朗読劇二人芝居『ファンレターズ』矢野優子4通目

矢野優子「前略。
夢野愛先生。
私の手紙は迷惑でしょうか。
私は別にキチガイでもオタクでもありません。
ティーンズハートの滝田さんはわかっていませんね。きっとあの人はこちら側の人ではないのかもしれませんね。
先生は滝田さんに私と先生の関係を気付かせないために、訳の分からないやりとりをして、ごまかしていらっしゃるんですよね、そうですよね、きっとそうですよね。
でないと、他に先生と滝田さんの言っていることはまったく私には理解できませんよ。
滝田にはいつか死をもってつぐなってもらいましょうね。
この前、先生の書かれる小説からメッセージを受け取った者が私の他にもいるのではないかと思い、フェイスブックやツイッター、アメブロともう閑散としてしまっている2ちゃん、ミクシイのコミュなど拡散希望として呼びかけてみましたが、返ってくる返事はみんな何を考えているのか、何を勘違いしているのかというものばかりでした。
例えば、
『夜空を見るとすごく帰りたくなる私です』とか
『無意識の中の自分を発見することにより、人生が二倍楽しめる』とか。
寝言は寝て言ってもらいたいですよね。
やはり、その時を待つしかないのでしょうか。
その時になれば、誰が本当の私の味方で、私の事を本当に心から心配してくれる仲間なのかわかると思います。
今はまだ、その仲間がどこにいるのかはわかりません。
でもきっとどこかで私と同じ思いをして、待ち続けていると私は信じています。
夢野愛先生、新作が難航しているみたいですね。がんばってください。
またお便りします。
矢野優子」


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