見出し画像

<鑑賞記録>ミドル / ナショナル・シアター

2017年にナショナルシアターで上演された「ビギニング」という公演の続編。三部作になるらしい。話自体は繋がっていないし、登場人物も違うんだけど、一作目の「ビギニング」は男女の関係の始まり、今回の「ミドル」は夫婦の関係の途中、最終作の詳細はまだ発表されてないけど「エンド」というタイトルだという事は決まっているので、おそらく男女の関係の終わりを描く事になるんだと思う。

テーマ自体は好みだったけど、演技が好きじゃなかった。70分くらいの二人芝居なんだけど、どうも芝居が噛み合ってないように見えるシーンがいくつもあって、心情のすれ違いに対するフォーカスが、演技に上手く作用して無いように感じた。ストーリーは、妻が夫に、「もう愛していない」と伝える場面から始まる。夫はガサツで、下品なところがある。徐々に、妻が不倫している事や、晩婚の二人には子供が居る事などが明らかになっていく。途中、部屋に飾られているお皿や戸棚のガラスを、怒りに任せて割るシーンがあるんだけど、もちろん実際のガラスじゃないから、明らかにプラスチックの音がして、このセットには全くあっていないように感じた。別に、割らずに、ゴミ袋に捨てていくとか、段ボールに詰めていくとか、少し変えるだけで同じ心情を描きながら、そこの違和感を無くす事は出来たんじゃ無いかと思う。

ただ、窓の外から朝日が差し込んできて、2階に居る子供が起きた物音がするというラストシーンは劇的だった。

それにしても、ナショナルシアターの新作に対して、好みじゃなかっただとか、こうした方が良かったんじゃないかとか、贅沢な事いってんじゃないよ、と我ながら思う。

画像1
画像2
画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?