれファウルが2つと、ファウルトラブルが気になるところである。

2Q最初の得点は岡山。17.岩松がファウルを受けながらスリーポイントシュートを沈め4点プレー決めると、そこからは互いに10点差付近を行ったり来たりする展開に。ポイントとなったのは終盤の44-36からのポゼッションだった。岡山14.マドゥアバムのインサイドアタックに対して7.エヴァンスのブロックから山口が速攻を繰り出す。アウトナンバーの形でゴール下で12.サンプソンが、コーナーで8.土居がフリーとなっていたが、0.山田からのパスがミスとなりターンオーバー。2ポゼッション差に迫るチャンスを逃してしまう。直後の岡山のポゼッション、4.パーマーのドライブで山口ディフェンスを収縮させ、コーナーで待つ16.小堺へパス。パスを受けた16.小堺は、ファウルを受けながらスリーポイントシュートを沈め4点プレーを完成させる。この攻防で岡山が抜け出す形に。山口としては6点差まで迫りかけたところで逆に点差を12に広げられる形となってしまった。これで流れを掴んだ岡山は最後のポゼッションでも17.岩松がスリーポイントを沈め、52-38と山口を突き放すことに成功したクウォーターとなった。


-畳み掛けるオフェンスで勝負を決めた岡山

3Qも岡山が4点プレーで先に得点を挙げる。15.若狭が1本決めた後、2本目のフリースローが外れるが、オフェンスリバウンドを確保した岡山が4.パーマーのスリーポイントで4点プレーを完成させる。これで16点差になると、この付近の点差で試合が進んでいく。岡山は22.向井のコーナースリーやセカンドチャンスから34.オリビエのゴール下での得点などで一時は21点のリードを奪う。ただ、山口もディフェンスから粘りを見せ、ターンオーバーからの速攻でフリースローを獲得し、反撃を開始する。お互いに短いランを出し合う展開の中で、最後94.延原と7.エヴァンスの得点で0-7のランを作った山口が73-61と点差を2点詰めて4Qへの戦いへ向かうこととなった。

4Q立ち上がりで試合が決まった。山口のシュートが落ちる中で岡山が着実に点数を積み重ねていく。1.樋口、14.マドゥアゼル、10.コート、22.向井、4.パーマーの得点で11-0のランを作り山口を突き放した。山口は7.エヴァンスがファウルアウトになったこともあり反撃はできず。ミスマッチの中で34.オリビエがゴール下を支配しこのクウォーターだけでチームとして35得点を挙げた。最終スコアは108-81。岡山が100点ゲームで快勝となった。


GAME2
岡山99-68山口
(27-13,27-8,23-26,22-21)

-岡山のディフェンスの圧に屈した山口

GAME2のスターティング5。山口はGAME1と同じメンバー、岡山は15.若狭に替えて22.向井を起用した。試合開始からその22.向井がスタメン抜擢に応える。スリーポイントを3本、ミドルジャンパーを1本と4/4の確率で沈め、立ち上がりでリードを奪う。山口は7.エヴァンスをフィニッシャーにして何とかついていくが、アウトサイドのシュートが全く決まらず厳しい展開。中盤からは34.オリビエにゴール下を支配されてしまう。彼の面を作ってからの左フックが全く止められず乗らせてしまうと、ミドルジャンパーも沈められ、彼に10得点をも許してしまった。22.向井の11得点、34.オリビエの10得点を中心に圧倒した岡山が27-13と大きなリードを奪う1Qとなった

2Qも岡山のペースは変わらず。34.オリビエはもちろん各選手が満遍なく得点を挙げていく。山口はオフェンスが非常に厳しい試合となっている。岡山の前へ出てくるディフェンスに苦戦しているとも言えるが、入っても良いアウトサイドシュートは落ち、インサイドへのアタックもセンターの外国籍選手にブロックされてしまう。2Qは何と8得点、前半トータルでも21得点に終わり54-21と大きなリードを許す前半となってしまった。


-苦しい時間帯をどう耐えるか

後半は山口も本来の姿を取り戻し一進一退の展開に。岡山は前半と変わらず内外を効果的に使い分けた攻撃で得点を挙げていく。3Qの中盤以降、オールコートゾーンやダブルチームなどディフェンスで積極的に仕掛けた山口が岡山のターンオーバーを誘い流れを掴む。0-13のランを作り23点差まで縮めるものの、31.オリビエの連続得点で流れを断ち切った岡山が77-47のスコアでリードを維持し、ゲームは4Qへ。4Qも山口が思い切りよく攻守にプレーできるようになり、速い展開を出せるようになるが、岡山も31.オリビエのゴール下での得点を中心に差を維持していく。2日連続の100点ゲームとはならなかったが、99-68でGAME2も岡山が大勝を収めた

山口にとっては非常に厳しい2日間となってしまった。オフェンスでリズムがなかなか作れずディフェンスが耐えきれないという展開になっていたように思う。特に、アウトサイドから軽いシュートを打たざるを得ないオフェンスからリバウンドを拾われて走られると耐え切るのはなかなか難しい。このような試合でディフェンスから試合を壊さずつないでいけるかどうかが、この先の伸び代かもしれない。前節の長崎がそうであったように自分たちから仕掛けてリズムを持ってこれるか、持ってこれないまでも耐え切れるかが重要で、そこで耐え切れればオフェンスの爆発力を持っている山口ならば勝ちを拾える試合も出てくるのではないだろうか。ヒントは3Q中盤以降のプレーだと思う。思い切り良くプレーできるようになり、ディフェンスから仕掛けてターンオーバーを誘うことができていた。次節の対戦相手である鹿児島も6連勝中と好調で、厳しい戦いが予想されるが今節の教訓を生かし白熱した勝負になることを期待したい。



*文中敬称略

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?