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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #2

山口初のアウェイゲームは八王子との対戦となった。八王子は開幕節では静岡と対戦し、連敗を喫してしまっている。ホーム開幕戦でいい流れを作りたい八王子とB3初勝利を挙げ勢いに乗る山口とのマッチアップとなった。


GAME1 
八王子80-69山口
(20-16,15-21,30-14,15-18)


-八王子のアタックと山口の速攻

山口のGAME1のスターティング5は豊田合成戦のGAME2と同じメンバーとなった。八王子は0.上田・77.大金・2.山口・1.ジョンフィールズ3世・88.ウォッシュバーンJr.というメンバー構成となった。最初に流れを掴んだのは八王子、1.ジョンと77.ウォッシュバーンというインサイド陣でゴール下をゴリゴリ攻めて得点を重ねていく。山口は八王子のインサイドアタックに対して、ガード陣が積極的にヘルプに行くわけではなく、ある程度様子を見る中で対応していたように見えたが、7-0のランを喫したこともあり、序盤でタイムアウトを取ることになった。タイムアウト明けは山口が盛り返す。火をつけたのは12.サンプソンだった。7.エヴァンスがフリースローでチーム初得点を挙げるとそこからスリーポイントを3/3で沈め9得点を挙げる活躍を見せた。彼の活躍で13-14と山口が一歩前に出ると八王子も23.バンバがベンチから出てきて連続得点を挙げ、20-16と八王子が4点リードで1Qを終えた。

2Qは互いにやや重い展開となった。オープンのアウトサイドシュートが決まらなかったり、パスが微妙にずれたりしてなかなか得点を奪うことができていなかった。その中で山口のトランジションオフェンスが印象に残った。特に0.山田のスピードを生かしたファストブレイクから5得点、64.井手のドライブインと飛び出し35-39の4点リードで折り返した。


-八王子の理想的な展開と山口の粘り

3Qは八王子のビッククウォーターとなった。まずはローポストアタックを起点にしたアウトサイドシュートで得点を挙げると、落ちたシュートも1.ジョンのオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントへとつなげていく。そして、7.エヴァンスが4つ目のファウルを犯しベンチに下がると、6.新号のドライブやそこからの88.ウォッシュバーンのスリーポイントが炸裂する展開となった。八王子としては中から外から自由自在にオフェンスが展開でき、かつ良いディフェンスからのファストブレイクも繰り出せるという文句のつけようがないクウォーターとなった。山口は12.サンプソンのシュートで何とかつないでいたものの我慢しきれず、簡単なターンオーバーからの失点がもったいなかったと感じた。

4Qは一転重苦しい展開となった。オフィシャルタイムアウトまでで0-8としかスコアが動かず結果的に山口が追い上げる流れとなった。八王子はアウトサイドからのシュートが増えそれがことごとく落ちてしまっていた。山口は11.山口のスリーポイントと12.サンプソンの個人技で得点を重ねるがオフィシャルタイムアウトまでに追いつけなかったのが結果的には痛かった。オフィシャルタイムアウト明けは、八王子の99.大城のドライブが炸裂するなど八王子がリズムを取り戻したことや7.エヴァンスのファウルアウトや12.サンプソンの負傷が山口に出てしまったこともあり、八王子がじわじわリードを広げていった。11.山口のスリーポイントで追いすがる姿勢は見せたものの、最後は届かず80-69で八王子が先勝、今シーズン初勝利を挙げた。


GAME2 
八王子79-65山口
(20-21,19-13,21-19,19-12)


-主導権を握り合う前半

GAME2は山口が素晴らしい入りを見せた。7.エヴァンスと12.サンプソンのハイロープレーで最初の得点を挙げると、相手のインサイドアタックに対してガード陣も含めた激しいディフェンスで簡単にシュートを打たせない。そしてディフェンスリバウンドを一回で確保すると、素早いオフェンスから得点を重ねる。10-0のランを見せた山口に対してたまらず八王子がタイムアウトを取る。
タイムアウト後は八王子の時間に。0.上田のドライブから6得点を挙げると、23.バンバがスリーポイント1本を含めて7得点、チームを加速させた。その後は一進一退の展開で19-20と山口が1点リードで終えることとなった。

