「夫」を忘れた夫

2022年9月24日 18:22

忘れたいのに、忘れられないことがある。
忘れちゃいけないのに、忘れてしまったことがある。
忘れたつもりだったのに、忘れてなかったことがある。
無意識は、日々の意識の積み重ね。
記憶は、意識と無意識のあいだを、はかなく漂う。

まぁ結論から言うと、「夫」という漢字を忘れてしまったという、情けないヨタ話なんですが・・・(恥)

仲良しクリエイター「松平雅楽守 (まつだいらうたのかみ) 」さんの記事に出てきた「ど忘れ」ってキラーワードです。
「ど忘れ」を考えていたら、すっかり忘れていた黒歴史がよみがえり、股間にはムシズが走り、つぶらな瞳からはあぶら汗が溢れ出て・・・。

この方、名前にもあるように音楽に関する知識と熱量がハンパない。
噂では、全国津々浦々のカラオケ店を牛耳っていて、その上納金で生活してるらしい。(いや、そんな噂はない)

それにとんでもない雑学おやじ、
失礼、博識者であり尊敬しております。
毎日毎日、凄い内容の濃かったり薄かったり(笑)の記事を書かれていて、下調べ等を考慮したらエライ労力と時間を無駄使い・・・違う、有意義に使われており、いつも勉強させてもらっています。

嫁さんが虫垂炎になり、すぐに入院、手術が必要になりました。
あれよあれよと事が運び、私はナースセンターに呼び出される。

「ご主人、今のうちに同意書にサインお願いしますね。」
「あっ、ハイ。」

名前書いて、住所書いて、続柄・・・。
目の前にいる、若くて可愛い (これセクハラですよ〜) 看護師さんが、「普通にオットでいいですよ」と、合いの手を入れてくれる。

「ですね、オット、オット、えっ、おっと、おっと、あれっ、オット・・・」
謎の呪文を唱える私。

もう、アタマの中が真っ白である。

見かねた、若くて可愛い (だから、それダメ) 看護師さんが、「ににひと」ですよ　って、ささやいてくれる。

「え〜と、ニニヒト、ニニヒト、ににひと？？？」
次の呪文を唱える私。

このあたりから、ナースセンターにいる全ての看護師さんの視線を感じる。
見られている恍惚感と焦燥感のあいだで揺れる男心。(なんのこっちゃ)

「二人ですよ、ふ・た・り。」
「ふたりが合体したやつ。」
えっ、え〜、何を言っているんだ！！

もう色々な意味で戦意喪失し、うなだれる私。

優しい看護師さんは、そっと私の左手を握り、手のひらに指で「夫」と静かに書いてくれたのでした。

とまぁ、30過ぎたオッサンが遭遇した、生き地獄の一部始終でございます。
「穴があったら入りたい」とか「消えて無くなりたい」とか、ホントにあるんだと実感した数分間でありました。(滝汗)

キャロルの時代から、ジョニー大倉の歌でした。
が、永ちゃんの歌もいい。

では、では、また次回。　ありがとうございました！！