占い師から歯並びをキレイにした方が良いと言われて歯科矯正を決意したら大変だった話し ep11
『土曜ワイド劇場~血の海再び②~』
前回の採血から2週間が経った。
処方されていた鉄剤を飲まずに、病院へ特攻する。
矯正の治療中に、歯科衛生士さんとも鉄剤美味しくないよねぇなんて話しで盛り上がった。
「じゃあ、今日も頑張りましょうか」
「・・・はい」
ベッドに寝かされ、まさに俎板の鯉状態である。
そして、はたと気付く。前回は、看護師さん一人でパパッとやってくれたのに、今日は若い看護師さんが一緒だ。気になって、看護師さん達の動きを目で追う。そして、針を持ったのは若い看護師さんだった。
「お前がやるんかーい!?」
なんて、心の叫びをグッと我慢する。だって、若くてもめちゃくちゃ注射が上手かもしれないじゃん!と、一縷の望みを託しソッと目を閉じた。
「じゃあ、刺しますねー」
「は、はい・・・」
針が当たる感覚そして皮膚に刺さった瞬間だった。
看護師1「あ!」
ヲタク「?!」
看護師2「見ちゃダメ!」
何が起きたのか、一瞬分からなかった。周りでは、看護師さん達がバタバタと動いてる。
私は、『あぁ、血って本当に温かいんだぁ』と赤く染まる腕と、シーツをぼんやり眺めていた。
看護師2「hakuさん、大丈夫ですよー」
看護師3「心配しないでね。気持ち悪くないかな?」
「あぁ・・・はい。大丈夫です」
いつの間にか、新しい看護師さんも応援に来ていてやっと現状を把握する。
おそらく、針の刺しどころが悪かったのか、血が逆噴射でもして、腕や頬・洋服やシーツに飛び散っていて中々の惨劇だった。それでも、すぐに止血がされたので事なきを得たが、まさかこんな事になろうとは思わなかった。
きっと、刺した看護師さんも他人の血を浴びるなんて思ってもいなかっただろう。可哀想に。
これで、採血中止かなぁ・・・なんて思ってたら、術衣姿の見知らぬ先生がやって来た。
「はーい、僕が変わりますね~!」
逆の腕に、光の速さで針を刺して颯爽と出て行った。無念。
次回、初めての入院。
『補足』
文章上簡単に書いてますが、病院側はきちんと謝罪してくれてます。
後、この日は白のトップスを着ていたのですが、自分の返り血で真っ赤に染まり、クリーニングに出してもキレイにならないだろうとの事で、洋服代もお支払いいただきました。特に痛みとかもなかったので、私としては病院側の対応に満足しています。
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