2Qはエヴァンスの連続得点で先に前へ出たのは山口だったが、その後は八王子がリズムを掴む。ペイント内に進入できずアウトサイドからの簡単なシュートが増えた山口に対して、八王子がリバウンドを拾ってから走る得点に持ち込むことに成功する。さらに残り5分39秒のところでエヴァンスが3つ目のファウルを犯しベンチに下がると、インサイドアタックを徹底する。山口はゾーンディフェンスを使い何とか抵抗の意思を示すものの、インサイドアタックでディフェンスを中へ収縮させてからのスリーポイントやオフェンスリバウンドを拾ってからのセカンドチャンスで得点を重ねていく。一時は9点のリードを奪った八王子だったが山口も1.山下のスリーポイントなどで粘りを見せ、39-34と2ポゼッション差で折り返すこととなった。


-チームとしての底力を見せ連勝を勝ち取った八王子

3Qも基本的には八王子ペースだったように感じた。目立ったのは0.上田だった。5得点2アシストの活躍でチームに勢いを与えると、チームとしてもスリーポイントが4/7と高い確率で決まり、21得点を挙げるクウォーターとなった。一時は12点ほど差が開く展開となったが、山口も0.山田のドライブや12.サンプソンの個人技からの得点もあって7点差で最終クウォーターへ突入することとなった。

最終クウォーターは互い入れたいシュートがなかなか決まらずジリジリとした展開に。エヴァンスが残り6分のところで4つ目のファウルを犯し厳しい展開になるかと思われたが、先に流れを掴んだのは山口だった。アーリーオフェンスからファウルをもらった7.エヴァンスのフリースローで7点差になると、ファウル4つのエヴァンスのブロックショットから11.山口がこの試合最初の得点となるスリーを沈め4点差まで追い上げる
しかしここで八王子が地力を見せる。タイムアウトで流れを切ると、オフィシャルタイムアウトの直前に山口の守備のエラーを見逃さず6.新号がスリーポイントを沈める。オフィシャルタイムアウト明けもプレー強度を落とさない八王子は6.新号と1.ジョンのピックアンドロールやこの試合20得点を挙げた99.大城のスリーポイントなどで山口を突き放す。エヴァンスがファウルアウトとなった山口に反撃の力は残されておらず、79-65で八王子が2連勝を飾った。


-開幕から4試合で見えてきたものと今後の注目ポイント

山口初のアウェイ戦は連敗という結果になった。しかし、2試合とも際どい勝負を演じており、自分たちの流れにある時間帯のバスケットは見ていて非常にワクワクするものだったと感じた。ただ、悪くなった時に踏ん張り切れずバタバタといってしまう部分があり、その辺りが勝利を得るためにはポイントとなってくるであろう。そして、開幕節から通して感じるのはインサイドでの攻防が試合に与える影響が大きすぎる点である。豊田合成とのGAME1では12.サンプソンが、八王子戦ではGAME1,2ともに7.エヴァンスがファウルトラブルに陥ってしまい非常に苦しい展開となっていた。ここは編成が絡む要素も大きく難しい部分であるとは思うが、対戦相手からすれば明らかな狙いどころであると感じた。

試合を見れば、どのように対応していくつもりであるかは見て取れる部分もあり、シーズンを戦っていく中でどのように最適解を見つけていくのかを注目していきたいと感じた。

八王子は、強力なインサイド陣とガードのコンビネーションプレーが非常に強烈で、GAME1の3QやGAME2の2Qに見られたインサイド陣でゴリゴリ攻めた後の高確率で決まるスリーポイントは止めるのが困難なオフェンスだった。次回対戦時では、どこを重点において抑えにいくのかを山口視点では楽しみにしたいと感じた。



*文中敬称略

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